2016年5月12日、日産自動車株式会社からの出資の受け入れを発表した三菱自動車工業株式会社。
5月13日、三菱グループの首脳が集まる親睦会、金曜三菱会も開かれました。
それぞれ関係者は日産自動車株式会社の傘下に入ることをどう受け止めたのか?
三菱自動車工業株式会社
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5月13日の午前7時、三菱自動車工業株式会社の相川哲郎社長は質問に答えることなく車に乗り込みました。
それに対し益子修会長は
5月18日があるから
と答えました。
三菱自動車工業株式会社は5月18日を期限に国土交通省に不正燃費問題の再報告を求められています。
問題の全容はまだ解明されていません。
石井啓一国土交通大臣
そんな中、石井啓一国土交通大臣は
三菱自動車工業株式会社の本社に対して立ち入り検査を実施する。
三菱自動車工業株式会社の本社社員が燃費データの改ざんをするように指示した疑いが出てきました。
今後、相川哲郎社長や益子修会長の聞き取りも行われる予定です。
三菱金曜会
三菱グループはこの状況をどう見ているのか?
昼前、三菱商事株式会社の本社に黒塗りの車が続々と入って行きました。
三菱グループ29社の会長、社長が一同に集まる三菱金曜会が開催されたのです。
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三菱金曜会は三菱グループの親睦会ですが、各社の経営方針に影響力を持つといわれています。
相川哲郎社長が乗っていると思われる車は本社ビルに入った15分後に三菱商事株式会社の本社ビルから出て行きました。
グループへの説明は行ったのでしょうか?
三菱グループの首脳の一人が胸の内を明かしました。
我々としてほっとした。これで三菱自動車工業株式会社を生き延びさせられる。
経済産業省
そんな中、日産自動車株式会社と三菱自動車工業株式会社の首脳が林幹雄経済産業大臣を訪問しました。
資本提携について報告しました。
日産自動車株式会社の西川広人副会長は
三菱自動車工業株式会社と力を合わせて、この提携がウィンウィンで将来大きなシナジーを生むよう全力を尽くしていく。
三菱自動車工業株式会社の益子修会長は
日産自動車株式会社の力を借りて全容解明を急ぎ、信頼回復を早くしたい。
提携した両社に林幹雄経済産業大臣が念を押したのは
不安視されている雇用の問題、特に岡山について地域経済の不安を払拭してもらいたい。
水島製作所
岡山県倉敷市。
三菱自動車工業株式会社が軽自動車の工場「水島製作所」を置く企業城下町です。
不正のあった軽自動車4車種は全てこの工場で生産されていました。
現在は生産を停止中です。
地元の部品メーカにも影響は出ています。
一部停止を含む操業停止した企業は15社、派遣中止を含む従業員が自宅待機している企業が9社。
5月11日、岡山県の伊原木隆太知事が経済産業省や国土交通省を訪れ、地元企業への支援を求めました。
ひどい目に遭うのは今回の不正に関わっていない数千、数万の人。
部品メーカーの声を届けようと知事に同行したのが丸五ゴム工業株式会社の藤木達夫社長です。
丸五ゴム工業株式会社
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生産再開のメドが立たない中、地元に不安が広がっているといいます。
高校を卒業する人たちの就職活動が秋くらいから始まる。特に工業高校系の就職も影響が出るのでは。
丸五ゴム工業株式会社の主力製品は車の足回りなどに使用する防振ゴムです。
三菱自動車工業株式会社向けの割合は約3割。
生産が止まった軽自動車向けの製品はストップ。
従業員は他の仕事に回ってもらい残業時間を半減させるなどして対応しています。
三菱自動車工業株式会社が日産自動車株式会社の傘下に入ることについて
そういう方向に乗って1日も早く生産が再開されることを期待する。不安がないわけではないが、我々にとってそれは宿命だと思う。今の置かれている状況の中でどうやって頑張っていくか。