[ガイアの夜明け] ニッポン転換のとき〜住宅編「中古」に価値がある!〜“新築信仰”に挑む〜(1)

ニッポン転換のとき〜住宅編「中古」に価値がある!~“新築信仰”に挑む~

末永生一さん

茨城県つくばみらい市、幹線道路沿いに古い一軒家がありました。

ここがキッチン。食事をしていた部屋。

末永生一さん(48歳)、この家で育ちました。

ここが私の部屋。ここにベッドと机があった。

幼いころを過ごした思い出の場所。

しかし、

木が入り込んでいる状態。窓はもう開かない。そっちは入り込んでいる。

窓を覆っているツタが部屋の中にまで・・・

8年前に父親が亡くなり空き家となった家。荒れ放題です。

両親が他界して姉弟が3人いるが、それぞれ住む家が決まっているので、思い出のある家でも手入れができないので維持できない。

長男としてこの家を相続した末永さん、日々の暮らしに追われ手入れ出来ずにいました。今や傷みは深刻な状態に。

隣に住む男性は、

あまりに放っておくから、どこかに相談に行こうかと思っていた。屋根が飛んできた。

今、こうした空き家は全国に800万戸以上あるといわれています。

中にはゴミ屋敷も・・・

15年後には3戸に1戸が誰も住まない中古の家になるともいわれています。

一方、今も全国に建つ真新しい住宅。

新築信仰に隠れた深刻な問題の行方は・・・。

「中古」に価値がある!~“新築信仰”に挑む~

中古を人気物件に変える知られざるプロ集団。

新築なんてやらなくていい。新しい価値を提供している。

売れない空き家に埋もれた意外な魅力とは?

見捨てられた古い民家。

出ました、お宝。

廃材が日本の住宅事情を変える?

「中古」に価値がある!~“新築信仰”への挑戦~

株式会社カチタス

千葉県柏市、親が残した実家の処分に悩む末永さん。

何とか売却できないか考えていたのですが、

「売却は解体しないと難しい」と周りから聞いていた。解体費を考えるとなかなか売りづらい物件なのかな。

解体して更地にしないと売れません。解体費は200万円以上

さらに空き家は駅から徒歩54分、あまりに遠く売るのが難しい物件です。

そこで末永さん、インターネットで1,200の不動産会社に一斉に買い取りを依頼。しかし、

1社だけ、ちゃんと返事が来たのは。

その中で唯一、返事をくれたのがカチタスという会社でした。

稲村幸恵さん

2017年10月、茨城県つくばみらい市にある末永さんの実家。築38年です。

やって来た女性、カチタスの稲村幸恵さん。ただ一人、末永さんに返事をくれた人です。

この日は物件の買取査定。普通は20年で建物の価値はゼロになりますが、入念にチェックします。

雨染みの状況も見受けられる。

見つけたのは天井の大きな染み。

屋根裏を覗くと鳥が巣を作っていました。庇の傷んだ所から入ったようです。

床下はそちらから。

ここからがカチタスならではのやり方。柱がシロアリに食われていないか確認します。

査定には専門業者が同行。その場で速やかに買い取りの判断を下すためです。

終わりました。

シロアリの被害は目視できるところではありませんでした。

末永さん、まずはひと安心。しかし、査定は続きます。

稲村さん、1時間掛けてじっくり物件をチェック。

家は随分と荒れていましたが結果は、

想定している範囲の補修でいけそうなので買い取りさせていただく。

まさかの買い取り。

ホッとしている。「ダメだ」と言われたら解体業者を呼んで更地にして売りに出さないといけなかった。基本、不可能だろうなと思っていた。

空き家が売れ、200万円以上の解体費も浮きました。

しかし、ここは1,200社が無視した物件。稲村さん、何故買い取ったのか?

決め手は草が生い茂った庭。

奥行きはどのくらいありますか?

縦に入れられれば、間口が広いので。

稲村さん、今度は反対側へ。

ここの草をきれいにして駐車場を作りたい。

庭に駐車場を何台分も作ろうというのです。

駐車場

なぜ駐車場にこだわるのか?

やって来たのは車で10分ほどの最寄り駅「つくばエクスプレス 守谷駅」。その目の前には大きな駐車場が、すぐ隣も駐車場・・・。

この辺りの人は駅まで車で行って、車を止めて電車で出かける。駅まで遠いのはデメリットではない。駐車場が大事。

さらに、

こちらが最寄りのスーパーマーケット。

スーパーも家から車で5分。その近くには衣料品店、ドラッグストアもあります。

車で10分圏内に生活に欠かせない施設が揃っていました。

だから稲村さん、駐車場が物件の新しい価値になると踏んだのです。

カチタスつくば店

その日の夕方、稲村さんが物件の報告をすると、

すごいね。よく買ったな。

同僚もビックリ、やはり売りにくい中古物件のようですが・・・。

ここは横付けみたいなかたちで駐車スペース。

ターゲットは世帯年収300万円ほどの子供がいる若い家族。駐車場が1台では足りないといいます。

子供が成人すると車に乗る。2台から3台の駐車場が求められる。

カチタスの魅力

カチタスは全国に110店舗を展開。低価格を売りに年間4,000以上の中古住宅を販売しています。その数は日本一。

扱いのは条件の悪い物件ばかり。

例えば最寄り駅から徒歩130分、こういった難物件を再生するプロ集団なのです。

そこにはどんな魅力があるのか?

岡村さん一家、2017年にカチタスから中古の家を購入しました。

新築で買うとローンの金額が増えるが、以前の家賃と同じ金額で買えた。

マイホームを買って結局ローンが負担になって、旅行が行けない、子供も行かせられないと何のために買ったんだろう。「前の生活のほうがよかった」となる。

家よりも趣味や旅行にお金を使いたい人たち。その為、新築よりも安い1,000万円台前半の価格が重要なのです。

つくば店で営業トップの稲村さん、6年前にカチタスに転職してきました。

かつては新築の戸建てを売っていましたが、

新築の住宅ローンの支払いがきつくなって家を手放さざるを得ない人も見てきたので、住宅ローンを払うための生活というのがどうなのか。

家を買っても趣味や旅行を楽しんで欲しい。稲村さん、新築だけでない提案したいと考えていました。

販売プラン

10月21日、稲村さんが物件の販売プランを上司の吉田正規店長に相談しました。

この価格でやりたい。

1,198万円。妥当な価格帯ですね。

近隣の新築の住宅が2,000万円弱の価格で出しているので。

新築建て売りとの価格差は競争力のある価格。

ローンは頭金なしだと月3万円台。新築と比べても半値近くです。

続いて、どうリフォームしていくのか相談していきます。

外壁はガルバリウム鋼板で貼りたい。

見た目は新築に見える金属の板で外壁を覆いたいというのが稲村さんの提案。

しかし、

外壁にガルバリウム鋼材を使うと、おそらく売り値は100万円上がってしまう。お客様に届きにくい価格になってしまう。

カチタスのリフォーム予算は平均約300万円。

稲村さんのプランだと売り値が1,300万円を超えてしまいます。

上司のダメ出し、稲村さん、リフォームはうまくいくのか?

リフォーム開始

10月24日、リフォームが始まりました。

まずは玄関周りに手を入れます。

狭い感じがあるので、できればなくして広い廊下にしたい。

玄関を入った目の前に無くしてしまいたい出っ張りがありました。

早速、壁を取り払います。ところが、

2階が載っている。柱を今切っちゃうと大変。

まさかのトラブルが・・・。

リフォーム

条件の悪い中古物件を買い取って再生させるカチタスの稲村さん。

築38年の空き家のリフォームに取り掛かっていました。

広い廊下にしたい。

まずは玄関周りに手を入れます。

廊下の出っ張りを取り払って広くする作業。

ところが出てきた柱を見えると、

2階が載っている。柱を今切っちゃうと大変。

2階を支える大切な柱。これを抜くと家が壊れる可能性も・・・

予想外の事態です。

柱を残して、布で巻いて。

それはないでしょ、廊下だからね。

ここを広くすることを諦めるという稲村さん。それを聞いた職人が2階を支える別の柱をノミで削ります。そこへ新たに木材を渡しました。これで2階の重さを両脇の柱へと逃がすことができます。

なんとか邪魔な柱を取り除くことができました。

廊下というよりホールだね。

全く印象が変わりました。

どんな空間に仕上がるのか?

一方、2階では元々あった壁の上から板を貼っていきます。実はこれ地道なコストカットの方法。壁や天井をはがすと約40万円の処分費用が掛かります。しかし、これならごみになる木材はゼロ。費用はかかりません。

そして予算オーバーが心配された外壁は、状態が良かったため、そのまま生かすことに。壁を保護するペンキを塗って費用を抑えました。

ここにも一工夫が、

ほかの家が使っていないような色。「イメージと違う仕上がりだ」と感じてもらえる色だと思う。

こうしたアイデアを積み重ね、コストを掛けず新築に見劣りしない住宅に仕上げます。

内覧会

2月25日、この日は完成した物件の内覧会。

荒れ果てた築38年の空き家が個性的な戸建てに生まれ変わりました。

出っ張りで窮屈だった廊下は、スッキリとした空間に。

リビングと台所の境目は取り払われ若い世代に人気のレイアウトに。

そして一番の売り、駐車場は家の裏手に2台、玄関前にも2台。

価格は狙い通り1,198万円に収めました。

この日、最初のお客様がやってきました。

近所に住む夫婦、気になって見に来たといいます。

前を通っていたけど、こんなになると思わなかったね。

駐車場に何台止められるの?

続いてやって来たのは子連れの若い家族。

去年、新築を建てたばかりですが価格の安さにつられて見に来ました。

ローンは月3万円台からと聞くと、

10万円違う。ちょっとショック。

リフォームしちゃえば新築と同じ。キッチンとかも同じ新しいものだし。赤西さんに教えてあげなくちゃ。

新築を考えている知り合いに紹介してくれることになりました。

すでに6組から問い合わせが入っています。

駅から徒歩54分の中古住宅が人気物件に生まれ変わりました。

新築に負けている感覚はない。生活を豊かにするために、こういう住宅を選択肢として考えてもらいたい。

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