[WBS] 仮想通貨ブーム暗雲でも・・・ICO活況!メリットとリスクは?

ワールドビジネスサテライト(WBS)

仮想通貨取引所のコインチェックが不正アクセスを受けた問題は、投資家の保護や情報開示といった課題が改めて浮き彫りにしました。

そうした中でも仮想通貨を使った資金調達、いわゆるICO(イニシャル・コイン・オファリング)の計画を発表する企業は増え続けています。

ICOの仕組み

ICOの場合、新しい事業を始める企業が投資家から主にイーサリアムなどの仮想通貨で資金を調達します。

その代わりに投資家に独自の新しい通貨を発行します。

この通貨は株式と似たところもあります。会社が事業を成功させれば新しい通貨を購入したい人も増えるということで、価格が上がり投資家が利益を得る可能性があります。

逆に事業に失敗した場合は全く価値がなくなるリスクもあります。

仮想通貨ブームの先行きに暗雲を漂う中で増え続けるICOですが、企業側の狙いは一体どこにあるんでしょうか?

株式会社マイクロブラッドサイエンス

1月30日午後1時過ぎ、マイクロブラッドサイエンスの岩澤肇社長、

集積された血液検査データを次世代のヘルスケアシステムに発展させる。

医療ベンチャーのマイクロブラッドサイエンスが開発した微量血液検査システム「Lifee」。

利用者自ら血液を採種、そのデータを元に生活習慣を改善することで病気になる前に対処が可能になるというものです。

今回、蓄積された検査結果のデータをさまざまなヘルスケア企業が活用できるように新しいシステムを開発することにしました。

そこで、

1人でも多くの積極的な健康人を作り出すために、私たちはICOを実施する

マイクロブラッドサイエンスは今回、独自の仮想通貨を投資家に発行。

ICOでまずは100億円規模の資金調達を目指しています。

銀行からの融資や株式の発行など資金調達の方法が多岐に渡る中で、なぜ仮想通貨を使っての資金調達、ICOを選んだのでしょうか。

銀行は1,000万円は貸してくれるかもしれないが、100億円は貸してくれない。新しい技術もアイデアも今が旬で、そのための調達手段としてICOを選択した。

僕らの夢を実現するためにも100億円集める。自信を持って。

早稲田大学大学院経営管理研究科

専門家はICOに向いているのは数十年かかるような長期のプロジェクトだといいます。

早稲田大学ビジネススクールの岩村充教授は、

社会的に意味のあるものはお金に換算できるものばかりではないし、短期的に決済できるものばかりでもない。

ICOをというものを一概に否定するべきではない。

しかし、相次いで発表される疑問も、

スーパーマーケットをつくる、モールをつくる、アパレル会社をつくる、そういうことについて株式会社を使うよりICOの方が有利である、便利である、あるいは資本コストが安いというのは、やや信じられない。

ICOが今すぐに世界を変えるとは思わない方がいい。

ICOのメリット、デメリット

事業を加速化させたい企業にとっては素早く資金調達ができるICOですが、株式市場に上場して資金を集めるIPO(新規株式公開)との違いからメリット、デメリットを確認してみます。

ICO IPO
資金調達の早さ 数ヶ月 数年
投資家保護
  • 審査がない
  • 詐欺などのリスク

  • 長期にわたって審査
  • ルールが厳格

企業が資金を手に入れるまでの期間はIPOの場合は数年単位かかることがほとんどです。

一方のICOは数ヶ月と非常に短い期間で資金を調達することができます。これは大きなメリットになります。

投資家の保護が行き届いているかどうかの点では、IPOの場合では時間がかかるということもあって審査が長期に渡っていて法整備などのルールというのも非常い厳しくないっています。

一方のICOの場合、審査の仕組みや法律上のルールというのはほとんど現状は存在していません。そのため事業の実態は殆ど無いなどの詐欺のリスクもあり、これはデメリットです。

こうした中、現在は国によってICOへの対応が大きく分かれています。

各国のICOへの対応
支援 スイス・エストニア
中立 アメリカ・日本
禁止 中国・韓国

中国や韓国は詐欺などの問題が多く起きていて全面禁止という状況になっています。

逆にスイスではICOを支援する動きが広まっています。エストニアに至っては国自体がICOの計画を発表しています。

アメリカや日本はちょうど真ん中に位置して、例えばアメリカの場合は条件次第で有価証券扱いを認める一方で、詐欺の監視もしています。

日本の場合は法的な規定は現状ありません。金融庁は価格の下落や詐欺への注意を投資家に呼びかけている状況です。ただ事業で得られた収益を配分する場合に限ってはICOに金融商品取引法などの法律を適用する可能性もあります。