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[ガイアの夜明け] リメークで生まれ変わる!日本の「伝統」(2)

2016年8月10日

リメークで生まれ変わる!日本の「伝統」

株式会社京都紋付

京都、この街で100年の伝統を紡いできた会社があります。

株式会社京都紋付。

社内を覗くと自慢の黒染め紋付が飾られていました。

白い家紋、生地が黒ければ黒いほど映えます。

大正4年創業の株式会社京都紋付。

4代目社長の荒川徹さん(58歳)。

世界一と自負する黒染めの技術を見せてくれました。

黒染めの技術

この機械で紋付を染めているところ。

黒染めに使われるのは独自に配合した染料。

深みのある黒に染まり、色落ちしにくいといいます。

この液体に白い反物を漬け込みます。

約1時間後、反物のすみずみまで黒い染料が染み渡りました。

こうして紋付袴に使われる黒い反物を染め続けてきました。

乾かすと出来上がった黒い反物。十分に黒く染まっています。

しかし、ここからが株式会社京都紋付の真骨頂。

職人が何やら液体を混ぜ合わせています。

それを機械に入れ、反物に染み込ませていきます。

出来上がった反物を加工前のものと比べてみると、より黒が増しているのが分かります。

これは株式会社京都紋付が編み出した特殊な加工によるものです。

通常、布は光を反射するため本来の色より白く見えます。

しかし、この特殊な加工を施すことで布の表面に光を吸収する膜ができます。これによって光の反射が抑えられ、黒を際立たせる効果が出るのです。

株式会社京都紋付にしか出せない、この黒さを求め全国から上質の反物が集まってくるといいます。

新たな挑戦

しかし工場を見ると、全く使われていない機械が数多く見られます。

着物の衰退の影響でピーク時の1996年に12億円あった売上が10年前の2006年には半分の6億円まで減少しました。

そこで荒川徹社長はある決断をしたのです。

いずれ紋付自体のマーケットが縮小して紋付では商売ができなくなる。我々にしかできない技術を提案する。

BLACKYOTO(ブラックキョート)

伝統技術の新たな挑戦はすでに海を越えていました。

イギリス・ロンドン。

そこにある人気のセレクトショップ。

中を覗いてみると・・・

お客様が興奮気味に見ているのは黒いズボンです。

圧倒的に黒が深いよ。

そして黒いジャケット。

このジャケットの黒さは見たことないよ、ピュアブラックさ。

ジャケットの胸元には「BLACKYOTO」の文字。

株式会社京都紋付の黒染め技術をアピールします。

これまでになかった深い黒は人気を呼び、いまやヨーロッパを中心に9ヶ国、14店舗で取り扱われています。

セカンドストリート

6月中旬、海外で人気を得た株式会社京都紋付に新たなビジネスが舞い込んできました。

荒川徹社長が訪ねたのは「セカンドストリート」。

セカンドストリートは全国に500店舗を展開する古着のチェーンです。

名古屋市に本社を置く、レンタル事業で知られる株式会社ゲオホールディングスが運営をしています。

荒川徹社長、ある相談を受けていました。

リユース運営部の滝城陽介さんが持っている白いブラウス。

襟元に汚れがあって、2シーズン売れ残っている。

ブランド物のシャツですが、襟元にシミがあるため売れ残ってしまうというのです。

こうした商品を黒く染め変え販売したいという相談でした。

全国に500店舗あるので、ビジネスとしては大きいチャンス。

株式会社京都紋付

数日後の株式会社京都紋付。

荒川徹社長の元に黒染めを試すための古着が届きました。

開いてみると、

バーバリー、ここにシミがありますね。

ジーンズも白地に汚れが目立ちます。

その他にも汗ジミが付いた帽子やスニーカー、それに布製のバッグなどもあります。

今回、古着の染めを担当するのは息子で洋装事業部課長の荒川優真さん(26歳)。

古着は生地や形だけでなく、傷み具合もさまざまです。

急激な温度変化で生地を痛めないよう、徐々に水を流すなど一瞬たりても気が抜けない作業です。

ひたすら着物の黒染めをやってきた歴史がある。洋服を染めるにも黒をきわめたい。

約1時間後、染めの作業が完了しました。

最後に黒色を際立たせる、あの独自の加工を行います。

ここでも慎重に手作業で漬け込んでいきます。

果たして出来上がりは?

まず、荒川徹社長が注目したのはジーンズ。

汚れも全部消えているので成功です。

白地に汚れが目立っていましたが、キレイに染まっています。

シミ汚れがあった、キレイに消えている。

背中に残っていた汗染みが黒く染まり見えなくなりました。

しかし、よく見ると縫製部分の糸が染まっていません。

株式会社京都紋付が使用する染料では化学繊維を染めることはできないといいます。

他にもTシャツや帽子など化学繊維の縫い糸が染まらずに残っているものがありました。

この問題、どう切り抜けるのか?

株式会社ゲオホールディングス

黒染め技術で古着を染める依頼を受けた株式会社京都紋付。

7月7日、依頼主である株式会社ゲオホールディングスの担当者が出来上がった古着をチェックする日です。

荒川徹社長、一抹の不安を抱えていました。

担当者の滝城陽介さんがまず手にとったのは、白く汚れが目立っていたジーンズ。

どこに汚れがあったのか全く分からない。

続いてTシャツ。化学繊維の縫い糸が染まらずに残っています。

ここが不安だったところです。

もともと、こういう商品だったように見える。

心配していた染め残しをデザインとして気に入ってくれたようです。

続いての品はスニーカー。

布地はキレイに染まっていますが、つま先部分のゴムにも染料がついて汚れたようになっていました。

スニーカーの黒染めは改善を図るようになりました。

想像以上にきれいな黒色が入っている。本当に汚れが目立たなくなったので、再商品化ができる。

新たな取り組み

それから数日後、荒川徹社長は新たな取り組みを始めていました。

新たなビジネスのヒントを掴み、その実現に向けて動き出していました。

用意していたのは新品の白いワンピース。

これを黒く染め始めました。

染め上がりを見ると化学繊維が染まらず、まだら模様になりました。

黒に染まらない特性をあえてデザインとして生かしました。

このワンピース、着古したあとに黒染めすることを前提にした商品です。

これを写真に撮ります。ここにもある仕掛けがありました。

2日後、向かったのは名古屋市に本社を置く株式会社ゲオホールディングス。

荒川徹社長、新たな提案に訪れたのです。

取り出しのは白い新品のワンピースを染め直したもの。もう一着、染める前のものも用意していました。

アパレルメーカーがものを作る時から、糸使い、プリント使い、縫製、裏生地、全部意図を持って素材を決める。

そして売るための仕掛けも用意しました。

白い服に付けるQRコードを読み込むと、染め替え後の画像があらかじめ確認できます。

商品開発課の一ノ瀬澄人さんは

次の世界観をイメージしながら品物を購入できるのは非常に面白い。

共同開発に向けて話し合いが始まりました。

スーパーセカンドストリート大宮日進店

7月23日、さいたま市。

株式会社ゲオホールディングスが展開する古着のチェーン「スーパーセカンドストリート大宮日進店」。

荒川徹社長らが黒染めした古着が運ばれてきました。

株式会社京都紋付の黒染めをアピールするポップも用意しました。

着られなくなった大切な服。黒に染めてもう一度着ませんか?

こうして店内にひときわ黒い売り場が誕生しました。

黒という新たな色で生まれ変わったデニムジャケット(3,300円)。

通常700円ほどで売られる中古のTシャツは2,300円で売り出します。

他にもストールや帽子、バッグまであります。

すると、早速お客様が・・・

全部染め直し?

新品みたいな感じ、こんなにキレイになるんだって、びっくりした。

ポロシャツを2点購入する男性は

この色は見たことがないので選んだ。

古着の染め替え販売は順調な滑り出しを見せました。

荒川徹社長、伝統の黒染めでまた一つ新たな可能性を切り開いたのです。

世界でもわれわれしかないので、この黒をきわめる技術は絶対に負けない。いろいろなかたちでリメーク、染め替えを広めていきたい。

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カテゴリー:ビジネス関連
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