[ガイアの夜明け] 誰が支える?食卓の「真実」(3)

誰が支える?食卓の「真実」

池田大志さん

佐賀県佐賀市。

農業を営む池田大志さん(41歳)。

東京ドーム約2個分の大豆畑を管理しています。

悩みのタネは害虫、大豆は虫に弱く畑が全滅してしまうことも・・・。

池田さん、その対策に追われていました。

株式会社オプティム

佐賀県で農業を営む池田さんの元をある人物が訪ねてきました。

これがアグリドローンです。解析用のカメラがついている。これで4Kの撮影ができるようになっている。

ドローンを持ち込んだのはIT企業の社長、菅谷俊二さん(41歳)。

遠隔操作で無人飛行が可能。いま活躍の場を広げているドローン。

菅谷さん、そのドローンで日本の農業を変えようとしていました。

今まで歩いて中に入っていたと思うけど、それを代わりにやってくれる。

アグリドローン

大豆畑の上を飛行。

一体何をしているのでしょうか?

実は4Kカメラで上空から畑を撮影していたのです。この画像からある画期的なことが可能になるといいます。

大豆は害虫に弱い作物。

これヨトウムシの幼虫。

しかし広い畑の全てを確認することなど到底できません。

そのため大豆栽培では畑全体に農薬を散布して害虫を駆除する方法が主流となっています。

菅谷さんは上空から撮影した画像を解析し、畑のどこに害虫がいるか簡単に見つけることができると言うのです。

常識破りの提案が・・・。

ドローンと人工知能を使ってピンポイント農薬散布ができる。

ピンポイント?

そこにだけ農薬を使う。それで栽培したい。

大丈夫かな・・・。

常識破りの提案

佐賀県で農業を営む池田さん。

IT企業の社長、菅谷さんの提案を受けるべきか悩んでいました。

それはドローンで上空から畑を撮影、その画像から害虫のいる場所を特定しピンポイントで農薬を撒くというものです。

しかし大豆は虫に弱い作物。

池田さんは、

実際、虫が感知できるということ。通常1回2回、農薬を全面散布というのは予防もあるし、虫が出てから動いたってなぁというのもある。

菅谷さんの常識破りの提案、池田さんは受け入れるのでしょうか?

畑の画像

翌日、菅谷さんはドローンが撮影した畑の画像を見せに来ました。

このポイントはAI(人工知能)が判断をして、ここに害虫がいて虫食いがされているので「農薬をまいた方がいい」とAIが判断した場所。

これはすごい。

大豆畑の画像は2,000枚以上。その中から虫に食われて色が変わった葉っぱや形が変わった葉っぱを人工知能が選び出します。

その結果、畑のどこに害虫がいるのか、つまりどこに農薬を撒けばいいのか分かるというのです。

この方法を用いれば農薬の使用量も大幅に減らせるといいます。

納得した池田さん、やってみることにしました。

菅谷俊二さん

東京・港区。菅谷さんの会社、オプティム。

従業員約150人、医療からセキュリティまで幅広くソフトウェアの開発を手がけるIT企業です。

菅谷さんは大学在学中の2000年にオプティムを起業。

独自の発想で数々の発明を世に送り出し、これまで100以上の特許を取ってきました。

いま目を付けているのが農業分野。20015年に進出しました。

農業というものが一番人にとっても重要な産業の一つだと思う。ところがあまり儲かっていない、結構仕事もきつい。技術を使って農家を助けるような仕事ができるのではないか。

石橋果樹園

実用化に向けすでに動き始めている製品もあります。

ここにカメラが付いていて映像を遠隔に送れる。

メガネ型の端末「スマートグラス」。離れた相手を同じ映像を見ながら会話ができます。

これは?

大丈夫。右はダメ、青いから。左は大丈夫。

ベテラン農家が離れた場所から指導ができるため若手の育成にも役立つといいます。

さらに菅谷さんはこんな製品も。

トマトの熟度とか個数を解析するカメラ。

こちらはアグリクローラー。360度カメラで畑を撮影、野菜の発育状況を見定めて収穫のタイミングを知らせてくれます。

完成すれば無人で畑を見回ることも可能になります。

農家の人手不足解消の切り札と期待されています。

農薬散布

9月下旬、池田さんの大豆畑。

農薬散布の日を迎えました。

ドローンが捉えた画像を元に大豆畑を約280ヶ所に区分け。そのうち39ヶ所に農薬を撒くことになりました。

農薬の使用量は以前の10分の1。それほど少ない量で本当に害虫を駆除することはできるのでしょうか?

飛ばします。

ドローンが農薬を撒く場所まで飛行。噴射口から農薬が撒かれました。

次々と予定の場所に散布していきます。

すると池田さんから菅谷さんにある指摘が。

もう少し噴霧量とかがあれば、もっと短時間でできるとか、範囲とか、量とか。それができたらもっと意味が出てくるかな。

噴射口が横向きで噴射力も弱い、そのため風に煽られてしまい思ったように農薬が撒けなかったのです。

早急に改良が必要です。

オプティム九工大前オフィス

その日の夕方、福岡県飯塚市。

やってきたのはオプティムの開発拠点。

この日はドローンのエキスパートが集結していました。

菅谷さん、早速問題点を相談します。

何かアイデアあります?

考え込む技術者たち。

あとどのくらいですか?大豆の栽培時期。

最低でも1ヶ月以内にはやらないといけないと思う。

収穫時期は待ってはくれません。

果たして改良は間に合うのでしょうか?

新型アグリドローン

ドローンを使った常識破りの農薬散布に挑む菅谷さん。

大豆農家の池田さんから農薬を噴射する力が弱いとの指摘が・・・。

果たして改良はうまくいくのでしょうか?

1回目の農薬散布から2週間後の10月上旬。

改良版の新型アグリドローンです。かなり変わりました。飛行時間からモーターから全部変わっています。さらに勢いがついています。

全然違いますね、前のものと。

農薬を必要な場所に確実に散布できるよう噴射口を追加。水平から垂直へ角度も変更しました。

よりピンポイントで農薬を撒けるようにした工夫は果たして?

ドローンは大豆畑の上空へ。

いよいよ農薬散布のポイントに。

噴射口を見ると農薬が勢い良く吹き出しています。風に煽られることもありません。

無事狙ったポイントに散布されていました。

いかがですか?

改善していますね。間違いなくピンポイントの方がありがたい。農業のやりがいが出てくる。

ドローンの最終目標は自動操縦。実現すれば少ない人数で広大な畑を管理できるように。

可能性は広がります。

農薬のピンポイント散布は成功しました。

10分の1の量で大豆は無事に育ったのでしょうか?

収穫

ドローンによるピンポイント農薬散布に挑んだ菅谷さんと池田さん。

10分の1の農薬で大豆は無事育ったのでしょうか?

10月下旬、収穫は驚きの結果に。

農薬の使用量は10分の1。

全然問題ないですね。

大豆は丸々とした実をつけていました。

品質も収穫量も以前とまったく変わりません。

さらに嬉しい知らせが・・・。

残留農薬の検査で不検出に相当する数字が出たのです。

この結果に専門家の佐賀大学農学部、渡邉啓一教授は、

農薬の経済的な部分も、農家も健康とか環境という部分を考えてもこれから楽しみな結果。

福岡三越

数日後、福岡の百貨店。

菅谷さんと池田さんの姿がありました。

ドローンで作った大豆を販売することになったのです。名付けて「スマートえだまめ」。

ドローンで作ったこともアピールします。

値段は1袋648円です。

果たして売れるのでしょうか?

農薬の使用量も10分の1で残農薬も出ないという。

おいしい。主人のおつまみに。価値があると思う。

うれしい、やりました!ちょっと安心した。

反応は上々、用意した100袋は完売しました。

まだまだいく、もちろん。人に一番役に立てる分野であると思うので、こういったものに今の最新のテクノロジーが応用されることこそが大きく世界を変えうるチャンスになる。

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