パナソニック株式会社
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パナソニック株式会社が11月1日に開いた記者会見。
発表したのは座るだけで体幹トレーニングが手軽にできるという「コアトレチェア」です。
座面が左右に揺らながら逆Vの字に変化することで不安定さが増し体感が鍛えられるのです。
体幹の中でも特に骨盤底筋と呼ばれる部分に効果があるといいます。
骨盤底筋は骨盤の底に位置し胴体の筋肉につながる重要な場所。
この衰えはつまづきや転倒につながります。
コアトレチェアは健康を気にする40~50代をメインターゲットにしています。
発売は2017年2月、想定価格は30万円前後です。
「高くないか?」
パナソニック株式会社アプライアンス社の商品企画部、川治久邦さんによると
機能的に妥協したくなかった。座面の可変などをそぎ落とすともっと安くできた。しっかりトレーニングできる商品を作りたかった。
コアトレチェアはパナソニック株式会社のある挑戦を掛けた戦略商品でもあるのです。
コアトレチェア
WBSは2016年7月、コアトレチェアの取材を開始しました。
滋賀県草津市にある家電開発の総本山です。
現場では年末に予定している三重県での生産を睨み、開発が進んでいました。
難しい顔をしている開発リーダーの川治久邦さん。
見ているのはコアトレチェアの試作機です。
動く?
エアバッグが膨らみ、座面が斜めに変形します。
ある課題に直面していた川治久邦さん。
生産開始の目処が立っていませんでした。
足(太もも)が挟みにくくて滑っていく。この面積が足りない気がする。
指摘したのは太ももが当たる部分。なかなかフィットせず上手に骨盤底筋を鍛えることが出来ていませんでした。
そこで、
3cmくらい拡大できる?
2cmないし、3cmはいけると思います。
座面を広げることで、どこまで効果を得られるのか?
これ以上遅れると2月の発売に間に合わなくなります。
ジョーバ
この日、大浜平太郎キャスターが草津市の開発拠点を訪ねました。
川治久邦さんに案内されたのは「ジョーバ」。
コアトレチェアの開発のきっかけは、このジョーバの失敗にあるというのです。
2000年から15年間発売された「ジョーバ」、。ピーク時には年間13万台が売れた大ヒット商品です。
しかしダイエットブームが去ると売り上げは急減。
単なるダイエット機器としか認識されす市場を形成させるまでには至りませんでした。
そこで新たな市場をつくれる家電として生み出されたのが「コアトレチェア」だったのです。
トレーニング家電
トレーニング家電と呼ぶ、そういう商品はあまりない。
「家電メーカーが応えられなかった分野、そこにチャンスがある?」
そうですね。
モニター
10月16日、川治久邦さんにとって重要な日を迎えました。
トレーニング家電として打ち出すには効果を実証しなければなりません。
モニターさん入ります。
コアトレチェアを2ヶ月間使用したモニターを使い骨盤底筋の変化を測ろうというのです。
座面を広げた効果はどこまで出たのか?
川治久邦さん、真剣な表情で見守ります。
体をずっと左にひねりましょう。そのままキープしてください。
するとパソコン画面に反応が…。
骨盤底筋が強く刺激されていることを示す青色のグラフが効果的と呼ばれる20の線を上回っていました。
コアトレチェアを2ヶ月間使用した7人を調査した結果、平均で骨盤底筋の筋力が約40%アップしていたのです。
生産開始
10月27日、再び草津市。
遅れていた生産開始はいつになるのか?
やってきたのは家電事業の坂本敏浩事業部長。生産開始の判断をする責任者です。
川治久邦さんは、
約40%、2ヶ月後に骨盤底筋の筋力が上がっている速報値が出た。間違いなく骨盤底筋に効果的なトレーニングが出来ている。
データをアピールした川治久邦さん。
坂本敏浩事業部長にコアトレチェアの最終形に乗ってもらいます。
これでいきましょう。
生産開始は11月中旬に決定。
来年2月の販売にもギリギリ間に合います。
「新しい市場が切り開けるといい?」
商品企画はしれが一番の醍醐味。それができないと面白くない。それでお客様が喜んでくれればいうことない。
パナソニック株式会社
パナソニック株式会社は10月31日、2016年度の決算見通しを発表。
営業利益を2,450億円に大きく下方修正しました。
急激な円高が進み海外での収益が値減りしたことなどが要因です。
そんな中、家電は部門別では唯一となる上方修正をしました。
パナソニック株式会社にとって家電部門はどんな位置づけなのでしょうか?
「家電事業は今後も柱になり得るのか?」
津賀一宏社長によると
家電事業はパナソニックのブランドを支える中核中の中核。ここでプレゼンス(存在感)を失うと周辺事業にも影響するので踏ん張りどころ。
「新しい価値観の家電を提案できないと国内で作り続けることはできない?」
それにつながっていくと思う。お客様と呼吸を合わせることができれば必ず新しい世界を提案できる。