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[WBS] 人工知能で好みが分かる?一人一人客ごとに異なるDM!

2016年7月6日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

P.S.FA(パーフェクトスーツファクトリー)

[blogcard url="http://perfect-s.jp/"]

スーツ専門チェーンのP.S.FA(パーフェクトスーツファクトリー)

流行に敏感な20代から30代がメーンターゲットで、ワイシャツだけでも300種類以上揃えています。

運営するはるやま商事株式会社は先月、個人の好みに合わせたDM(ダイレクトメール)の実証実験を行いました。

治山正史社長は

個人の好みにあったDMを送っていくことが今後の勝負になる。

会員に送ったDM。

1枚はスーツや靴などトータルなコーディネートをアピールしています。一方、別のDMではワイシャツが中心です。

こうした1枚1枚が異なるDMを作っているのが人工知能です。

経営企画部の横山健一郎部長は

お客様には多様なニーズがあり、どう応えるのが課題。

カラフル・ボード株式会社

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その人工知能を提供したのが東京・渋谷にあるIT企業のカラフル・ボード株式会社です。

2011年の設立で人工知能を使ったビジネスを展開しています。

2年前には人工知能を使ったスマートフォン向けアプリ「SENCY」を開発。お客様の好みの服や靴を学習して提案してくれるというものです。

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渡辺祐樹社長は、はるやま商事株式会社のDMにはこの独自の人工知能技術が使われているといいます。

一人一人のファッションセンス、好み、価格をとらえて、その人だけに提案するということを基本としてやっている。

人工知能は例えば、これまでに買ったシャツの形や色が写った画像情報と価格や素材といった、その服の特徴を表す言語情報を合わせて、そのお客様の好みを学習します。そして、その好みにあった商品を選んでくれるというものです。

実際に服を購入されたお客様のデータにはベーシックな黒色のスーツが多いため、実際のDMでもベーシックな色や形を好むと人工知能が判断したと考えられます。

しかし、こういった分かりやすいものだけではありません。別のお客様はボタンダウンのシャツを多く買っていますが、人工知能はワイドカラーのシャツをDMに選んでいました。

ユーザーの感性を統合的にとらえたとき、人工知能は価格や色も反映させた上で、今売られているものの中で面白いものを選んできたのかと思う。

このお客様がこれまでに購入したボタンダウンのシャツは細身に見えるシリーズ・ただ最近はその中でワイドカラーがトレンドとして増えているため人工知能が選んだのではないかといいます。

もしお客様にささらなかった場合、人工知能はその結果を受けて「なしなんだ」と自動的にお客様の行動を学習していく。

その人工知能を導入したはるやま商事株式会社は今回、人工知能を利用したDMと通常のDMを会員に投函。すると人工知能のDMを送ったお客様のほうが男性で15%、女性で12%多く来店しました。

一方、購買動向で興味深い男女の差も

男性は靴やシャツも選びまとめ買い、客単価で3,000円高い、通常のDMより。

女性はブラウスが欲しいと思ったらこれだけを買って帰る。

客単価では男性は約30%高くなり。女性は約10%低くなりました。今後、女性の客単価を上げる対策が課題といいますが、はるやま商事株式会社では人工知能を使った販促に手応えを感じています。

レスポンスが高く喜んでいる。他者との差別化ができる。

伊勢丹 新宿店

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人工知能を販促に取り入れようとする動きはファッション以外にも広がろうとしています。

カラフル・ボード株式会社の渡辺祐樹社長が向かったのは伊勢丹新宿本店にあるワイン売り場。

出迎えたのはワイン売り場の担当者、五藤久義マネージャーです。

カラフル・ボード株式会社の人工知能をお客様のより良いワイン選びに生かせないかと考えていて、この日試作機のデモが行われるのです。

五藤さんの味覚を分析するために人工知能に分析をさせます。

まずはワインを試飲し、甘く感じた、渋く感じたなど「甘味」「酸味」「苦味」「渋み」「余韻」「好み」の6つのポイントの感想を入力します。評価は5段階評価です。すると人工知能が五藤久義マネージャーの味覚の傾向を表したグラフを表示します。

人工知能の分析は五藤久義マネージャーは渋みや苦味、酸味を強く感じる傾向にあるというものでした。

さらに今食べたい料理を選択すると、人工知能が今の五藤久義マネージャーに合ったワインを選んでくれます。

ハンバーグにとても合うワインだと思う。渋みと酸味という特徴はとてもおさえていると感じる。

伊勢丹新宿本店ではワインに限らず、好みが多様化している消費者のニーズを捉えるために人工知能を活用していく方針です。

情報戦略本部の北川竜也さんは

人間の力では及ばないようなデータの蓄積や解析の力をうまく活用して、今までになかった提案をしてもらえたと実感をしてもらえるようなサービスまで成長させていくのが、次のフェーズだと思う。

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