酎ハイやハイボール、いわゆる「RTD」と呼ばれる商品。
このRTDは「Ready To Drink」で、蓋を開ければそのまま飲めるという意味です。
中でもアルコール度数が7%~8%と高い、いわゆるストロング系と呼ばれる商品は年々人気が高まっています。
この安くてしっかり酔えるストロング系が今、ビール系飲料にも広がりを見せています。
株式会社馬力
[blogcard url="https://www.lotte.co.jp/"]
東京・新橋にある居酒屋「大衆酒場 馬力 新橋店」。
11月17日の金曜日から新橋店と神田西口駅前店限定で始めた新しいビールが「バリキン」です。
バリキン
通常の生ビールに味の邪魔をしない焼酎を約60ml追加。5%程度のアルコール度数を7%~8%程度まで高めたビールです。
馬力の渡邉誠さんは、
ここ最近、アルコール度数が弱いとか、もっと強くしてくれという要望が強かった。ウイスキーやハイボールは調整できるがビールは度数を上げることができない。じゃあ、混ぜちゃえばいいのではと。
価格は529円の生ビールに108円の焼酎代をプラスするかたちで提供します。
気になる味は?
後味がしっかりしている。強いというか。アルコール分の効果だと思うが味がしっかりしている。
キレ味だけじゃない、ぐっとくるものがある。
お客様の反応は上々のようです。
提供を始めた金曜日には早速30杯が売れたといいます。
うちはもともと回転率で商売しているので飲んで帰ってもらって、また別のお客様に来てもらう。
35席しかないこのお店、早く酔える高アルコールのビールはお客様の回転率を上げるのにも一役買っています。
そして先程のお客様が、
「サッと飲んでサッと帰る?」
そうなっちゃう気付いたら。もう次の店が待ってます。「馬力」ありがとう。
キリンビール株式会社
[blogcard url="http://www.kirin.co.jp/"]
消費者の間で高まるストロング系飲料。
商機を見出したのが飲料大手です。
キリンビールが11月20日に発表したのが「のどごしストロング」。
アルコール度数は7%。従来の第三のビール「のどごし生」に比べ2度高くなっています。
試飲した北村まあさキャスターは、
飲みごたえがある、コクがあるけど、かなりキリッとしている。よりビールらしい印象を受けます。
キリンがこだわったのは高いアルコール度数による飲みごたえと、よりキレのある後味。
ビールに引けを取らない商品を目指したといいます。
STRONG SEVEN(ストロングセブン)
実はキリンは2008年に高アルコールの第三のビール「STRONG SEVEN(ストロングセブン)」を発売していました。
しかし度数を高めたことでアルコールの香りが強く出てしまい売り上げは伸び悩んだといいます。
キリンビールのマーケティング部、山形光晴部長は、
香りが奥行きのある商品だったが、ビールらしい味わいとは少し違うかなと思う人もいたのかもしれない。
そこで今回、発酵度を上げる新たな技術を採用、アルコール感を出し過ぎず、よりビールに近い香りと味わいを出したといいます。
ビールらしさを失ってしまっては全くお客様のニーズに応えていない。ビールの美味しさの中の1つの選択肢として、この味覚を味わってくれる人が増えればいい。
サントリーホールディングス株式会社
[blogcard url="http://www.suntory.co.jp/"]
ストロング系のビール系飲料で先行するのがサントリーです。
2017年7月にアルコール度数7%の第三のビール「頂」を発売。
2018年2月にはアルコール度数を1%高めて8%に早くもリニューアルします。
1%の違いで味はどう変わるのか?
まずは7%の「頂」を北村キャスターが試飲。
7%の時点で苦味というか重みがあるような感じがします。第三のビールですけどコクというか旨味が強い。
そして8%。
違います。アルコール度数が1%上がったからなのかコクが増しているような感じがします。1%アルコール度数が上がっているので2口飲んだ時点で先程よりもグッとアルコールを感じます。
発酵の度合いを高めてアルコール度数をアップ。
さらに麦芽の量を増やして味のバランスを整え、アルコールのクセを抑えました。
しかし原材料は増えたものの価格は据え置きです。
「麦芽の量が増えて価格は高くならないのか?」
サントリービールの三谷京平さんは、
材料費の麦芽の値段は高くなっているがお客様に喜んでもらうため、そのままにしている。
高アルコールを味の濃さや飲み応えを増やすひとつの武器としてやっていく。
ストロング系を足掛かりに新しい市場が生まれつつあるようです。