子育てをしながら働く世帯にとって欠かせないのが保育所です。
都道府県の認可を受けた保育所の運営費、どうなっているかというと利用者が支払う保育料、それから国や県、市区町村の負担で賄われています。
この使用者が支払う保育料ですが市や区がいくらにするかというのを定めています。
実は今、東京都ではこの保育料の値上げが相次いでいます。
例えば2017年4月には練馬区、小金井市、東村山市、府中市が値上げをしました、さらに9月にも世田谷区と大田区、そして2018年4月からは港区、杉並区、板橋区、町田市、4つの自治体も値上げをすることになっています。
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都内で相次ぐ保育料の値上げですが、その背景には何があるのでしょうか?
町田わかくさ保育園
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東京・町田市にある市内で最大規模の認可保育所。
町田市が設定している今の保育料、例えば年収約600万円の世帯が2歳以下の子供を預けると1人目は月に2万9,700円。これが2018年4月には3万800円に値上げされることになっています。
親は、
値上げの理由が明確になっていれば増えてもしょうがない。増えて、子どもたちがいい生活を送れるならいい。
町田市役所
[blogcard url="https://www.city.machida.tokyo.jp/"]
値上げの理由を市役所の子供生活部 保育・幼稚園課の押切健二課長に聞いてみると、
保育を必要としている子供がかなり増えてきた。保育にかかる経費が非常に金額的に大きくなってきた。
マンションの開発などで共働きをする若い世帯が急増しているのです。
実際、市民センターでは、
入所者の決定日は保育園は2月9日。
2018年4月から保育所に入所を希望する親が続々と申し込みに来ていました。
店員をオーバーする見通しのため市が入所者を選定する予定です。
職場に戻りたいのもあるし、家計のこともある。選定から漏れたら漏れたで色々な子供を預けるところを探していくか、育休を延ばすか。
つながり送迎保育園
受け皿を増やすために町田市では10月、定員に空きがある遠くの保育所まで子供を車で送迎するサービスを始めました。
つながり送迎保育園は車の待合施設。
発着時刻に親がいなくてもこの視閲で保育士が世話をしてくれるため都合が良い時間に迎えに来ればいいのです。
保育士問題
受け皿を拡大する一方で課題となっているのが保育士の確保です。
0歳時の場合、3人の子供に対して保育士を1人つけるなどの決まりがあります。
保育士を増やさなければ定員を増やすことができません。
町田わかくさ保育園の熊谷文代園長は、
ハローワークに募集しても半年間は何の連絡もない。元保育士のお母さんに「子育てが落ち着いたら働いて」と声をかけたり、実習に来た学生に「家が近いから働いてみない?」と頻繁にこまめにやって、やっと保育士を確保している。
保育士不足の原因のひとつが待遇です。
保育士の平均年収は現在約330万円と低い水準なのです。
「給料はいくらか?」
保育士の横木美里さん(21歳)は、
手取りで約14万円。将来、実家を出て「一人暮らししたい」と思ったときには今の給料だと難しい。
保育士を確保するためには人件費を増やす必要があり、保育料を値上げすることになったのです。
押切健二課長は、
保育士の給料改善には保育所に払う運営費を引き上げないといけない。保育園を利用する子供が増えるほど市から保育園に支払うお金が増えていく。
港区
町田市と同じく待機児童が増えている東京・港区。
2018年4月までに区の保育定員を約1,000人増やすとしています。
施設代だけで約32億円の予算がかかり人件費もかかることから港区も2018年から保育料を最大で8,500円値上げします。
親は、
港区は子供も増えてきていて保育所もつくらないといけないし。
保育士の待遇とか厳しいと聞いている。仕方がないかなと。
政府が目指す「無償化」!親は…「無償化より待機ゼロを」!
保育料の値上げは今、東京都で相次いでいます。今年は練馬区や世田谷区など、そして来年からは町田市や港区を含む4つの自治体が値上げを予定しています。
どの自治体も待機児童対策のため保育料を引き上げざるを得なかったといいます。
こうした中、安倍晋三総理は、
幼児教育の無償化を一気に進めます。
政府は今、教育の無償化を検討しています。
幼児教育・保育に関しては3歳から5歳は原則無償化。認可外の保育所も対象に入れる方向です。
しかし、そもそも保育所に入れなければ保育の無償化の対象にもなりません。
親は、
この子もすでに待機児童で…。受け皿をもう少し充実させた方が無償化よりも経済も潤うと思う。
少子化に対しての無償化という手法なら、そこだけじゃないのではと思う。