[WBS] 三陸の「夏の味覚」がピンチ!なぜホヤが大量廃棄!?

ワールドビジネスサテライト(WBS)

三陸の夏の味覚、独特の風味が特徴のホヤ。

形が似ていることから「海のパイナップル」とも呼ばれています。

養殖が盛んな宮城県の牡鹿半島では東日本大震災による津波で養殖施設が壊滅的な打撃を受けましたが、いまは復旧も進み水揚げ量も震災前の水準に戻っています。

ところがホヤの需要が激減していて大量に廃棄される事態が続いています。

ホヤ

ホヤの一大産地、宮城県の牡鹿半島。

ホヤの水揚げは夜明け前から始まります。夏に水揚げの最盛期を迎えるホヤ。宮城で日本全体の約7割を養殖しています。

ホヤを養殖する鈴木隆介さん、

自分で作っていて言うのもなんだが美味しい。甘みもあるし、他と比べて味が違う。

宮城のホヤ養殖は東日本大震災の津波で設備に被害を受けたため一時休業を余儀なくされたが、徐々に生産量は回復。2016年は震災前を上回る1万3,000トンが水揚げされました。

いしかし水揚げされた約6割、7,700トンが廃棄されたといいます。

本当なら食べ物なので、みんなの口に入ってもらうのが一番いい。

ホヤの養殖は出荷までに約3年かかりますが、それ以上成長すると味が落ちてしまうため廃棄は避けられません。宮城では2017年もすでに5,000トン以上のホヤが廃棄されました。

ホヤの大量廃棄の裏に・・・韓国の輸入禁止が!?

ホヤの大量廃棄の背景にあるのは韓国の禁輸措置です。

ソウル支局の和田高さん、

韓国ではホヤの刺し身はチョジャンという調味料をつけて食べるのが一般的です。

刺し身やキムチに混ぜて食べるなど韓国ではポピュラーな食材のホヤ。

韓国ではこれまで日本産ホヤの約7割を輸入していましたが福島第一原発事故による放射能汚染への懸念から2013年に日本の8県から水産物の輸入を全面的に禁止して、国内産や北海道からの輸入に切り替えました。

韓国では、

日本でとれる魚のほとんどが汚染されていると思っている。特にホヤは生で食べるものだから、もっと気を使うべきだと思う。

けっこう不安。私たちは子どもに日本のものをあまり食べさせない。

原発事故による風評は依然として厳しく、韓国による禁輸措置解除の見通しはいまだ立っていません。

ほやほや学会

韓国への輸出再開の目処が立たないなか新たな動きも始まっています。

地元の生産者などが「ほやほや学会」という団体を立ち上げPRに乗り出しました。

団体の会長を務める田山圭子さん。

ホヤが売れれば宮城も潤う。ホヤの行き先をつくっていくことが復興につながる。

今年度からは復興庁の事業を委託し関東の飲食店を中心に新たな販路の開拓を進めています。

今朝早く田山さんが牡鹿半島に招いたのはウエスティンホテル東京で和食を担当する日本料理「舞」の岩根和史調理長。ホヤの味や匂いが苦手でこれまで扱ったことはないといいます。

田山さんたちの必死の売り込みを聞き、獲れたてのホヤを食べてみると、

すごい、臭くない。喉の中が甘い。

水揚げを見学した後、水産加工会社に場所を移した一行。ホヤの刺し身以外の調理方法を知ってもらおうと試食会が開かれました。

田山さんが考案したホヤのカナッペ。クラッカーの上にホヤとジャムをのせた一品です。

全くホヤが苦手でも・・・。

なるほど、美味しい。

また水産加工会社からも鮮度が落ちやすいホヤの保存方法のコツについて説明がありました。

鮮冷の大井太さん、

殻付きのままの方が鮮度が良いという先入観がある。地元の料理人は仕入れたらすぐにむいて、むいた状態で冷水に入れて保管する。

岩根さんは、

いろいろ使ってみたい。何に入れたらおいしいのかなと。今はどう調理するかまだ内緒。

リーガロイヤルホテル東京

すでにホヤを高級コース料理の食材として取り入れているホテルもあります。

リーガロイヤルホテル東京の飲食店ではいあま、宮城のホヤを使った料理を期間限定で出しています。

リーガロイヤルホテル東京の日本料理なにわ、小暮茂夫和食料理長、

推しても押せないくらいパンパン。張っているのが鮮度のいい証拠。

新鮮なホヤはクセが少なく風味も良いといいます。

この和食店ではその日に入荷したものを使った真薯や刺し身をコース料理にしています。

お客様の反応は、

ホヤは臭いイメージだったが臭くなくて、おいしかった。

同じホテルの中にある中華料理店「皇家龍鳳」。こちらでもホヤ料理を出しています。

今回初めて中華料理の食材としてホヤを使用するといいます。

サッと湯引きをして熱した油をかけ独自の料理を考案しました。

「宮城の山海ディナーコース」は一人前で1万1,880円。

料理長の横田済さん、今回ホヤの食材としての魅力を改めて感じたといいます。

新鮮なホヤを使えばいろいろと可能性が出る。食感と風味を生かせばホタテ貝柱のような主役を張れる。

ほやほや学会や生産者らがホヤの食材としての魅力をPRすることで消費量は年々増えています。

ほやほや学会の田山会長は、

ホヤのある食卓とか居酒屋が当たり前になるように頑張っていきたい。

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