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[ガイアの夜明け] 医療現場を救う! 町工場の「技」(2)

2016年10月26日

医療現場を救う! 町工場の「技」

渡邊嘉行医師

川崎市。

ここにも現在の医療機器に課題を感じている人がいます。

訪問診療を行う渡邊嘉行医師。

95歳のおばあちゃん、食欲が落ち脱水症状が見られます。

点滴をすることに。

ところが点滴を吊るせそうな場所がありません。

本当はいいことじゃないんだけど。

応急処置として蛍光灯の紐にくくりつけました。ちょっと驚きですが、訪問診療ではよくあることだといいます。

在宅医療を行う団体のガイドラインを見ると応急処置の場合、家にあるハンガーや紐などを上手に利用して点滴を吊るすように明記されています。

点滴やっているから動かしちゃダメだよ。

点滴をしている約2時間、おばあちゃん、じっとしていなければいけません。

吊るすのやめたい。点滴がおばあちゃんの元気につながっているのか。逆に拘束しているだけかもしれないと違和感を感じる。

点滴の問題点

病院の中でも点滴の不便な点は多くあります。

身長以上の高さがある点滴スタンドを持って歩く女性。転ばないように注意が必要です。

点滴スタンドが倒れて事故が起こる例も少なくないといいます。

総合川崎臨港病院

川崎市にある総合川崎臨港病院。

この日、渡邊嘉行院長の元をある人たちが訪ねてきました。

吊るさずに使える点滴がほしいという渡邊嘉行院長に協力を申し出た企業の担当者です。

そのリーダーが入江工研株式会社の中川雅晴さん(61歳)。

ある程度、体を動かすには問題ない、というのが一番望ましい。

吊るさず、さらに持ち歩ける点滴が理想だといいます。

事業として取り組みが患者さんのために貢献できる。ぜひ前向きに進めたい。

入江工研株式会社

小江戸と呼ばれる歴史の町、埼玉県川越市。

ここに中川雅晴さんが勤める会社があります。

入江工研株式会社。

創業から50年、従業員190人のメーカーです。

空間を真空に保つ大型の真空バルブで国内シェア60%を誇ります。液晶パネルの製造ラインで使われている特殊な技術。

中川雅晴さん、会社が得意とする真空技術を点滴に生かそうというアイデア。

100年続く医療の常識を変えるアイデアです。

点滴ポンプ

注射器の先端を塞いで引っ張ると、この中は真空状態。

その原理を形にしたのが点滴ポンプ。

まずポンプの中に真空の空間を作ります。

次に点滴バッグをセット。

そして空気を送り込むと気圧の差でピストンが動きます。その力で点滴を押し出すのです。

この時、ピストンを正確に動かすため密閉することが重要です。

手探りの状態の中で何か形にできることは達成感が大きいだろうと。実際に実現できれば。

有限会社幸文化工

8月29日、中川雅晴さんが川越市内の町工場「有限会社幸文化工」を訪ねました。

点滴ポンプの試作のため、アクリル樹脂の加工が得意な有限会社幸文化工に部品作りを依頼しに来たのです。

中川雅晴さん、早速設計図を見せます。

加工上の問題もあるし、当初予想した性能が得られるか。

心配しているのは、真っすぐ上がらなかったら止まっちゃうんじゃないか。

今回はあくまで試作ですが、医師や患者さんの期待に応えるためにも失敗はできません。

早速、部品作りが始まりました。

透明なアクリル樹脂の塊をドリルで削っていきます。

約2時間かけ、点滴バッグを入れる容器の形に。

仕上がりを見ると白く曇っています。その理由は表面にできた目に見えないほど小さな凹凸。

密閉性が重要なこの点滴ポンプ。たとえ小さな凹凸でも空気が漏れる原因になってしまいます。

ここからは職人歴55年、ベテランの出番です。

材料を磨き凹凸を無くしていきます。研磨剤を使って丁寧に仕上げると白く曇っていたアクリルが透明になりました。顔が透けて見えるまでに。

こうやって加工させてもらって患者さんにとって便利になれば、私たちも作る甲斐があって誇りに思う。

試作品

9月27日、入江工研株式会社の中川雅晴さんの元に点滴ポンプの部品が揃いました。

初めての医療分野への挑戦。

ここまでくるにはワケがありました。

2008年、リーマンショックがあった。通常の売上に対して3分の1になった。かなり厳しい状況。そういう景気の影響を受けにくい事業をやっていこうと。

中川雅晴さん、早速組み立てていきます。

有限会社幸文化工が仕上げてくれた容器にピストンを装着。

ポンプに空気を取り込むツマミ。

ツマミを回した角度に比例して空気の流量も増減する。

ツマミを回すことで取り込む空気の量を調整、ピストンが動く量をコントロールするのです。

こうして試作品が組み上がりました。

点滴バッグを容器に入れ、テスト開始。

今回は水の入った点滴バッグを使います。

ポンプが動いてチューブから水滴が落ちてくれば成功。

しかし、

上がっていない。

水が途中で止まってしまいました。

その後も何度か試しますが、

来ていないな。

動いていない?

ポンプが1ミリも上昇しません。

呆然とする中川雅晴さん。

解決策はあるのか?

入江工研株式会社

テストから2週間後の10月12日、埼玉県川越市の入江工研株式会社。

点滴用のシンクポンプを作る新規事業担当の中川雅晴さん。

ポンプが動かない原因を突き止めました。

もともとのパッキンを装着すると抵抗が大きい。この抵抗の大きさが水を押し出す推力の障害になっていた。

ピストンが動く力よりも容器と触れるパッキンの抵抗が大きかったのです。

そこでパッキンの一部を切り取り、抵抗を減らしました。

改めてポンプのテストに移ります。

今度は上手くいくのか?

水滴が落ちてきました。これで第一段階クリア。

しかし、ここからが重要です。

医療用の点滴として使うため、水滴の微妙な速度を調整できるか確かめます。

今回は1分間に8ccずつ水滴が落ちれば成功の目安。

ちょうど8cc。

どうやら、うまくいったようです。

点滴用の真空ポンプ、その後も順調に動きました。

ここ来るまでがちょっと苦労が多かった。動くまでにするのが。

中川雅晴さん、ホッと一安心。

渡邊嘉行院長

少しでも早くこの成功を伝えたいと総合川崎臨港病院の渡邊嘉行院長を訪ねました。

「点滴を吊るす」という概念を根本から崩すのは面白い。

反応は上々です。

周囲のスタッフも興味を持ってくれたようです。

ところが、

重たい。

まだちょっと重たいよね。

もっと軽くなったら患者さんの自由度がもう少し上がるかな。

患者さん自身が持ち歩くには大きさや重さの面でまだまだ課題があるようです。

すると中川雅晴さん、カバンから紙を取り出しました。

次のアイデアをすでに考えていたのです。

完全に覆うタイプではなくて。

今より持ちやすい形になり、重さも半分程度になるといいます。

これくらいの機械だと、すごくありがたい。まさにこの絵ぐらいの大きさですね。それはいつ頃できるんですか?

スケジュールを再度立てたい。

それ見てみたいな。これからの差が出たら驚きですよ。

まだ超えなければいけない課題が多い点滴用のポンプ。

100年の常識を打ち破るため中川雅晴さんは渡邊嘉行院長とともに開発を続けていく決意です。

製品化を前提とした試作を次のステップでやっていく。改めてここからがすたーと、という気持ちで進めていきたい。

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カテゴリー:ビジネス関連
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