東京オリンピックに向けて新たな技術を開発しているのは大企業だけではありません。
ベンチャー企業の技術が私たちの観戦方法や選手の練習の仕方を変えるかもしれません。
株式会社NTTドコモ・ベンチャーズ
[blogcard url="https://www.nttdocomo-v.com/"]
NTTドコモ・ベンチャーズは2月20日、新たに4つのベンチャー企業との協業を発表しました。
中でも注目はスポーツ分野での協業です。
中山俊樹副社長は、
スポーツの見方を劇的に変えようとしているベンチャー。彼らと一緒に組むことで新しいスポーツの視聴スタイルを日本のユーザーに提供できるのではないかというのが狙い。
PlayGineering Systems Ltd.(プレイ・ジニアリング)
[blogcard url="http://playgineering.com/"]
協業するラトビアのベンチャー企業「プレイ・ジニアリング」。
試合中の選手の動きを追跡できる技術を持っています。
スタジアムに専用のカメラを配置、画像認識技術で選手の背番号や特徴を認識し、早いスピードで動いても選手同士の動きが入り乱れても選手がどこにいるか認識することができます。
NTTドコモのスポーツ&ライブビジネス推進担当、松永裕司部長は、
AIを使ったディープラーニング(深層学習)を使うことであらかじめ覚え込ませた選手を認識することができる。
さらに、そのまま選手の動きをデータ化。
例えば9番の選手を選択した場合、何分コートにいるか、何回パスをしたか、何分ボールを持っていたかが分かります。
すでに国際アイスホッケー連盟でも採用されています。
ドコモではこの技術を観戦向けに応用したいと考えています。
スマホで「この選手が見たい」が具現化できる。
「ドコモだけではできない?」
これから開発を始めるのと、いま目の前にあるのとでは目の前にある優秀な技術を持った会社と一緒した方が早い。
狙うは2020年の東京オリンピック。
そこでサービスとして提供するために素早い実用化を目論んでいます。
ドコモはスポーツ分野ではすでにスポーツ専用動画配信サービス「DAZN(ダゾーン)」とも協業。
さらにスマホでライブ映像の配信を手がける「キャンディー」とも協業し、スポーツ選手のライブ映像の配信を予定しています。
中山副社長は、
一つのベンチャーを軸に多くの企業が横でつながることもある。
株式会社コンセプト
[blogcard url="http://qoncept.co.jp/"]
スポーツ観戦以外の分野でも広がりが…。
幕張メッセで2月21日から始まる展示会「第一回スポーツビジネス産業展」。
選手のトレーニングを支える技術やサービスが多く展示されています。
大阪大学初のベンチャー企業、コンセプトが開発した技術、林健一社長は、
卓球のボールの軌道を自動で計算するシステム。
卓球の球の軌道をリアルタイムで表示することができます。
2台のカメラで卓球台を撮影。ボールの位置を縦・横・高さの3つの軸で把握し、軌道を表示できる仕組み。
視点を変えて見ることもできます。
さらに位置情報から玉の速度も自動で計算します。
どこでも手に入る技術で、低いコストで実現するのが目的。
実は2年ほど前から卓球の試合の放送中などにリプレイ画面に導入されていましたが、今はコストを抑えることで選手のトレーニングへの導入に力を入れています。
安い民生カメラなら機材費用は15万円以下、ソフトなどの利用料は年間50万円程度です。
卓球の場合だと卓球のトレーニング場や部活でも導入できるコストで実現できたら。
その技術は卓球以外でも。
すでに導入してもらっているというバレーボールの男子チーム「サントリーサンバーズ」の練習映像。
トスやアタックをした時の打点の高さやボールの速度などが分かり、データを蓄積することで分析に役立てるといいます。
現在、陸上やサッカーなど10種類以上のスポーツで導入されています。
スポーツデータを誰でも使えるようにすることで、スポーツレベルを2020年以降も底上げしていける手助けができたらいい。