[ガイアの夜明け] 追跡!マネーの「魔力」!(2)

追跡!マネーの「魔力」!

株式会社ワンズライフ

都内某所にある一軒家。

揃いのユニフォームを着た男たちが家の中に入っていきます。

10年以上放置された空き家。

かつて高齢の女性が一人で暮らしていました。

彼らは遺品整理を行う専門の業者。

まだ使えるものはリサイクルに、写真や思い出の品など細かく仕分けていきます。

長い間、ネズミの棲み家になっていたようです。

すると、

大量に・・・。30万~40万円。

さらに別の部屋からは100万円の札束が5つ。帯は切られていません。

次から次へと出てきます。

総額は3,000万円以上に。いわゆるタンス預金です。

隣の部屋からは今の相場で1,700万円相当の純金も出てきました。

こうしたケースは珍しくなく、この会社が請け負った仕事では2億円の現金が見つかったことも。

ワンズライフの上野貴子社長は、

手元に現金を置いておくと安心する高齢者は多い。遺品整理を依頼する人たちはタンスに少しでも現金を蓄えておくことで安心する。

こうしたお金は相続者がいない場合、最終的に国のものに。

金額は年間400億に上り、この10年で2倍に拡大しています。

不動産投資セミナー

一方でお金を動かして儲けようとする人たちも。

都内で開かれていたあるセミナー。会場は700人以上が訪れる盛況ぶり。

参加者が熱心に耳を傾けるその内容は、

東京の単身者向けで好立地のマンションは、しっかり建てて売却することで何十億円という利益が出る。

土地の価格は上がり、空前の低金利。銀行から金を借りて不動産投資に乗り出す人が今増えているのです。

参加者は、

会社もリタイアしたので今後のことを考えて情報収集。土地は逃げない。

「予算のイメージは?」

都内だと1億前後。初めての投資なので慎重に。

セミナー会場の出口では参加者を取り込もうと高級物件を扱う不動産業者が・・・。

あのバブルの時代が蘇ったみたいです。

不動産業者は、

競争が激しい状況になっている。物件の取り合いで不動産の価格も上がっている。

低金利が続いている以上、不動産の投資は集中する。バブルの頃では物件を持てない人でも今なら低金利をうまく使えば持てる。そういう意味では投資はしばらく衰えない。

金融機関の貸出金を見ると不動産に集中。2016年、不動産向け融資は12兆円を上回り過去最高になりました。

不動産バスツアー

都心の一等地を回る1台の観光バス。

本日は10物件、完成物件も含めて見ていきます。

これは不動産投資のバスツアー。

3億、5億は当たり前。驚きの投資の実態とは?

彼らが案内されたのは東京・世田谷にある4階建ての新築マンション。

こちらが今年の6月に竣工した。

駅から徒歩8分、1Kを中心に全部で19戸で価格は約5億円という物件です。

参加者の多くは会社員や公務員。マンションのオーナーとなって不動産収入を得ることが目的です。

バスツアーで見て回るのは半日で10件。

契約は早い者勝ちです。

そのままお金を持っているより、不動産を持って副収入を得たい。

土地があれば土地の分だけ必ず価値は残るので、完全にバブルですよね。

株式会社フェイスネットワーク

バスツアーを主催したのは東京・渋谷にある不動産業者のフェイスネットワーク。

マンションの一棟売りが専門で年々売上を伸ばしています。

蜂谷二郎社長はこの盛況ぶりをどう見ているのでしょうか?

超富裕層だけだった不動産マーケットに金融機関が「サラリーマン大家」を目指す高所得者向けにアパート・マンションローンを商品化した。今まで不動産投資を手掛けられなかった人たちにニーズが高まった。

この日も大型の投資物件を契約するお客様が。

現れたのは金融機関の投資担当者です。

慎重に数字を書き込んでいきます。

こちら5億3,993万2,898円ですね。振込させて頂きます。

約5億4,000万円。決まりました。

ホッとしました。

一棟買いしたマンション。全18戸、年間3,600万円の家賃収入が見込めるといいます。

不動産トラブル

都心で膨らむ不動産バブル。

一方、地方ではトラブルも起きていました。

オーナーを虜にする甘い言葉。

30年間安定的に経営できる。こんなラッキーなことはない。

アパート経営で30年間の安心収入。

そのはずが・・・。

突然、話がきて「減額しろ」と。

信用して建てたのに裏切られた。

株式会社レオパレス21

三重県津市。人口約28万人。

駅から車で10分ほどのエリア。

約70年、この地で暮らす酒井さん(仮名・70代)。

最近、異様なほど風景が変わったといいます。

田んぼの中にタケノコのごとく建っている。田畑だったところが「レオパレス銀座」と言われている。

至る所に現れた縞模様の建物。その数、1キロ四方のエリアに約40棟。

東証一部に上場する不動産大手レオパレス21のアパートです。

実は酒井さんもこの内の1棟を所有しています。11年前、約2億円を借り母親名義の畑に建てました。

決め手はレオパレスの営業マンが持ってきた資料です。

「30年間、夢を持って生活してください」というもの。

そこには「一括借上システムで最長30年間の安心収入」とあります。

レオパレスはオーナーの資金でアパートを建設。全ての部屋を一括で借り上げて入居者を募り、又貸しします。

これはサブリースと呼ばれるシステム。家賃の改修や物件の管理も請け負い、家賃から手数料を天引きしてオーナーに支払います。

この時、空室があってもオーナーには家賃保証として決められた金額を支払う契約です。

提案されたのは「アパートを建てたら相続税対策になる」。毎月小遣いをいただきながら30年間安定的に経営できるなら、こんなにラッキーなことはない。

借金をしてアパートを建てれば、土地の評価額が借金をした分差し引かれるため相続税が安くなります。

地主にとって悪くない提案ですが、結果は回りがレオパレスだらけになる事態に・・・。

レオパレスは2016年に入居率が下がったとして家賃収入の30%減額を提案してきたのです。

レオパレスはアパートを乱立させて入居率のことを言うのはお門違い。絶対に異常。これを条件にアパートの家賃収入を下げられたら困る。

相続税対策、家賃収入の保証、その言葉が思わぬトラブルを引き起こしていました。

サブリース事業

レオパレスのサブリース事業はバブルが始まった1986年にスタート。

家具、家電が備え付けられた1人暮らし向けの部屋が特徴です。

オーナーに対しては一括借上、家賃保証を謳い文句に管理する物件を増やしてきました。

ところが近年、レオパレスに対して減額の取り消しなどを求める訴訟が相次いでいます。

原告は延べ277人のオーナー。総額12億1,600万円を請求しています。

一流企業として許せない行為が多々見受けられる。我慢ができない。

LPオーナー会

名古屋市、訴訟の母体となるのが2014年1月に発足したLPオーナー会。

会長の前田和彦さん(62歳)もレオパレスのオーナーです。

会員の契約書をチェックした。たくさんの人が家賃収入を減額されている。

トラブルで多い家賃収入の減額。約1,000人のオーナーから聞き取り調査をしました。

レオパレスとオーナーの間で交わされ02003年当時の契約書。

家賃収入は当初10年間は変わらないとしていますが、約300人のオーナーが10年未満の間で減額されたといいます。

さらに10年を過ぎたあとはオーナーとレオパレスとの協議の上で家賃収入を決める契約ですが・・・。

あるオーナーは3年前に一方的に減額を迫られたといいます。

その時のやりとりを録音していました。

だいぶ相談しました。相談して、相談して、相談して、相談して、相談したんですけど月2,300円の減額は会社は譲れない。世帯あたり月2,300円だから1棟で月4万8,300円を減額させてもらう。これが限限界です。ごめんなさい。先々のことも考えないといけない。

突然、話が向こうからきて「減額しろ」と。「今日契約しないと倍額の減額になるぞ」とか、厳しいことを言われた。

判を押すのを待ってすぐ帰ったけど5時間近い。怖かった。何でもいいから早く帰ってほしい。

LPオーナー会の会員の2割が「一方的な交渉で減額」と主張しています。

金子裕司さん

岐阜県可児市では減額どころか契約を解除され家賃保証がなくなった人がいます。

金子裕司さん(44歳)。

アパート経営は赤字の状態が続いている。レオパレスを信用して建てたのに裏切られた。

金子さんの父は1997年に約2億3,000万円を借りて2棟のアパートを建設しました。

当時の契約書では一括借上の期間は10年間と記載されています。

金子さんの父親はそのことを認識していましたが当時の営業マンはある資料を見せて説明をしたといいます。

それが収支計算書。

アパートを作ったあと、30年間安定して収入が得られるという説明でした。

解約の話はない。「安心してください」としか話してくれない。

「30年はお付き合いする」。それが前提の契約だった。

結局、契約から14年後に解約をされ月165万円の家賃保証がなくなりました。

解約直後は入居が1部屋だけ、家賃収入はたったの2万円に・・・。

レオパレスとの解約から4ヶ月後、金子さんの父親は心筋梗塞で亡くなりました。

父は心身ともに疲れて無気力状態に。心筋梗塞で逝ってしまった。自分の身を削ってしまった。

深山英世社長

私たちはレオパレスに取材を申し込みました。

応じたのは深山英世社長。

果たして何を語るのか?

リーマンショックがあった。大きく部屋を使う需要が企業を中心に喪失されていく中、入居率がかなり低下した地域もあった。それに基づいてオーナーと協議して同意のもとに改定手続きをした。

「『強く迫る』『脅迫めいた署名を求める』対応はなかったと?」

私はないと思っている。

深山社長は交渉は契約の範囲内であり、全て合意の上だったと主張します。

レオパレスは入居者を主に製造業の派遣社員に頼っていましたがリーマンショックでアパート需要が激減。倒産の危機に・・・。

そこでオーナーに合意の元、解約と減額に踏み切ったといいます。

終了プロジェクト

しかし私達が入手したレオパレスの内部資料には驚きの事実が・・・。

2011年8月10日のメール。解約や減額が相次いだ頃のメールです。

そこには「終了プロジェクト」と名付けられたレオパレスの戦略が記されていました。

契約から10年を超えたアパートは基本的に解約を前提とした交渉を行う。

10年未満は家賃収入を大幅に減額することを目指す。

解約を辞さない強気の姿勢で臨むように指示されていました。

このメールが全国の社員に一斉送信されていたのです。

「レオパレスの社員のメールだと認識している。ここには「終了プロジェクト」と書いてある。「解約を前提として交渉を行う」ことが社内のメールで回っていると読める。」

会社としてはそれは前提としていない。

「これはどう読めばいいのか?」

私のコメントは差し控えさせていただきたい。

深山社長はメールの存在は認めたものの、一方的な交渉はなかったと主張しました。

鈴木敬伸さん

レオパレスの業績が回復した今、現場はどう変化しているのか?

一人の営業マンを取材することができました。

鈴木敬伸さん(39歳)、

オーナーから指摘や要望は出てきている。そうした意見をもらうことで会社としていい方向に舵を切れる。いいきっかけになった。

「強引な値下げ交渉はしていない?」

今はしていない。

「今はしていない?」

今は聞いていない。

大金が動く不動産投資。

専門家はこう警告します。

サブリース問題解決センターの大谷昭二センター長は、

不動産仲介業者はプロなので情報量、交渉が上手。契約者と平等な土俵に立っていない。正確な判断ができない。危険性がある、将来が不確定。思い切って億単位の投資をしていいのか。