[WBS] 再生可能エネルギーのカギ「レドックスフロー電池」とは?

ワールドビジネスサテライト(WBS)

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太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーの普及の切り札として注目を集めているのがレドックスフロー電池と呼ばれる次世代の大型蓄電池です。

この電池にはレアメタルであるバナジウムが必要でコストが掛かるというのが課題になっています。

こうした中、安いコストでこのバナジウムを生み出すあるベンチャー企業の技術に注目が集まっています。

LEシステム株式会社

産業革新機構の濵渡哲也専務は、

革新的に再生可能エネルギー普及の大きなカギになるんじゃないか。LEシステムに出資させていただこうと。

産業革新機構はQBキャピタルなどと福岡県発のベンチャーLEシステムに総額5億8,000万円を出資すると発表しました。

2011年に創業したLEシステムは大型の蓄電池、レドックスフロー電池向けのバナジウム電解液を製造する企業です。

レドックスフロー電池

レドックスフロー電池はレアメタルのバナジウムを溶かした電解液を循環させて充電・放電をする仕組み。

電気をプラス極とマイナス極、それぞれの電解液に貯めておくことができます。

「電解液が増えれば増えるほど貯められる電気の量が増える?」

LEシステムの佐藤純一社長は、

電解液の量で保存(蓄電)量が決まり、充放電するセルのサイズで出力が決まる。

他の蓄電池と比べ発火の危険性がなく数十年に渡って使える寿命の長さが特徴です。

太陽光や風力など大容量の電気を保存する次世代の蓄電池として実用化が進んでいます。

ただレアメタルのバナジウムを使うため原料コストが高いのがネックでした。

そこでLEシステムはあるものからバナジウムを抽出する独自技術を確立しました。

廃棄物から回収することで安価で安定的なバナジウム電解液をつくる。

LEシステム つくば事業所

バナジウム電解液をどうやって安く作るのか?

つくば市にあるLEシステムの研究施設を訪ねました。

古川英樹所長は、

原料は火力発電所から出るススに含まれているバナジウム。

バナジウムは石油や石炭などの天然資源にわずかに含まれているもの。そのため石油を燃料とする火力発電所から出たススにも含まれます。

このススを特殊な溶液と混ぜて不純物を取り除きます。

さらに別の溶液に入れ乾燥させるとバナジウムが取り出せます。純度は99%以上だといいます。

100トンのススに対して約2トンのバナジウムが作れるといいます。

本来ではあれば廃棄物として処分されるススから作れるためバナジウム電解液の製造コストは従来の半分ほどになります。

再来年度くらいを目標に年間1万立方メートルの電解液の生産をできるようにしたい。

LEシステムは今回得た資金で量産化の確立に向けて設備投資を進めます。

「当面の売り上げの目標は?」

2年後に50億円の売り上げ計画を予定している。世界のレドックスフロー電池メーカーが安い電解液を求めている。生産さえすれば売り先には困らないと思っている。