[WBS] 国が推奨・・・「かかりつけ薬局」!「病院近くの薬局」より利便性は!?

ワールドビジネスサテライト(WBS)

2018年4月から病院や薬局の診療報酬が改定されました。

その中で今回注目するのは薬局です。

今回の改定で地域のかかりつけ薬局の報酬が手厚くなりました。このかかりつけ薬局というのが一人の患者様が複数の病院に行ったとしても薬は1つの薬局で管理してもらおうというものです。

どうして1つの薬局で管理してもらう必要性があるのか?

その理由は歯科医と内科で同じ痛み止めが処方されたりする経験はありませんか、こうした重複は体に負担を掛けるだけでなく、国の医療費の圧迫にもつながっています。

こうした薬の重複を防ぐためのかかりつけ薬局は広がっっていくのでしょうか、そしてかかりつけ薬局は利用者の利便性向上につながるのでしょうか?

その現場を取材しました。

越前堀薬局

東京・中央区にある創業から95年の越前堀薬局。

こちらの薬局を経営する薬剤師の犬伏洋夫さん。実はある作業が薬剤師の負担になっているといいます。

この患者さんがこの環境でこの薬を飲んでいいか、患者さんが言ったこと、体質や病歴、全部記録を取らなくてはいけない。

薬歴

患者さんごとに調剤や服薬指導の内容を記録した薬歴と呼ばれる書類を作成する作業です。

医師が発行する処方箋や患者さんが薬局で記入してもらうおくすり手帳とは違います。

越前堀薬局ではこれまで患者さんが訪れないすきま時間や営業時間外にパソコンで薬歴を入力していました。

薬局が開いているときは患者さんと話がしたい。書類づくりで圧迫されるといい仕事ができない。

そこでこの薬局では新たなシステムを導入しました。

今日、新しく出た薬、痛み止めです。水なしで飲める。いろいろな薬を飲んでいるので一気に水で飲んでいいと思う。

タブレットに表示された内容を患者さんに説明し、画面にチェックを入れると薬歴の下書きが自動で作成される仕組みです。

こちらの薬局では薬歴の記入作業が効率化できたといいます。

患者さん1人あたり3~5分が1~2分、半分くらい。

患者さんからは、

服薬状況を管理してもらっているから、この薬は合わないとか注意してもらえる。

薬剤師の犬伏さんは、

話す時間が長くとれることがかかりつけ薬局の大前提だと思う。

株式会社カケハシ

この薬局向けシステム、電子薬歴システム「Musubi(ムスビ)」を開発したのが2016年設立のカケハシ。

CEOの中尾豊さん、約400件の薬局を回って現場のニーズを調べ開発しました。

急いで患者さんに薬の話をして、急いで渡して、会計して、膨大な書類を作る状況がその薬局にも存在している。

目指したのは薬剤師の負担軽減だけではありません。

糖尿病の方は「食べる順番を意識するだけで血糖値は改善されます」。

ほかにも様々なアドバイスが患者さんの状況に応じて表示されます。

こうした機能がきっかけで患者さんが薬剤師に相談しやすくなる効果も生まれているといいます。

このシステムは2017年10月の発売以来、7,000以上の薬局から問い合わせが入り、導入店舗は増え続けています。

「かかりつけ」になるって簡単ではない。薬局で得する体験がなければ、その薬局を選ぶ理由がない。

かかりつけ薬局

国も推進するかかりつけ薬局。

ただ症状に応じた病院に通い、その都度そばにある薬局を利用する人が多いのが実情です。

「近所の薬局を使わないのはなぜ?」

結局、真ん前で近いから。

病院の近くなら必ず先生が処方した薬がある。

利用者の利便性と国の方針のギャップ、どう埋めるかが今後の課題となりそうです。