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[がっちりマンデー]儲かる!「えんの下のロングセラー」(1)[株式会社パイロットコーポレーション]

儲かる!「えんの下のロングセラー」

儲かる!えんの下のロングセラー

大ヒットペンを生んだメルちゃん人形

やって来たのは東京都京橋。文具メーカーのパイロット。

迎えてくれたのはマーケティング部の長谷川淳部長。

パイロットの儲かりヒット商品って何でしたっけ?

パイロットコーポレーション
マーケティング部
長谷川淳部長

2006年発売のフリクションシリーズが一番の儲け頭になります。

皆さんも一度は使ったことありますよね?

ペンの後ろの部分でこすると文字が消えるボールペン「フリクションボール」。

発売当時は「かつてない」「常識を変える」と大きな話題となりましたが、あれから16年、その売り上げは?

パイロットコーポレーション
マーケティング部
長谷川淳部長

累計で37億本を売っております。

37億本!?

しかも、なぜかちょっと意外なある人たちにめちゃくちゃ売れているそうで…

パイロットコーポレーション
マーケティング部
長谷川淳部長

ヨーロッパで非常に多く売れている。
学生の需要が一番多い。

長谷川さんによるとヨーロッパの子どもたちは学校でもボールペンを使っている!

となると"消せる"のはとっても嬉しいということでバカ売れ!売上げの7割以上は海外なんだとか。

さらに今年の10月にはこんな新商品も!

番組スタッフ

色が変わりました?

パイロットコーポレーション
マーケティング部
長谷川淳部長

フリクションと同じタイプのインクになるんですけど、こちらは色が変わるタイプのインクです。

書いた文字をこするとなぜか色が変わる「OLMILY Color two color」。

手帳のページにやりたいことリストなどを書いて終わったものから色を変えたい!というかなりマニアックな女性に人気の新作。

パイロットコーポレーション
マーケティング部
長谷川淳部長

手帳が汚れずにキレイな形でTODOリストが書けるという用途で考えました。
非常に好評を得ています。

まさにパイロットにとってなくてはならない大ヒット商品「フリクション」。

しかし、そんな儲かり大黒柱商品誕生の影にはボールペンとは縁もゆかりもなさそうな、縁の下の力持ち、いや、えんの下のロングセラーがいたというのです。

その商品とは…パイロットさんによると同じフロアの一角に、先程とは打って変わってメルヘンな雰囲気ですが一体ここは?

パイロットコーポレーション
玩具事業部 企画グループ
土井菜摘子課長

パイロットではおもちゃの販売も沢山あります。

番組スタッフ

おもちゃ?文具じゃなくて?

パイロットコーポレーション
玩具事業部 企画グループ
土井菜摘子課長

おもちゃです。
おもちゃの主力商品のメルちゃん。
今年30周年を迎えました。

メルちゃん!?30周年!?

実は文具メーカーのパイロットさん、なぜかおもちゃ・人形も作っているんです!?

しかもこのメルちゃん、超ロングセラー!

パイロットコーポレーション
玩具事業部 企画グループ
土井菜摘子課長

年に30万体ほどで累計850万体以上出荷されています。

一見、普通の人形に見えるメルちゃんですが、30年間売れ続けている一番の売りは…

番組スタッフ

おお~!

お湯をかけると髪の色が変わる!

パイロットコーポレーション
玩具事業部 企画グループ
土井菜摘子課長

温かいお風呂のお湯くらいのお湯をかけたので、温度で色がピンクになりました。

番組スタッフ

濡れて変わっているわけじゃない。

この特徴を生かしたメルちゃんはお風呂で遊べるお人形として日本中の子どもたちに大ヒット!

今では冷たい水でメイクもできるみたいですよ!

パイロットコーポレーション
玩具事業部 企画グループ
土井菜摘子課長

冷水をお化粧のようにつけるとアイシャドウが出てきたり!
チークが濃くなったり。

番組スタッフ

本当にメイクしている?

パイロットコーポレーション
玩具事業部 企画グループ
土井菜摘子課長

メイクごっこができる人形になっています。

しかし、この文房具とは何の関係のない人形が、なんであのフリクション誕生を支えたえんの下のロングセラーなのか?

実はそこにはパイロットさんのなが~い歴史がありました。

今から47年前、パイロットの研究チームはスゴいものを生み出します!それは温度で色が変わるインク。

パイロットの研究チーム

温度で色が変わるインクをボールペンに使えれば画期的かも!

ただ、このインクには大きな問題がありました。

パイロットコーポレーション
マーケティング部
長谷川淳部長

北海道とか沖縄の方に行くとずいぶん温度が違いますよね?
そうすると普通に生活をしているときに不規則に色が変わってしまうようなインクでした。

色が変わる温度が不安定。これだと特に温度差の大きい日本ではボールペンには使えない。

ということでこの技術はボツに!

しかし…

パイロットコーポレーション
マーケティング部
長谷川淳部長

この技術で商品ができるだろう。
何かできる商品を先に探そう。

そこで考えたのがこのインクをおもちゃ・人形に使ってみようというアイデア。

おもちゃ作りは会社として初めてでしたが、こうして1992年にメルちゃん誕生!

パイロットの色が変わるインク研究は続いていくことになるのです。

こうして14年後の2006年、消せるボールペン「フリクションボール」が誕生したってワケ!なるほど!

パイロットコーポレーション
マーケティング部
長谷川淳部長

やっと開発をしていて世間に評価されるものができた。
自分たちの研究・開発が無駄になっていないという事は研究者が皆、思っていたんじゃないかと。
メルちゃんを間に挟んでフリクションまで技術がつながっていった。

技術を捨てず、まわり道をしてメルちゃんを作ったことがフリクション開発の原動力になったんですね。

パイロットコーポレーション
マーケティング部
長谷川淳部長

色が変わるインクでがっちり!

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