[WBS]JDI構造改革案発表!「3,700人削減」「工場統廃合」!

ワールドビジネスサテライト(WBS)

スマートフォン向けの液晶パネルなどを手掛け、日の丸液晶の最後の砦ともいえるジャパンディスプレイが抜本的な構造改革に踏み切ります。

ジャパンディスプレイという会社は日立製作所、東芝、ソニー、この3つの会社の液晶事業が一緒になって2012年に発足しました。

筆頭株主は官民ファンドの産業革新機構です。

オールジャパンで韓国や中国勢と競争で勝ち抜こうとこの5年間展開をしてきました。

しかしコスト競争力が弱く、次世代ディスプレイ技術の「有機EL」への転換が遅れたことなどから赤字体質が続いています。

こうした中、ジャパンディスプレイは8月9日、全社で3,700人規模の人員削減、そして工場の統廃合といった経営の再建策を発表しました。

東入來会長はWBSの単独インタビューに応じ、今後は有機EL事業などを成長の柱にするという考えを強調しました。

株式会社ジャパンディスプレイ

午後3時、記者会見に現れたジャパンディスプレイの東入來信博会長。

JDI(ジャパンディスプレイ)にとって、これが最後のチャンスと考えている。収益の基盤の変革をきっちりと仕上げて、それをこの17年度中にやりあげる。

ジャパンディスプレイは8月9日、約3,700人の人員削減を発表しました。これはグループ従業員の3割弱にあたります。

また石川県の能美工場のスマートフォン向け液晶パネルの生産ラインを12月に停止します。

これらの構造改革の費用として2018年3月期に約1,700億円の特別損失を計上します。

ジャパンディスプレイは4期連続の最終赤字となる見通しです。

今後の巻き返し策については、

オーレッド(有機EL)なくしてスマホビジネスの将来なし。戦略的にかじを切った。

売上高の約8割を占めるスマホ向けの事業で有機ELディスプレイを収益の柱のひとつにする方針を明らかにしました。

アップルはiPhoneの次世代機に有機ELディスプレイを採用するとみられるなど、スマホ業界では有機ELシフトが進んでいます。

しかし現在は世界のスマホ向けの有機ELの約8割を韓国サムスン電子が占めています。

みずほ証券の中根康夫シニアアナリストは、

今年のiPhone用有機ELはサムスンディスプレイ1社。値段も90~95ドルと思っていて今のiPhone7Plusの液晶パネルと比べ5割高い。

スマホメーカーがサムスンディスプレイに過度に依存したくないときに何社かほしい。ジャパンディスプレイが19年に間に合う形で量産態勢にもっていければ手遅れでもない。

ジャパンディスプレイは巻き返しに向けて世界で初めて印刷方式の有機ELを製品化したJOLEDを今後、子会社する予定です。

株式会社 JOLED(ジェイオーレッド)

JOLEDの社長でもある東入來氏。有機ELの将来性については、

「有機ELの量産化のめどは?」

まだ時間がかかると思う。スマホの量産は2019年の後半あたりから収益に貢献していくのが見立て。

有機ELパネルを生産するJOLEDの石川開発センター。15%の出資を受けるジャパンディスプレイの石川工場内にあります。

有機EL

有機ELには主に2つの作り方があります。

まずは先行する韓国勢が採用する蒸着方式。真空中で蒸発させた有機材料をマスク越しに吹き付けてパネルを作ります。

一方、JOLEDは印刷方式という作り方を採用。プリンターの要領で有機材料を均一に塗りつけます。

特別にその製造ラインの一部の撮影が許可されました。

JOLEDの石橋義執行役員、

こちらがこのフロアの一番最初のプロセス。入ってくる基盤を洗浄する装置。

有機ELパネルの基盤となるガラスを数回に分けて洗浄し、ごみを取り除きます。ごみがあるとその箇所だけ光らなくなるなどの欠陥につながるといいます。

洗った基盤は次の工程へ。ここでは基盤にインクの受け皿を作っています。この作業も人がゴミを持ち込まないよう一定した空間でロボットが行います。

印刷方式では有機ELディスプレイの製造の際に真空状態を作る必要がなく、材料のロスも少ないため蒸着方式に比べて製造コストが約20%下がるといいます。

ガラスを薄くすることもできるし、フィルム状の基盤を使いさらに軽くする開発も行っています。

大きいサイズで軽さが強調され特徴となる。そういうことを製品に生かしていきたい。

ただJPLEDは5月に印刷方式のサンプル出荷を始めたばかり。すでにスマホ向きに蒸着方式で量産している韓国勢などからは出遅れています。

「2019年から量産でまだ間に合う?」

われわれはそこは十分対応できると思っている。

ジャパンディスプレイは2020年3月期に営業利益400億円を目指します。

マーケットは十分あると思っているし、要はお客様が我々の技術を認めてくれるか否かだ。