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[WBS] 「路線バス」が便利に!「どこを走っているのか」丸わかり!

2017年2月21日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

内閣府の調査によるとバスや鉄道などの公共交通機関を月に数回使う人は大都市では約6割なのに対して町や村では約1割という結果になりました。

過疎化が進んだりマイカーの利用率が高い地方では苦戦している路線バスが少なくありません。

そんな中、地元の足をもっと便利にして利用してもらおうと様々な取り組みが走り始めています。

見えバス

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人口6万5,000人の茨城県守谷市。

多くの路線バスが走るこの地方都市にあらたなシステムが導入されました。

スマートフォンにバスの運行状況を表示する無料アプリ「見えバス」です。バスにGPSを搭載した専用端末を設置することでバスの位置がサーバーに送信されます。

もし5分以上遅れている場合は各停留所に何分遅れで到着しているのかを表示します。

利用車はわざわざバス停に行かなくてもスマートフォンで運行状況が分かるのです。

守谷市は2月から全国の自治体で初めてこのシステムを導入。

バスの利用車は、

知らなかった。バスが行ってしまったのか、これから来るのか分かれば便利でいい。

つくばエクスプレスの開通により人口が増え東京のベッドタウンになってきた守谷市。バスの利便性を高めることで市への移住促進などにつなげたい方針です。

松丸修久市長は、

通勤通学のバスの需要が高まっている。バスの利便性が向上することで守谷市に住んでみよう、遊びに行こうとなるので守谷市全体の活性化に役立つ。

株式会社マネジメントシステム

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システムを開発したベンチャー企業は東京オリンピック・パラリンピックまでに全国への普及を目指します。

株式会社マネジメントシステムの鴫原育子社長は、

どの地域に行っても見られるのが目標。バスをどうにかしたいと思っているところに導入してもらえれば。

人間とサーモンが相乗り!?

宮崎交通株式会社

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宮崎県の西部に位置する西米良村。人口は県内で最も少ない僅か1,200人ほどの山間の村です。

ここを走るのが宮崎交通株式会社が運営する路線バスです。

県内を網羅する宮崎交通株式会社の乗客数は過疎化などで10年で2割も減少。長年、赤字経営で苦しみ国や県などの補助金によって路線を維持してきました。

村内のとあるバスの停留所。そこにやって来たのはヤマト運輸株式会社の配送車です。横付けして次々に荷物をバスに運び入れます。

実はこれ、路線バスでお客様と荷物を同時に運ぶ客貨混載と呼ばれる取り組みです。

営業所の近くから営業所の近くまで片道数十キロに及ぶ輸送ルートの中継ぎとして大部分を路線バスが代わりに運ぶ仕組みです。

宮崎交通株式会社の川端史敏取締役は、

中山間地の乗客が減少しているので貨物を新たに入れることで収支改善または路線の維持につながる。いま3路線やっているので、ほかに活用できることろ(路線)があればヤマト運輸などと話をしながら拡大していきたい。

バス事業者にとっては数人しか乗らない車内空間を有効に活用できる一方、宅配業者にとってはドライバーの負担を軽減できるメリットがあります。

ヤマト運輸株式会社の宮崎主管支店、大澤政広主管支店長は、

山道なのでかなり細い道を上がっていく。その往復の行き来がなくなることは体力的にもドライバーにとって負担を緩和できるし、その労力をお客様に充てられるとサービス向上につながっていくので効果は高い。

路線バスを利用したヤマト運輸株式会社の客貨混載の取り組みは2015年から始まりました。今回のポイントはクール宅急便を取り扱えるようになったことです。路線バスを改造してクール便の専用ボックスを国内で初めて設置しました。

きっかけは村で養殖されている「西米良サーモン」。さっぱりとした味合いで人気を呼び、取り扱い量がここ数年で急増したのです。

さらにその他の地域ではふるさと納税の返礼品などで生モノの扱いが増えているのです。

宮崎県では前年の120%くらいにクール品は伸びている。

厳しい経営が続く地方の路線バス。あの手この手で生き残りの道を進んでいます。

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