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[ガイアの夜明け] 自分の力で歩きたい~患者を救う「極めた技術」~(1)

2016年7月27日

自分の力で歩きたい・・・~患者を救う「極めた技術」~

大分東部病院

大分県・別府温泉、湧き出す温泉の量は日本一を誇ります。

そこから車で20分ほどの大分東部病院。高齢者のリハビリに力を入れています。

3ヶ月前に脳梗塞を患った清松伍郎さん(76歳)。以来、右半身が不自由となり歩くときは杖が手放せません。

一番不便なことは立つこと、歩くこと。

清松伍郎さんはこの日初めて、ある装置を付けて歩行訓練を行います。「歩行アシスト」という機器。

訓練開始、始めは杖をついています。ところが5分後、清松伍郎さんは杖なしで歩いています。

20分ほど訓練をしたら今度は「歩行アシスト」を外します。ここからが見せどころです。

なんと「歩行アシスト」を外しても杖なしで歩いています。

清松伍郎さん、まさかの効果に笑顔になります。

フラフラしなかった。速く歩けた。

本田技研工業株式会社

実はこの「歩行アシスト」、自動車メーカーのホンダが開発したものです。

本田技研工業株式会社の担当者、伊藤寿弘さん(60歳)。

一度訓練すると、しばらくの間、その感覚が体に残っている。そういう効果があると訓練の中で出ている。

歩行アシストの開発が始まったのは1999年、初期の試作品は背中に背負うタイプで重さが30kg以上ありました。それが年々、進化を遂げ、今では2.7kgまで軽くなりました。

KOBE須磨きらくえん

神戸にある高齢者用の施設「KOBE須磨きらくえん」。

こちらでは開発段階から試験的に「歩行アシスト」を導入してきたといいます。

足の筋肉が落ちていたという91歳の女性。

週2回、歩行アシストを付けて3ヶ月間訓練を続けました。すると

若い頃の歩き方に戻ったみたい。

以前は先生が「歩き方が左と右と違う」と、今は「一緒になった」とおっしゃってうれしい。

この歩行アシスト、足の筋力が落ちてきた高齢者の歩行能力を維持する効果もあるといいます。

歩行アシスト

2015年11月から病院や高齢者施設を対象にリースが始まりました。

この歩行アシストに、ある切実な要望が・・・

「病気や障害で歩くのが困難な子ども達のために新たな歩行アシストを作って欲しい。」という依頼でした。

これから「歩き」を獲得しないといけない子は、たくさんいると思う。そういう子に使ってもらって、自力で歩くようになってほしい。

自分の力で歩きたい。その願いを叶えようと奮闘する技術者たちの挑戦を追いました。

衛藤龍之介君

京都市、この街で暮らす中学一年生の衛藤龍之介君(12歳)。

生まれた時から脳性麻痺のため車椅子で生活をしています。

少しでも歩行能力が上がるよう登校前と帰宅後の1日2回、杖を使って訓練をするのが日課です。しかし、今はまだ玄関のちょっとした段差を超えるのも一苦労です。

衛藤龍之介君は生まれてから一度も自分の足だけで歩いたことがありません。

衛藤龍之介君の力を引き出したいと願う、母親の衛藤由紀子さん。手助けは最低限に抑えています。

お笑い番組を見るのが衛藤龍之介君の一番の楽しみ。

夢は何ですか?

刑事。俺は人を助けたい。

衛藤龍之介君のように脳性麻痺で身体が不自由な子供は分かっているだけで全国に約9万人いるといわれています。

京都大学

5月、京都大学。

その医学研究室に本田技研工業株式会社の伊藤寿弘さんの姿がありました。

子供用の歩行アシストを共同で開発する京都大学大学院、大畑光司博士とある試みをすることになっていました。

やって来たのは衛藤龍之介君。

衛藤龍之介君は小さい頃から大畑光司博士の元でリハビリを続けていました。

伊藤寿弘さんが取り出しのは子供用に作った歩行アシストの試作品です。ボディを少し小さくしました。機能は大人用と同じです。

まず、歩行アシストを付けずに5メートルのタイムを測ります。44秒でした。

アシスト1回、付けてみるな。

続けて、子供用に作った歩行アシストを装着してタイムを測ります。どのような結果になるのか期待が高まります。

いま何秒?

55秒。

その前は?

44秒。

なんと装着前より遅くなっていました。

すると伊藤寿弘さんが、タブレットを取り出して何やら操作を始めました。

歩行アシストは屈曲という足を振り上げる力と進展という後ろに蹴る力を測定し、個人の症状に合わせてアシストの力を変えられます。

それを可能にするのが特殊なモーター。股関節の角度を検知するセンサーなどが内蔵されています。

これらの測定や操作を離れたところからできるのが、歩行アシストの大きな特徴です。

伊藤寿弘さん、衛藤龍之介君の歩き方に合わせて設定を細かく変えていきます。

変更しました。

そして衛藤龍之介君にもう一度歩いてもらいます。果たして効果はあるのか?

33秒。22秒も縮まりました。

20分ほど訓練したあと、今度は歩行アシストを外して測ります。

すると、

いま何秒?

27秒。

外したあとも歩行速度が上がっていました。

衛藤龍之介君は

歩きやすい。足が自動で動いている。

母親の衛藤由紀子さんは

訓練を頑張っても自分で足を上げるのは限界がある。どうしても左足が上がりにくいので、アシストがあると上がる角度が変わるので続けたい。

歩行アシストを継続して使いたいと願う衛藤由紀子さん、ある切実な理由がありました。

中学生から高校生にかけ、身長が伸びて、体重が増えて、体が重たくなる。骨は伸びるけど、筋肉は伸びないので膝はかたくなっていく。高校に入る頃には歩けなくなる子がすごく多い。それを防げるかどうかは、中学の時にどれだけ歩き続けることができるか。

伊藤寿弘さんの挑戦は時間との戦いでもあるのです。

伊藤寿弘さん

埼玉県和光市にある本田技研研究所。

敷地内の小さな建家に歩行アシストの開発部署があります。この部署に伊藤寿弘さんは6年前に配属になりました。

実は伊藤寿弘さん、以前はホンダF1チームのエンジニアでした。

あの伝説のレーサー、アイルトン・セナのマシンを手がけていた人物。

歩行アシストにはこの時の技術が生かされています。

カーレースの最高峰F1、今ではエンジンの回転数など100種類以上のデータが走行中、リアルタイムで分かります。

海外のレースでも日本に居ながらデータを解析することができます。これはテレメーターというシステム。走行中のマシンから送られたデータはレース場のコンピューターを経由して日本側にある解析室に届きます。そこで解析された結果がレース場に送り返されます。

約30年前、他のチームに先駆けてこのシステムを開発したのが伊藤寿弘さん。

当時、ホンダは年間16戦15勝という圧倒的な強さでした。

しかしその後、ホンダはF1から一時撤退。

伊藤寿弘さんはいくつかの部署を経て歩行アシストの開発チームへ転属になりました。

F1撤退は非常に寂しさはあった。車の制御も歩行アシストの制御も変わらない。こういう装着型ロボットもやっと世の中に出始めたところなので、開発している人も「どうやったらいいだろう」と暗中模索的なところが結構ある。そういう意味では面白いと思ってやっている。

伊藤寿弘さんはF1で培ったテレメーターの仕組みを歩行アシストにも取り入れていました。

技術者としての誇りを持ち続ける伊藤寿弘さん。心に刻む創業者の言葉があります。

本田技研工業株式会社の創業者、本田宗一郎は

我々は技術会社である限りは技術をもって人間に奉仕する。技術は人間のためにあるんだ。

子供用歩行アシスト

5月中旬、伊藤寿弘さん達、開発チームは子供用歩行アシストの実用化に向け動き出していました。

大人は歩けていた人が足が不自由になっているので、もう1回歩行を覚えさせる、再建する。「こういう感覚です」とリードすればいいが、小さい子は全く歩けなかった状況から訓練して歩けてきているので全く違う。

大人用歩行アシストは部品数が1,000以上、これらをただ単純に小さくするだけではダメだといいます。

誰もやったことがない、このミッション。もっと沢山のデータを集める必要があると伊藤寿弘さんは考えました。

6月下旬、伊藤寿弘さんが衛藤龍之介君の家を訪ねました。

継続的に利用した時のデータを取るため、歩行アシストを2週間貸し出し、毎日使ってもらうことにしたのです。

衛藤龍之介君は普段、歩行訓練のために杖を使って廊下を歩いています。

それ以外にも家の中で壁を使った横歩きの訓練もしています。しかし、左足の筋力が弱く途中でしゃがんでしまします。

歩行アシストを使って毎日訓練をすると果たしてどんな効果が現れるのか?

2週間後、伊藤寿弘さんが目にした光景とは?

すごいですね。

十勝リハビリテーションセンター

7月上旬、北海道帯広市。

本田技研工業株式会社の歩行アシストの開発者、伊藤寿弘さんの姿がありました。

この日やって来たのは十勝リハビリテーションセンター。

伊藤寿弘さんは子供用の開発を手掛けながら、大人用の営業活動もしています。

この日はセンターで働く、若手療法士が50人以上集まりました。

リハビリの現場を大きく変える可能性を秘めた製品に療法士たちも興味津々です。

歩行アシストを実際に付けて試してもらいます。

めっちゃ右足上がる。

タブレットで操作ができる便利さもうけました。

衝撃的だった。素早く付けられて、評価もできて、治療ができる。メリットかなと思う。

伊藤寿弘さん、子供用の開発を進めるためにも、まずは大人用を成功させないといけません。

衛藤龍之介君

7月中旬、京都市。

衛藤龍之介君が歩行アシストを使って2週間訓練した結果を確かめる日がやってきました。

衛藤龍之介君は毎日欠かさず歩行訓練を続けていました。

その効果は出ているのか?

伊藤寿弘さん、結果が気になります。

特に確かめたかったのが壁の横歩き。果たして・・・

以前はすぐにしゃがみこんでいたのですが、この日は歩き続けています。なんと一度もしゃがみこまずに壁の端まで行くことが出来ました。

訓練前と比べてみると左足がより動くようになり、歩くスピードも早くなっています。

この結果に伊藤寿弘さんは

すごいですね。ずっと左へ移動できていますね。姿勢も全然違いますね、2週間前と。

2週間前と今と何が違う?

足が出るようになった。

衛藤龍之介君も効果を実感したようです。衛藤龍之介君の努力もあり、子供用歩行アシストは実用化に向け、一歩前に踏み出しました。

後はどういう設定をするといいか、そういうところをしっかりと見極めて、もう少し幅広く勉強しないと一気に商品化まではいかないとは思うが、非常に役に立つのではないかという自信は持てた。

国際福祉健康産業展

名古屋で開催された福祉のイベント。

その会場で歩行アシストを体験する子供の姿がありました。

仕掛け人はもちろん伊藤寿弘さん。

技術は人に奉仕するためのもの、伊藤寿弘さんの挑戦は続きます。

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カテゴリー:ビジネス関連
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Comments

  1. 並里徳夫 より:

    私は60才です右半身が麻痺してしまい、自分が思うように動けないのが歯がゆ苦でいます、出来でば装具を着け歩きたいです、よろしくお願いします。

  2. ちの しょうぞう より:

    ガイヤの夜明けに出てきた、本田アシストとでは
    、腰と膝だけの補助で>膝関節以下をカバー出来ておりませんでした、

    サイバーダインの腰タイプに膝まで器具が伸びておるだけで、
    足全体をカバー出来ておりませんでした。
    腰と膝の補助具と見ました、ホンダ製品はまだまだ
    ダインに追いつかない。

    足の曲がった、子供さん可愛そうでした。
    サイバーダイン、医療用使えばモット確実に?どうなるかなとひやひやしながら見てました。

    日本経済新聞  記事,速報 > 企業 > 記事 2016/7/26 17:01

    サイバーダイン、米国法人設立 FDA承認にらみ
     筑波大学発のロボットベンチャーであるサイバーダインは26日、米国法人を8月に設立すると発表した。資本金は10万ドル(約1050万円)。米食品医薬品局(FDA)から自社製品が医療機器として承認されるのを見越し、米国における営業力を強化する。既に日本と欧州には拠点があり、世界的に事業を展開する体制が整う。
    登記上の米国本社はデラウェア州に置くが、実際はワシントン州シアトルで事業拠点をかまえる。
     サイバーダインの主力商品は体に装着するロボット「HAL」。例えば足を動かそうとする際に脳神経系から発する微弱な電気信号を捉え、関節の動きを助ける。

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