[ガイアの夜明け] 百貨店はどう生きるか?(1)

百貨店はどう生きるか?

株式会社三越伊勢丹

伊勢丹新宿店

店舗売上日本一を誇る伊勢丹新宿本店。

午後9時、閉店後のフロアを見て回る男性がいます。

新宿婦人・子供商品部バイヤーの八重澤清史さん、入社以来婦人服一筋。エースバイヤーのひとりです。

百貨店の主力商品である婦人服、伊勢丹ではその売り上げがここ10年で約3割落ち込みました。

どうすれば売れるのか?

八重澤さんは悩み続けています。

自信は正直ない。半々ですね。圧倒的なスピードでお客様が先に行ってしまう。その半歩先を読み切れていないのは事実。

婦人服部門の落ち込みが百貨店全体の足を引っ張っていました。

いま立て直さなければ沈んでいく一方です。

株式会社三越伊勢丹ホールディングス

2017年5月10日、三越伊勢丹ホールディングスの決算説明会。

わずか1ヶ月前に就任した杉江俊彦社長が会場へと向かいます。

営業利益239億円、前年比マイナス27.7%。各利益とも減益の決算でした。

利益は前の年から約3割もダウン。ライバルの百貨店と比べても落ち込みが目立ちます。

杉江社長、旗艦店でもある伊勢丹新宿本店をどう立て直すつもりなのか?

「ファッションの伊勢丹」に回帰する方向に進めている。

再びファッションの伊勢丹を強く打ち出そうというのです。

若い世代をターゲット

7月20日、若い世代をターゲットにした売り場のバイヤー、新宿婦人・子供商品部バイヤーの小野塚智子さん。

この日、あるVIPとの打ち合わせに臨みました。

もともと伊勢丹の大ファンで。

相手は歌手でモデルのchayさん。10代、20代の女性たちに人気でそのファッションも常に注目されています。

小野塚さんはchayさんと共同でオリジナル商品を手掛けていました。

この日、サンプルが出来上がったのです。

思ったより毛のボリューム感が薄い。もうちょっとポケットに膨らみがあるといい。

chayさんのこだわりとアイデアをどんどん取り入れ手直ししていきます。

売り出すのは20点の秋冬モノ。企画から3ヶ月をかけ打ち合わせを繰り返しながら練り上げてきました。

chayさんとのタッグで若い女性客を店に呼び寄せたい。

小野塚さんにはさらなる仕掛けが・・・。

イベントが始まる前にサンプルを着用してライブとか動画配信での告知とかって。

「来てねー」みたいな動画?

目を付けたのはいま流行りのインスタグラム。

chayさんが投稿する写真や動画はスマートフォンやパソコンを通じて30万人以上のファンが見ています。

これで商品の宣伝もお願いします。

こんばんわ!見てる?誰か。

早速、ファンからの反応が。開始1分、3,000人を越えました、

ベロアっぽい生地のレースになっています。

さらに動画でこだわりのポイントを伝えていきます。

肌触りもすごくいいし、ノースリーブだけど暖かい素材になっています。

明日から来てね!待ってます!

何人見てる?

今、2.6万人。

わずか13分で2万6,000人。このPRは一体どれほどの効果があるのでしょうか?

販売当日

販売当日の9月23日、売り場はスゴいことに・・・。

chayさんの動画を見た10代、20代の女性たちが詰めかけました。

名古屋です。

兵庫です。

chayさんが宣伝していた秋物のワンピース(5万1,840円)。ポケットにこだわったコート(5万2,920円)も店頭に並びました。

chayさん自らオリジナル商品を着てファンを迎えます。

買ってくれた人には2ショットの記念撮影。

すごい!夢のようです。

賑わいを見せる婦人服売り場。

お客様のニーズを先取りした新たな戦略。服がどんどん売れていきます。

商品を並べれば売れる。そんな時代は終わりました。

百貨店はどう生きるか?