大阪市天王寺区のとある路地裏にできた行列。
お客様が待ち侘びているのは食パン。
中には10本もまとめ買いする猛者まで…
一体どんなパンなのか?
ふちがやわらかくて食べやすい。
耳も子供が残さず食べてくれる。
耳までやわらかいという食パン。
そのヒミツを探ります。
高級「生」食パン専門店の乃が美(のがみ)
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食パン専門店の乃が美、休日には30人以上が並びます。
お客様のお目当ては耳までやわらかにと評判の食パン「レギュラーサイズ(2斤)・864円」です。
一体どれほどやわらかいのか?
洗濯ばさみを使って比較すると、市販の食パンははさんでも耳がつぶれない、一方、乃が美の場合はご覧の通り。
この耳までやわらかいパンは約4時間かけてできあがります。
やわらかさを生み出す秘訣は小麦粉。カナダ産の最高級品を使っています。
国産と比べて粒子がきめ細かいのが特徴です。
社長の阪上雄司さんが2年かけて見つけ出しました。
これほど細かくしっかりした小麦粉に出会えたので生食パンがあると言っても過言ではない。
また耳をやわらかく製法にも工夫を凝らしています。
生地は卵を使わず生クリームなど数種類の材料を加えて作ります。
一般的な食パンに比べて2倍の時間をかけてこね続けると、まるで餅のように伸びてトロトロの状態になります。
これを発酵させて高温で短時間焼き上げます。ただこのままでは中身が半生の状態。予熱を持ったパンを扇風機で1時間ほど冷ませば完成です。
このやわらかさに病みつきになったお客様がひっきりなしにに来る繁盛店になりました。
ただいま品切れ。17時50分からのご予約となっています。
棚には焼き上がりを待つ予約客のレシートがずらり。
阪上雄司社長
ただ阪上さん、パン作りに関してはまったくの素人だったといいます。
実は実家が祖父の代から続く精米店でした。
しかし徐々にパンに売上を奪われ8年前に廃業。パンは商売敵でした。
そんな阪上さんが食パンを始めたのはひょんな出来事がきっかけでした。
老人ホームで見た光景で朝食でパンが出ていたが、耳を残している人を見て耳までやわらかいパンができたらなと。
こうして5年前の2013年に乃が美を創業。いまでは約80店舗を展開するまで成長しました。
祖父の墓に手を合わせて「新しい商売をやらせてもらうけどいいかな」とお願いした。歴史に残る日本地の食パン専門店を作りたい。