[WBS][治る最前線]肥満が招く肝臓がん!

ワールドビジネスサテライト(WBS)

シリーズでお伝えしている「治る最前線」。

今回は「肝臓がん」についてです。

アルコールなどが原因と思われがちですが食生活によっては、アルコールを飲まない人でも肝臓がんになることが分かってきました。

誰もがなる可能性のある肝臓がん。その最新治療を取材しました。

肝臓がん

中高年の多くが悩む肥満。

最近はこの肥満が恐ろしい病につながることが分かってきました。

コレステロールが多い食生活を続けると脂肪が肝臓にたまる脂肪肝と呼ばれる状態になります。

正常な肝臓と比べると脂肪がついて白くなっているのが分かります。この脂肪肝を放置すると長い年月をかけて肝臓がんになります。

国立国際医療研究センター理事長の國土典宏医師は、

いわゆるメタボリック症候群。肝臓がんは肥満とか糖尿病に関係ある。お酒を飲まない、少し太っている、検診か何かで見つかるがんは典型的な肝臓がん。

肝臓がんの主な原因は肝炎ウイルスの感染や過度な飲酒などと考えられていました。

しかし、最近では脂肪肝から肝臓がんになる患者が増えています。

肝臓がんによる死者は年間約3万人に上ります。

自覚症状のないまま進行する恐ろしい病「肝臓がん」。

その治療の最前線を追いました。

国立国際医療研究センター病院

都内にある国立国際医療研究センター。

この病院に入院する30代の仲井健太さん(仮名)。

ひと月ほど前、検査で肝臓がんが見つかりました。

仲井さんの肝臓がんの大きさは約1.5センチ。原因は肝炎ウイルスでした。

どうしてもすぐに考えるのは「いつ死んでしまうのか」。

今の生活はどうなるのか、仕事は続けられるのか。

仲井さんは最新の手術をうけることになりました。

お願いします。

手術が始まりました。

医師が準備したのが「ICG」と呼ばれる特殊な薬剤。肝臓のタンパク質と反応し、光る性質があります。

このICGをガンの近くの太い血管に注射します。

肝臓の中には太い血管があり、血液はそこにつながった毛細血管の範囲しか流れません。

肝臓がんは血管の中を通って転移するため血液が流れる範囲に広がっている可能性があります。

ICGを注射すると血液が流れている範囲を光らせて見つけることができます。

光った所を切除することでがんがある部分だけを正確に取ることができます。肝臓は切除しすぎると命の危険があるためできる限り残すことが重要です。

カメラお願いします。

近赤外線という特殊な光を肝臓に当てると、先程のICGが取り込まれた場所だけが光っています。

光を目印にがんを慎重に切り取っていきます。

がんのある部分が取り除かれました。

ありがとうございました。

手術は6時間ほどで終了しました。

ICGを使った手術は現在、臨床研究として行っています。

国立国際医療研究センター理事長の國土典宏医師は、

ICGを使うことで正確で安全で出血が少ない手術ができる。肝臓は残せるに越したことはないというのが今のコンセンサス。

国立がん研究センター中央病院

手術が行えない患者に対する新たな治療も登場しています。

70代の佐田一郎さん(仮名)。2ヶ月ほど前に肝臓がんが見つかりました。

佐田さんの肝臓の画像を見ると、がんの直径は約2センチ。

酒を飲むから肝臓がんを気にしていた。

佐田さんは高齢のため、手術を行うことが難しいといいます。

そこで最新の治療を受けることとなりました。

治療に使うのはまだ日本に1台しかない最新の治療装置。

体内を撮影できるMRIと放射線治療を組み合わせた最新の機械です。

治療は台の上に寝るだけ。

治療を始めていきます。

佐田さんの治療が始まりました。

肝臓は呼吸により動きます。これまでの放射線治療では肝臓が動いてもがんに放射線が当たるように照射範囲を広くしていました。

そのため周囲の臓器に副作用が出ないように弱い放射線しか当てることができませんでした。

最新の治療はMRIでがんの位置をリアルタイムで撮影しながら放射線をピンポイントで照射することができます。

周りの臓器への副作用が少ないため、強い放射線を当てることができ、治療効果が高い。

照射中の様子はモニターに表示されます。

モニターに映された緑色の線で囲われた部分ががんで、赤い線が放射線を照射する範囲です。

照射範囲にガンが入ったときだけ放射線が自動で照射される仕組みです。

治療開始から約30分後、

終わりました。

これを2~3日毎に合計10回行います。

通院治療が可能です。

治療を続けた患者の検査画像。治療後はがんがなくなっています。

この治療は保険が適応されず治療費は全額自己負担で210万円。

国立がん研究センター中央病院の放射線治療科の伊丹純科長は、

今までの限界を超えて放射線をかけることができるので、治らなかったがんが治癒するかもしれない。

自覚症状なく進行する肝臓がん。

しかし、医療技術の進歩により救われる患者も増えていくはずです。

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