大阪迎賓館
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9月10日、大阪城の天守閣を望む大阪迎賓館。
こちらを訪れたのは入籍したばかりの梁瀬さん夫婦です。
ここで披露宴を開くのです。
埋もれた資産
大阪迎賓館は現在、予約制のレストランとして使われています。
しかし、それ以前は大阪市経済戦略局観光課の阪本恵子担当係長によると
会議終了後は公園に来られた方の休憩所として使っていました。
大阪迎賓館は1995年の国際会議「APEC」の開催に合わせて各国の首脳をもてなすために建設されました。
その後は一部を休憩所として開放する他は、ほとんど活用されず「埋もれた資産」となっていました。
転機は2014年、大阪市が当時の橋下徹市長のもとで、民間のアイデアやノウハウを生かそうと大阪城公園に指定管理者制度を導入したのです。
そこで大阪迎賓館の運営委託を受けたのが婚礼会社のバリューマネジメント株式会社です。
建物を一部改装し、2016年5月に予約制レストランとしてリニューアルオープンしました。
バリューマネジメント株式会社の他力野淳社長は
大阪の人でも「こんな場所が場所があったのか」という声が一番多い。
披露宴
さらに会場の魅力を高めるためのある仕掛けも。
披露宴の中盤、お色直しのため新郎新婦が会場を離れます。
新郎の控室を覗いてみると、なんと戦国武将の甲冑に身を包んでいました。
新郎の梁瀬啓太さんは
非常にかっこいいと思う。一生の思い出になる。首から下はいいが、上はすごい重い。
豊臣秀吉モデルの甲冑のレンタル料や着付け代を含むプランは70万2,000円からです。
会場に流れる真田丸のテーマ曲。
参加者の反応は、まさに大河ドラマの世界です。
参加者の目は釘付けです。
大阪城にすごく似合う。すごいな。
大阪城という場所の強みを生かしたサービスが新し価値を生み出していました。
他力野淳社長は
来年は土日祝日はほぼ取れなくなるくらいのペースで予約が埋まってきている。
NPO法人 五新線再生推進会議
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古い町並みが残る奈良県五條市。
ここにも「埋もれた資産」があります。
街の中心で突然途切れたアーチ橋。
電車が走らないまま計画が中断された未成線、五新線の名残です。
五新線
五新線は戦前に計画された五條市と和歌山・新宮市を結ぶ線路です。
吉野杉などの木材を鉄道で運ぶ構想でしたが、林業の衰退を受け1982年に計画は中止。
険しい山地を貫くトンネルも現在では無用の長物です。
この遺産を活用しようと2015年、地元企業などがNPO法人 五新線再生推進会議を立ち上げました。
山本陽一副理事長は地元の造り酒屋の9代目。
高橋彩人さんは市が契約している建設コンサルト、パシフィックコンサルタンツ株式会社の社員です。
二人は、まず五条を知ってもらい人を集めるためのある秘策を練っていました。
錦川鉄道株式会社
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9月17日、山口・岩国市にある錦川鉄道株式会社。
ここに高橋彩人さんと山本陽一副理事長の姿がありました。
来年3月に全国の未成線サミットをやろうじゃないかと。錦川鉄道株式会社にも未成線が一部あるので今回取材に来た。
未成線を持つ地域の関係者を五條市に集めてサミットを開く計画。
参加者を募ろうと全国の未成線を回っているのです。
錦川鉄道株式会社ではすでに未成線の活用を始めています。
目玉は跡地の一部区間を走る観光用の電気自動車「とことこトレイン」です。
電車が通ることのなかった橋やトンネルを時速約10キロで走ります。
トンネルの内部には光る石を使った装飾が施されていました。
記念撮影をする親子連れの姿もあります。
「とことこトレイン」に乗った山本陽一副理事長、五新線の活用に向けて大きな刺激を受けたようです。
お互いに切磋琢磨して頑張らなければいけない。「五新鉄道(五新線)も頑張らなければ」と今日来て本当に思った。
各地の未成線を視察したことで高橋彩人さんもヒントを得たようです。
いかに他の地域と差別化して、そこにしかないものを作っていくのか。
ラミ・ダンファンス・アラ・メゾン
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五條市に戻った高橋彩人さん、レストラン「ラミ・ダンファンス・アラ・メゾン」を訪ねました。
片山英樹オーナーシェフが運んできたのは、
こちらがイノシシのモモを使った自家製のスモークハム。
イノシシの肉を使った料理、いわゆるジビエです。
すごく柔らかい。言われないとイノシシとは、臭みも全くなくて。
五條市では農作物を荒らすシカやイノシシなど年間1,000頭以上を駆除しています。
その肉を有効活用するのです。
ジビエもまた「埋もれた資産」だったのです。
食害として柿を食べてしまう。シカとかイノシシが柿の実を食べていると肉質がおいしい。
「五条ジビエ」で売り出せる。
埋もれた資産を地域の宝に、知恵とアイデアが試されています。