うさぎや
東京都渋谷区に連日予約で埋まる居酒屋「うさぎや」。
お客様の目当ては日本酒に合う魚料理。
ほとんどのお客様が注文するのがお刺身の盛り合わせ。
うさぎやで出されるお刺身の多くは今朝日本各地の港で捕れたものです。
千葉県産のスズキ、愛媛県産の真鯛、宮崎県産のカワハギなど朝一で揚がったものが提供されているのです。
星野智料理長はいいます。
朝一で揚がったものをその日のうちにお客様においしく食べてもらえるのが最高。
CSN地方創生ネットワーク株式会社
[blogcard url="http://www.chihousousei.co.jp/"]
羽田空港を訪れた江口洋介さんを迎えたのはCSN地方創生ネットワーク株式会社の野本良平社長。
案内したのは羽田鮮魚センターです。
空港内の施設として初めての鮮魚センター。着いた飛行機からすぐに鮮魚を降ろして仕分け・加工して届けるサービス。
ゴールデンウィーク真っ只中なので基本的に中央市場も地方市場も休み。ここだけは全国から魚が届いている。全国の漁師さんにお願いして船を出してもらって朝一番の飛行機で。基本的に飲食店に水揚げから24時間以内に届ける。
1つの産地から魚が届く産直はあったが、どうしてもその産地1ヶ所になってしまう。居酒屋も寿司屋もメニューがかたよる。全国の旬なものを1匹ずつ詰め合わせるのが特徴。
加工場では魚を2枚におろす機械も置かれています。おろした魚はスーパーなどに届けられます。
スーパーなどの店に午後3時までに届ける。空港内で加工しなければ時間的に絶対に無理。
羽田鮮魚センターを作った理由について
これしかないと思い、国やいろいろなところへかけ合って許可をもらった。
これからの展開について
全国の魚を一般の家庭にダイレクトに届けるモデルを準備中。
屋久島のトビウオ
世界自然遺産に登録されている鹿児島県の屋久島。
黒潮の流れの真っ只中にあります。
その沖合で最も穫れる魚がトビウオです。
本来は淡白な味ですが屋久島のトビウオは黒潮にもまれ適度な脂がのっているのが特徴です。
しかし日持ちがせずに流通先は限られていました。
田中実船長はトビウオの販路を拡大できないかと考えていました。
その田中実船長に会いに来たのがCSN地方創生ネットワーク株式会社の野本良平社長です。
全国各地の漁師とネットワークのある野本良平社長。
屋久島の田中実船長とも今回、タッグを組むことを決めました。
鹿児島の離島の魚をどんどん東京に運んで舞っている人がいっぱいいるから。屋久島の朝獲ったトビウオが今日の夜に食べられる。その日のうちに食べられるというのはありえない。何とか成功させたいのでよろしくお願いします。
朝獲れた屋久島のトビウオをその日のうちに東京で食べてもらうというのです。
野本良平社長は自ら作り上げた自慢のシステムを田中実船長に説明します。
CSN地方創生ネットワーク株式会社のシステム
漁師は売りたい魚の情報を入力し、いくらで売りたいかも自分で決めます。
それに対して買い手側もほしい魚の情報を入力します。
両者の条件が合えば商談成立。
CSN地方創生ネットワーク株式会社では売上の30%を受け取る代わりに輸送の手配などをすべて代行します。
屋久島の田中実船長も入力を開始します。
天然か養殖を選択し、魚の種類を打ち込みます。そして最低販売単価を入力します。
漁師自らが金額を決められるのがポイントです。
希望だけ高く入れても実際のところどうなのかな?
相場と離れているとお客様は付かないが1回使ってもらって「全然鮮度が違うね」と「しめ方が丁寧だね」となると、あとは値段じゃなくなる。
田中実船長がつけた価格は1尾250円、通常の3倍の価格です。
翌朝、注文を確認すると18万5,000円、750尾の注文が入っていました。
今まで売ったことのない値段を打ち込んだがうそのよう。
朝5時に出港し、2時間かけて漁場に向かいます。
野本良平社長も初めて朝穫れ魚のスピード配送に挑戦する田中実船長の漁に同行します。
魚の品質は8割船の上で決まる。漁師がどうやって獲って、どうやって処理しているか。どんなにいい氷を使ったり冷蔵庫や設備を使ってももとがダメだったらダメ。
以前、外食チェーンで日本各地の漁師と取引をしてきた野本良平社長。
鮮度にとことんこだわった新たなビジネスをしたいとCSN地方創生ネットワーク株式会社を設立しました。
トビウオは浅いところを泳いでいるため魚群探知機が使えません。
漁は人の目で確認して行います。
今日の夜、東京で食べてもらうためには網入れは一発勝負。
網入れして30分。1発で700尾を引き上げました。
しかもいいカタチです。
これでなんとかオーダーには応えられそう。大丈夫、良かった。
屋久島のトビウオは港から直接屋久島空港に運ばれ飛行機に積み込まれます。
市場での競りを通さないため積み込みまでの時間が大幅に短縮できます。
12時25分、朝獲れのトビウオが屋久島から飛び立ちました。
飛行機は鹿児島空港に到着して、16時5分に羽田空港に向けて出発し、17時45分に羽田空港に到着。
そして18時50分には羽田鮮魚センターに到着します。
10時間前まで屋久島で泳いでいたトビウオ。
鮮度は抜群です。
野本良平社長のこだわりで産地、漁の方法、船の名前、漁業者が書かれたシールが貼られてます。
トビウオが羽田鮮魚センターを出たのは19時10分。
がってん寿司
向かった先は都内の回転寿司店「がってん寿司新宿西落合店」。
[blogcard url="http://www.gatten.co.jp/gatten/"]
はるばる屋久島より届きました。本日水揚げされたトビウオです。
本日のスペシャルメニューの登場に店内が一気に盛り上がります。
そして次々に注文が入ります。
プロの目から見てもやはり違うようです。
「朝獲れ」だけあって素晴らしい。ヒレもみずみずしい。
1尾250円で仕入れたトビウオから6貫の寿司が握れます。
値段は1貫150円。十分採算がとれます。
お客様の反応は
東京にいて屋久島の朝獲った魚を今晩食べられるのは素晴らしい。
野本良平社長が考えた漁業者もお店もお客様も喜ぶ新たな仕組みが広がりを見せています。
毛ガニ
北海道紋別市のオホーツク海に野本良平社長の姿がありました。
野本良平社長は1年のうち100日は船の上、日本のどこかで漁に立ち会っています。
この日の獲物は「毛ガニ」。
紋別の毛ガニは流氷が溶けた春先から夏頃までが旬です。
野本良平社長は穫れる毛ガニの中でもあるものに目をつけていました。
漁師が太鼓判を押すのは大ぶりの毛ガニ。
しかも価格は小さいものより割安です。
1キロだと毛ガニの数は大は1杯、小・中は2杯。1杯より2杯の方が体制がいい。もらった人も喜ぶ。
毛ガニは同じ1キロでも数が多くなる中小のサイズのほうが好まれるため、大きなものは安くなるといいます。
大きいものは全体の収穫量の約1割。
野本良平社長は大きなものを全て入手しました。
CSN地方創生ネットワーク株式会社紋別支店
紋別支店には自前の生簀がいくつも備わっています。
海底にいた毛ガニはここで一晩付けることで味がよりよくなるそうです。
野本良平社長は紋別で朝ゆでた毛ガニを当日、東京の個人宅に届けるサービスを検討していました。
個人で取り寄せる毛ガニは流通の問題で冷凍モノが大半です。
野本良平社長はそれを変えようとしていたのです。
ネットで人気の冷凍の毛ガニと比べると身がびっしりと詰まっていて、ミソもたっぷり入っていて食べごたえがありそうです。
冷凍モノは臭いが出ているのと味が抜けている。
朝茹でた毛ガニをその日のうちに東京の個人宅に運びたい。
注文は専用のホームページで受け付けます。
約1キロの毛ガニを1杯、1万3,824円で販売します。
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4月29日、個人向け販売のテスト販売の日です。
個人のお客様から合計12杯の注文がありました。
家庭の鍋で自分で茹でるのは非常に難しい。個人向けに毛ガニを販売するにあたって、こちらで茹でて美味しい状態にして送ったほうがいいと思った。
当日配送の鍵となるのが紋別のカニ業界で知らない人はいないというカニ茹での名人、荒幸雄さんです。
去年、野本良平社長自らヘッドハンティングして社員になりました。
荒幸雄さんは今日出荷する毛ガニの状態を確認します。
すると沸騰したお湯に塩を加え始めます。
大きさや身入りで微妙に塩加減が違う。ミソも微妙な塩加減で味が変わる。
塩加減と湯で時間は毎回変えるそうです。カニの大きさや身の詰まり具合から見定める名人の技です。
このカニを食べてもらえればリピーターになってもらえる確信があるので、とにかく1回食べてもらいたい。
野本良平社長は自信を持ってプロの味を家庭の食卓に送り出します。
13時25分、毛ガニをのせた飛行機がオホーツク紋別空港を飛び立ちます。
記念すべき初日、野本良平社長は東京のオフィスに毛ガニを運びます。
社内でお祝いの毛ガニです。
毛ガニの個人向け宅配は始まったばかり、野本良平社長はこれからも鮮度を追求した新しいサービスを生み出していきたいと言います。
今は産地で水揚げされてから最終的にお客様の口に入るまでいくつもの業者の手を渡って流れてくる。水揚げした漁師さんが自分で売ることができれば漁師さんの手取りも上がる。それから最終的に新鮮でいいものが安く手に入る。これを進めていきたい。
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