コンビニエンスストアの店内でも売り場が広いのが雑誌コーナーです。
いろいろな雑誌が売られていますが、1月から全国でいわゆる成人向け雑誌の販売を取り止めたコンビニコンビニチェーンがあります。
その背景と、その後を影響を取材しました。
ミニストップ株式会社
[blogcard url="https://www.ministop.co.jp/"]
全国で約2,200店舗を展開するコンビニチェーン「ミニストップ」。
ミニストップ千葉星久喜店の植草博幸オーナー、
以前は成人向け雑誌がこの辺にあったが今は一般の漫画に替わっている。
今月から全国のすべての店舗で成人向け雑誌の販売を取り止めました。
対象となる雑誌は都道府県の条例で有害図書に指定され、18歳未満への販売や閲覧が禁止されたもの。
自治体によって定義は異なるが、例えばミニストップの本社ある千葉県では卑猥な被写体などの写真が20ページ以上あるなどとなっています。
お客様の反応
お客様あの反応は?
子供連れの女性、
子供連れならない方がいい。置いていない店を選ぶ。
男子中学生は、
気になるという好奇心があるので、気になるのがなくなって楽になった。
一方、こんな意見も、
昔は買ったことがある。若い頃に。さみしい思いは正直ある。
手軽に買うことができる。それでいいと思う。
店のオーナーは成人向け雑誌を扱うことについて以前から疑問を感じていたといいます。
小学校が近くにある。小学生が見るには不適切。小学生が見ていることがあったのでちょっとなと。
パートの女性、これまで成人向け雑誌を陳列していました。
立ち読みしている人がいる横で陳列を直すのは抵抗がある。
「やりたいか、やりたくないかで言えば?」
やりたくない。
この店では空いたスペースに新たに文芸誌を置いたほか、旅行雑誌を増やしました。
売り上げの変化
取り止めから1ヶ月近く、売り上げはどうなったのか?
目に見えて売上が下がった感じは受けていない。打撃がなかった分、ホッと一息している。
店によっては雑誌コーナーに近いイートインスペースやATMなどを利用しやすくなったという声も。
ミニストップに寄せられたたくさんの意見。
8割が賛成だといいますが、中にはこんな意見も、
いつも雑誌を買った後に、ジュースやら何やら買っていたのに。
ネットで購入する場合、手に取って見られない。
取り扱わない理由
それでも取り扱わないと決めた背景は?
中山博之執行役員は、
コンビニエンスストアの競争が激化する中、お客様が店内を利用する時に非常にストレスを感じたり、気持ち悪いということがあるならなくしていくという流れの中でスタートした。
実は海外では、コンビニのような一般的な小売店で成人向け雑誌が売られるのは珍しいといいます。
外国人に聞いてみると、
「スウェーデンのコンビニでは売っているか?」
ポルノ?ノー!ノー!ノー!怒りを覚える。
今回の決断の裏には訪日客が増える東京オリンピックを前に対応が必要との声もありました。
一般社団法人日本雑誌協会
[blogcard url="https://www.j-magazine.or.jp/"]
こうした成人向け雑誌の取扱中止に危機感を募らせるのが雑誌業界。
コンビニでの雑誌・書籍の販売は書店に続き全体の1割以上を占めます。
書店が減る中でコンビニは重要な販売経路だといいます。
日本雑誌協会の編集論理委員会、高沼英樹委員長は、
コンビニエンスストアで売られないのは死活問題になる。広がるかどうか分からないが注意して見ていきたい。
各コンビニの取り扱い
他のコンビニ各社では成人向け雑誌の取扱について「オーナーの裁量に任せてある」としています。
最大手のセブン-イレブンでは全国2万店のうち、約3,000店が取扱を中止。
ローソンは約2,500店、ファミリーマートでは約1,200店が自主的に中止しています。
ただ成人向け雑誌に一定の需要があるのも確か。
そこでこんな取り組みも。
ファミリーマートの一部の店舗では成人向け雑誌にカバーを付けて表紙のみせる面積を小さくする取り組みを行っています。
大阪府堺市の11店舗では表紙の一部にカバーをかける取り組みを2016年から始めています。
お年寄りから子供まで幅広い客層が利用するコンビニエンスストア。
今後の各社の対応に注目が集まっています。