通勤や通学で利用する人も多いオートバイ。
日本で最も保有台数が多いオートバイといえば排気量50ccのものですが、少し大きめの125ccのオートバイの人気が高まっています。
国内の二輪車市場の縮小が続く中でも人気を集めている理由を取材しました。
本田技研工業株式会社
[blogcard url="https://www.honda.co.jp/"]
千葉県松戸市にあるホンダの販売店。
こちらが125ccのカブになります。
ホンダは9月、スーパーカブシリーズとしては初となる排気量125ccのオートバイ「Super Cub C125」を発売しました。
発売初日に購入したこちらの男性。
以前は50ccのカブに乗っていました。
二段階右折もしなくて済む。
車と同じようなスピードで走れるので決めた。
50ccの法定速度は最高で時速30キロまでですが125ccなら時速60キロで走行することができ、二人乗りも可能です。
価格はおよそ40万円で50ccに比べて割高です。
ただ自賠責保険料や軽自動車税は50ccとほとんど変わりません。
こうした維持費の安さも125cc人気を後押ししています。
今年4月から8月までのホンダの原付二種の出荷台数はおよそ2万6,000台と去年の同じ時期と比べて2倍近くに急増しています。
ホンダドリーム松戸の長谷川岳之店長は、
125ccの市場は間違いなく伸びていくと思う。
このサイズ(125cc)のバイクから始めてもらうことでバイクの良さを身近に感じてもらえるのではないか。
スズキ株式会社
[blogcard url="http://www.suzuki.co.jp/"]
ほかの二輪車メーカーも続々と125ccを投入しています。
スズキが今年発売した「スウィッシュ」。
携帯電話などを充電できるUSB端子のほか、リミテッドモデルにはグリップやシートにヒーターを備え1年中通勤に使えるスクーターです。
スズキワールド新宿の石川行裕店長、
125ccは安定して一定の需要がある。主に通勤に使われる。
ヤマハ発動機株式会社
[blogcard url="https://www.yamaha-motor.co.jp/"]
また、ヤマハ発動機は…
ヤマハ発動機マーケティング課の早田和正課長、
特におすすめなのが「トリシティ125」。
フロント2輪になっていて安定感を求める人におすすめのモデル。
5年前に2車種だった125ccスクーターのラインナップを今年までに5車種に増やしました。
125ccへのシフト
なぜメーカー各社はこれまで主流だった50ccから125ccの開発にシフトしているのでしょうか?
実は50ccのオートバイは日本の免許制度に合わせた独自の規格です。
一方、125ccは市場が大きいアジアで主流のサイズ。
国内メーカーは東南アジアや台湾で生産し、日本に逆輸入して販売しています。
また国内の販売台数も50cc、原付一種の減少が続き125ccを含む原付二種との差が縮まっています。
そのため日本独自の50ccよりも国際標準ともいえる125ccの開発に各社が力を入れているのです。
その苦境を裏付けるように長年のライバル、ホンダとヤマハが50ccの開発で提携を発表。
今年、ヤマハが発売した50ccの2車種はホンダに製造を委託しています。
50ccしか乗れないお客様もいるので、ステップアップで125ccに来てくれればいいと思う。
免許制度
さらに免許制度にも動きが…
今年7月に道路交通法が改正。
125ccのスクーターに乗れるAT小型限定普通二輪免許について普通自動車の免許を持っている場合、教主日程が最短2日に短縮されたのです。
コヤマドライビングスクール二子玉川校の日南田友行指導次長は、
仕事をしていても週末の土日2日間で取得できるためマーケットの拡大につながると考えている。
全国オートバイ協同組合連合会
[blogcard url="http://www.ajac.gr.jp/"]
ただ、こうした動きは二輪車の販売会社からは懸念の声も聞かれます。
全国およそ2,000社が加盟する全国オートバイ協同組合連合会の大村直幸会長は、
すでに50ccのユーザーはたくさんいる。50ccが急に125ccになることは許されない。
年々、販売は減り続けているもののいまも50ccの保有台数はおよそ560万台。
50ccがこのまま衰退すればバイク離れが加速するというのです。
50ccを何年も乗ったら125ccにランクアップするとかできたらいい。
免許制度を国内の現状に合わせるなど改革が絶対に必要。