[WBS] 1滴の尿だけで「がん」を判別!簡単検査・・・大腸がんも乳がんも!

ワールドビジネスサテライト(WBS)

日本人の死亡原因の1位となっているがんに関する新しいニュース。

がんは早期発見が重要ですが、がん検診の受診率は思ったほど伸びていないのが実情です。

例えば肺がんの検診は男性が51.0%、女性は41.7%。

胃がんの検診は男性46.4%、女性35.6%。

大腸がんは男性44.5%、女性38.5%

ほとんどが50%以下に留まっていて特に女性の受診率が低い傾向があります。

40~60代のがん検診受診率(2016年)
肺がん 男性 51.0%
女性 41.7%
胃がん 男性 46.4%
女性 35.6%
大腸がん 男性 44.5%
女性 38.5%

一体なぜ、がん検診の受診率が低いのか街の方に聞いてみました。

内視鏡をしなければと思っている。特に大腸が気になる。仕事が忙しく面倒くさいのでなかなか行けない。

定期的には受けていない。そもそもどこでやっているか分からない。

その他、例えば内視鏡などバリウム検査など苦痛、負担が伴うのでイヤだという意見もありました。

こうした中、尿1滴でがんかとうかを判定できるという画期的な研究が進んでいます。

大企業、そしてベンチャーが挑む最前線を取材しました。

株式会社日立製作所

日立製作所研究開発グループ、坂入実さん、

世界中で次世代がん検査技術のいろいろな競争が行われている。その中でわれわれは尿中代謝物に着目して解析をしようと。

4月16日に日立製作所が発表したのが尿を使ったがん検査です。

検査に必要な尿はわずか1滴(50マイクロリットル)。

尿に含まれるアミノ酸代謝物などを解析し、乳がんや大腸がん、胆道がんなどのほか、一部の小児がんも見つけられる可能性が高いといいます。

尿は老廃物ということでさげすまれてきたが非常に有用な情報が含まれていることがわかってきた。

今月から半年間、大学と共同で実用に向けた実証実験を行います。

実験にはスマートフォンのアプリを活用。

尿の検体を採取して専用のアプリで撮影をします、そしてその検体をセンターに送ると簡単にがんの検査ができるというシステムです。

尿を採取したらスマホで撮影、これで時間と場所が記録されます。

さらに実際の尿を専用ボックスに入れて送ると解析結果がスマホに送られてきます。

「自宅にいながら結果が見られる?」

最終的なシステムはそういうことを想定している。

今回の実験では検査の精度や実際にかかるコストを確かめ、2020年代前半の実用化を目指します。

株式会社HIROTSUバイオサイエンス

一方、同じく尿を使ってまったく異なるアプローチでがんの有無を判定しようとするベンチャー企業。

いま研究を進めているのが線虫と呼ばれる体長1ミリほどの虫を使ったがん検査です。

広津崇亮CEOは、

線虫はがんのにおいが好きで寄っていくのが分かってきた。線虫ががん患者の尿に寄るのを指標にしがんかどうか見分ける

研究施設を訪ねました。

こちらでは線虫をシャーレの中で培養しています。

使うのは土の中に普通に生息していて人間には寄生せず害を及ばさない種類です。

研究開発本部の魚住隆行博士は、

線虫はにおいを感じるセンサーになる器官を人の3~4倍持っていてにおいを識別する能力が優れている。健康な人の尿は嫌いで逃げる。がん患者の尿に集まる習性。

試しにシャーレの端に検体となる尿を垂らし、真ん中に線虫を置きます。その状態のまま数分置いてみると・・・

健常者の尿は嫌いなにおいなので線虫は逃げていきます。

がん患者の尿は好みのにおいなのでどんどん尿の方へ近寄ってきました。

どの部位のがんかは特定できませんががんがあるかないかについて判定できるといいます。

「線虫の精度は?」

数百例の患者を調べ、約90%の確率で「健常」か「がん」を識別できる。

現在は臨床例を増やしている段階で2020年の実用化を目指しています。

線虫は容易に安価で培養できるため検査費用は全て含めても1回あたり数千円ほどに抑えられるといいます。

スーパー線虫

さらに最新の研究が進んでいました。

わずか1ミリほどの線虫の体内に遺伝子情報を組み替えたDNAを注入。特定のがんのにおいを嗅ぎ分けられるスーパー線虫を生み出そうというのです。

今、第一ターゲットはすい臓がん。すい臓がんは早期発見がほぼ不可能。見つかった時点で末期。線虫はすい臓がんに強く反応することが分かっている。すい臓がんを見分けるスーパー線虫ができれば尿だけで早期発見できる。