[WBS] ドコモのファンド巻き返しへ!次の成長株を見出だせるか?

ワールドビジネスサテライト(WBS)

大手通信キャリア向けのスマートフォンの出荷台数の推移を見ると、ここ4年は連続して前年割れの状態が続いています。

スマートフォン市場が成熟してこれまでのような成長が見込めない中で大手キャリアは今、次の成長の種を探してベンチャー企業の囲い込みに力を入れています。

中でもソフトバンクグループ株式会社の動きが目立っていますが、株式会社NTTドコモも巻き返しへと動いていました。

ソフトバンクグループ株式会社

先週、日本を訪れたサウジアラビアのサルマン国王。そこの国王と電撃的に対談し世間を驚かせたのがソフトバンクグループ株式会社の孫正義社長でした。

サウジアラビア政府と組んで立ち上げる予定の10兆円規模のファンドを通じ世界中でIT分野へ投資していくことを確認したのです。

これまでもベンチャーに積極的に投資をしてきたソフトバンクグループ株式会社。

IT分野への投資額は約8,000億円に達し、約12兆円のリターン額を得たといいます。

2017年2月、孫正義社長は、

投資の実績は18年間、毎年44%価値を増やしてきた。世界中でこんな会社はない。

株式会社NTTドコモ

そんなソフトバンクグループ株式会社の投資戦略に出遅れた形の株式会社NTTドコモ。

NTTグループのベンチャー投資機能を集約した株式会社NTTドコモ・ベンチャーズを2013年に設立し、巻き返しを図っています。

運用資金は総額350億円。

そこで投資を担当しているのがシニアディレクターの安元淳さんです。

「ソフトバンクと投資額に開きが出ている?」

われわれは出資が主目的ではない。協業をいかんい追求できるか、というのがわれわれの役割。

安元淳さんはこの日、あるベンチャーから出資の相談を受けていました。位置情報を活用して顧客管理ができるシステムを開発したレッドフォックス株式会社です。

レッドフォックス株式会社の別所宏恭社長は、

大手企業を中心に営業している関係上、ドコモというブランドが入ることはわれわれのビジネスには非常に有利。

しかし株式会社NTTドコモ・ベンチャーズでは確実なリターンが見込めない限り出資を決めるのは難しいといいます。

100件くらい検討して実際に融資に至るのは1~2件。

投資のハードルが高い中で安元淳さんが力を入れるのがNTTドコモ本体とベンチャーの協業を促進することです。

この日は株式会社NTTドコモの消費者向けサービスを担当するコンシューマビジネス推進部の尾上健二担当部長の元を訪れました。

手にしているのはベンチャー企業のリストです。

動画のベンチャーは非常に多い。1枚目の「3ミニッツ」という会社。

動画でファッション情報を扱うベンチャー「株式会社3ミニッツ」を紹介し、協業の可能性を探ります。

安元淳さんは何故、ベンチャーとの協業にこだわるのでしょうか?

ベンチャーとの協業

安元淳さんは、

ベンチャーの持つ技術力、サービスのアイデアだったり、先進的なビジネスモデルを活用して共に成長していく機会が求められている。

「協業ができないとどうなる?」

大企業もそれが今後できないと生き残れない。

B DASH CAMP 2017 SPRING IN FUKUOKA

3月16日、福岡市。ベンチャー企業と大手企業のマッチングイベントが開かれました。

新規ビジネスの話が飛び交うため原則非公開ですが、今回特別にカメラが入ることが許されました。

トークセッションには株式会社NTTドコモの中山俊樹副社長も登場。集まったベンチャー企業に熱く呼び掛けました。

迫力のあるベンチャーとかスタートアップがいれば、ぜひぜひ知恵を貸してください。一緒にやりましょう。

その裏で安元淳さんは新たなベンチャー企業の発掘に動いていました。

ゲストコネクターデスクではベンチャーとの出会いをサポートしてくれます。

最近だと医療・ヘルスケア、そういったところを探している。ここでまだめぼしいところがあれば、ぜひ紹介してほしい。

相談してから3分後、スタッフに案内されて紹介されたのは、医療系のベンチャー企業を興した株式会社クリンタルの杉田玲夢社長です。

今どういうことをしているのか、まず知りたい。

患者さんがそもそも受診すべきかどうか、受診すべきなら何の診療科なのか、どこの病院のどの先生なのか、割り振りをオンライン・スマホでやっていきたい。

面識のない人のところへもどんどん飛び込んでいって、いち早く接点を作ることが投資を成功させるためには重要だといいます。

こうした地道な活動が実を結び株式会社NTTドコモ・ベンチャーズ設立後のベンチャーへの出資件数は2倍に伸びています。

「いまは巻き返している状況?」

何を判断基準にするのか、というところはあるが、われわれ自身にベンチャー投資・協業というノウハウは他の通信事業会社に比べて残っていると思うし、今後そういうものを生かしながら1件1件、時間がかかるからベンチャーとの協業は着実にわれわれの提供できるものと掛け合わせながら一緒に成長していく。

株式会社ABEJA

その安元淳さんが投資を決めたベンチャーのひとつが2012年に設立したばかりの株式会社ABEJA。従業員45人の会社です。

この会社が開発したのはAI(人工知能)を活用した画像解析システムです。

株式会社ABEJAの鵜木彩さんは、

あちらのカメラで実際に来ているお客様の年齢性別を推定する。

株式会社ABEJAの開発した画像解析システムは店内などの防犯カメラに映った人物の性別と年齢をAIが推定して判別します。

人が画面に映ると瞬時に判別できるのが特徴で、20代、30代という性別の分類では制度は9割を超えるといいます。

その情報を自動で集約し、どの時間に、何歳のお客様が多いかをデータ化します。

2017年3月、土曜日のある店舗のデータによると30代女性は午後1時に最も多くに来店しています。

一方、30代男性は午後5時に最も多く来店していました。

このデータを元に店側は時間、年代別のマーケティング戦略が可能になります。

株式会社NTTドコモとしては、この株式会社ABEJAのシステムをdポイントの加盟店に提供することで他のポイントサービスと差別化することを検討しています。

ベンチャーは今後、より大きな成長を遂げる可能性もあるし、大きくなってからアプローチしても遅いということが往々にしてある。競争力を確保するためにNTTドコモの経営幹部に対して「アライアンスをベンチャーと組んでいきたい」という強い意志・覚悟が必要になる。

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