[WBS] 治る最前線!潰瘍性大腸炎の最新治療!

ワールドビジネスサテライト(WBS)

安倍総理が薬での治療を続けていられることでも知られる難病の潰瘍性大腸炎。

薬が効かないほど病気が進んだ患者さんのための最新治療を取材しました。

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潰瘍性大腸炎

都内にある順天堂医院。

この日、診察に訪れたのは50代の松本さん(仮名)。8年ほど前から潰瘍性大腸炎を患っています。

粘膜がはがれている状況。

モニターに映し出されたのは大腸の壁の粘膜が炎症を起こし、はがれ落ちた部分。正常な人と比べるとその違いは一目瞭然。重症の状態です。

頻繁にトイレに行かなくてはいけない。多い時で1日20回ぐらい。病気でなかったことろ同じ状態の生活を送りたい。

潰瘍性大腸炎とは原因不明の難病の一つで大腸全体の壁の粘膜が炎症を起こす病。炎症により腹痛や下痢、血便などの症状が現れます。

患者数はこの10年で倍増し、現在約16万人です。食生活の欧米化などが関係していると考えられています。

症状が薬を使っても悪くなると大腸を全部取り除かなくてはならなくなる。

恐ろしい病、潰瘍性大腸炎。その治療の最前線を追いました。

順天堂大学医学部附属順天堂医院

松本さんはこれまで薬を使った治療などを受けてきましたが重症化してしまいました。

そこで現在、臨床研究中の最新治療を受けることになりました。

腸内細菌療法

使われるのは大腸用の内視鏡カメラ。さらに今回のカギとなるのが注射器に入った液体。

腸内細菌を多く含んだ便汁を調整したもの。

この液体に含まれているものは腸内細菌。健康なドナーの便を生理食塩水と混ぜ不純物を取り除くなど安全な処理を行っています。

今回はこれを大腸に移植する腸内細菌療法が行われます。

大腸には100兆個ともいわれる様々な種類の腸内細菌がすみついています。

最新の研究で潰瘍性大腸炎の患者は健康な人と比べて細菌の種類が少ないなど腸内細菌のバランスが乱れていることがわかりました。

今回の治療では患者はまず2週間、抗生物質を飲みます。もともとある腸内細菌を減らします。

そして内視鏡を大腸に挿入し、その先端から健康なドナーの腸内細菌を移植します。

こうして腸内細菌のバランスを正常にして症状を改善させます。

じゃあ、いきましょう。

内視鏡を大腸に挿入し、治療が始まりました。

まずは内視鏡の先端を大腸の奥まで進めていきます。5分ほどで内視鏡が一番奥まで到達します。

そしていよいよ腸内細菌の出番です。

いきます。

注射器を内視鏡に取り付け移植開始。移植するのは約240cc。大きな副作用は特にないといいます。

これで投与が終わった。

モニターの奥に見えるのが腸内細菌を含んだ液体。移植は無事に終了しました。

これまで約70人の治療を行い短期間では約7割の患者の症状が改善しました。今後はさらに長期的な治療効果を確かめていきます。

臨床研究段階のこの治療は条件を満たした患者を選び行われています。

順天堂大学消化器内科の石川大准教授は、

我々は一過性に症状が治まる事ではなく完治を目指して臨床研究を進めている。腸内細菌療法を確立できれば治療の一つの選択肢として非常に有効。

血球成分除去療法

一方、重症化していない患者に有効な治療法も登場しています。

治療を受ける石井さん(40代・仮名)は15年ほど前から潰瘍性大腸炎を患っています。

腹痛が一番ひどいのと血便。夜中も痛みがひどかったりするので眠れない時もある。

石井さんの治療が始まりました。

チクッとしますね。

まずは左腕の静脈に針をさし、そこにチューブを取り付けます。

左手から血液を抜いて機械に通して右手に戻します。

治療開始。チューブから血液が吸い上げられ装置に送られます。行われているのは血球成分除去療法という治療です。

大腸の炎症は本来、細菌などから体を守る血液中の白血球が何らかの理由で活性化し大腸の壁を攻撃することで引き起こされます。

その活性化した白血球を取り除くのが筒の中に入った丸い特殊なビーズです。

このビーズは活性化した白血球を吸着させる働きがあり血液中から取り除くことができます。

白血球が取り除かれた血液を再び身体に戻し炎症を抑えます。副作用がほとんどないのがこの治療の大きなメリット。

1回約1時間の治療を合計10回行います。

お疲れ様でした。

この治療を7回受けた石井さんはその効果を実感しています。

腹痛も今は全然ない。良好です。

治療費は3割負担で約5万円ですが難病である潰瘍性大腸炎は病状によって負担額を低く抑えられることもあります。

順天堂大学消化器内科の澁谷智義准教授は、

軽症から中等症の患者に行い有効率は6割程度。潰瘍性大腸炎の治療においてはかなり効果がある。

治療法の進化により救われる患者はさらに増えていきそうです。

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