ビジネス関連 ワールドビジネスサテライト

[WBS] コーヒーブームの陰で新たな問題勃発!?

2017年11月3日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

ブルーボトルコーヒーをきっかけとして手で入れるいわゆるハンドドリップコーヒーがブームとなっています。

ところがこのハンドドリップの技術は職人技ともいわれていて1人前になるにはかなり時間がかかるといわれています。

そんな中、誰でも美味しくハンドドリップのコーヒーを入れることができるというあるサービスが始まりました。

珈琲貴族

東京・池袋にある西武池袋本店。ここに人気の喫茶店があります。

創業44年の珈琲貴族です。

約40席ある店内はいつも満席。

人気のヒミツは機械ではなく手で入れる、いわゆるハンドドリップのコーヒーです。

中でも人気なのが最もシンプルなブレンドコーヒー「貴族ブレンド」。972円と値段は高めですが、

おいしい。酸っぱすぎず、苦すぎず、ちょうど良い感じ。

ハンドドリップはやはり違う。やわらかい。

そんな珈琲貴族の味を守るハンドドリップ歴10年の店長、遠山豊成さん(56歳)。味の秘訣は、

ちゃんと「蒸らし」をすると味の抽出が始まるので、そこを気をつけて豆の持ち味を出す。

蒸らし

コーヒーの味を決める最大のポイントが蒸らしと呼ばれる工程。

まず全体に少量の湯を浸透させます。すると粉が膨らみました。

コーヒーの粉に含まれる炭酸ガスが放出されることで起きる現象です。

炭酸ガスが抜けたコーヒーの粉の中には湯が浸透しやすくなります。するとコーヒーが持つ香りや酸味などの成分が溶けだし味わい深いコーヒーになるのです。

遠山さんは1杯1杯、粉の動きを見ながら湯の量や注ぐスピードを変えることで味を調整するのだといいます。

そんな極上の味を求め連日多くのお客様で賑わう珈琲貴族。

しかし、遠山さん。ある事で悩んでいるといいます。

人が育っていくのに時間がかかる。

人材育成

この日、遠山さんはスタッフにハンドドリップの入れ方を教えていました。

大学生アルバイトの松原雅樹さん(19歳)です。

湯の量が全然分からない。

もうちょい、ここまで。

遠山さん、すでに3ヶ月ほど教えているそうですが…。

松原さんが入れたコーヒーを試しに常連客に飲んでもらうと、

ちょっと味が薄いというか、あまり酸味の苦味もない。

蒸らしがなかなかできず、うまく味が抽出できていませんでした。

「横で見てろ」みたいな、やはり感覚的になっている。教えるときに。

キーコーヒー株式会社

[blogcard url="https://www.keycoffee.co.jp/"]

10月23日、1人の男性が遠山さんのもとを訪れました。

キーコーヒーの営業、城北営業所の児玉道春さんです。

キーコーヒーはコーヒーの製造販売の大手。珈琲貴族にも卸しています。

児玉さん、コーヒーを入れ始めました。

ハンドドリップのセットの下にはデジタルの量りが置かれています。

すると、

見ていただくと、ちょっと早い。

実はこれ、キーコーヒーがアメリカの計量器メーカーと共同で開発したコーホーの入れ方を可視化するシステム。

縦軸が注ぐ湯の量、横軸が経過時間、グラフはベテランの入れ方を可視化した、いわば手本です。

このグラフに沿って湯を注げば誰でもベテランに近い味が出せるという教育ツールなのです。専用のアプリとBluetoothで連動させます。

初期投資ははかり代2万1,384円だけ。

早速、遠山さんが味を確認してみると、

いつもの貴族ブレンド。優しい味。香りが立ってて。

遠山さん、導入を決めました。

児玉さんは、

ハンドドリップは感覚でしか伝えられない。無形なものを有形にして伝えられれば。

新たなシステム

10月27日、遠山さん、早速新たなシステムを使いアルバイトの松原さんと特訓です。

最大の関門「蒸らし」。

もういま蒸らしに必要な量が入っちゃったってことだな。

グラフを見てみると手本のグラフでは20秒をかけて湯を入れることになっていますが、松原さんは約10秒、一気に湯を入れてしまったことが分かります。これだと十分な味が引き出せません。

その後も手本のグラフを参考に入れていきますが、「達成度:78.4%」。いまひとつです。

軽い。

湯がちょっと多かった。

そうだな。その分だな。

理想の湯の量より約30グラムも多いことが分かりました。

訓練すること1時間。

明らかに最初よりきれいなカーブ。

松原さん、どうやらコツを掴んだようです。なんと達成度は94.0%。さらに湯の量も改善され理想に近付きました。

よし、これでいこう。

期待のエース、松原君。

遠山さん、早速常連客に味を見てもらいます。

エクセレント!

合格です。

おいしい。香りもコクもある。

ありがとうございます。ちょっと緊張したけど良かったね。

遠山さんは、

書道の先生の手本を見ながらやる感覚でいいと思う。上達のスピードが上がると思う。

キーコーヒーではこのシステムを使ったセミナーを11月から始めました。

育成に不安を持つ既存の顧客だけでなく、ハンドドリップ店をオープンさせたいという新規顧客の開拓にも狙っているといいます。

キーコーヒーの柴田裕社長は、

ハンドドリップのビギナー(初心者)にも簡単に楽しくコーヒーを入れてもらって多くのお客様にハンドドリップコーヒーを楽しんでいただけたらと思う。

-ビジネス関連, ワールドビジネスサテライト
-,