株式会社ジーユー
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今回のがっちりマンデー!!は「GU」。
「GU」はユニクロを運営する会社が新しく作ったもうひとつのアパレルブランド。
お店を覗いてみると平日だというのにお客様で溢れています。
2015年に発売したガウチョパンツは販売数300万本以上のバカ売れ!
店舗数は374店舗、ユニクロよりもさらに安いファストファッションを販売して年間売上げは約1,900億円。
その成長速度はなんとユニクロ以上。
今回はGUの儲かるヒミツを徹底取材します。
ユニクロとちょい違うセルフレジ?
ユニクロから生まれたけど全く違うやり方でがっちり儲かっているGU。
そのヒミツを探るべくやって来たのはファッションの街、銀座のGU銀座店。
平日の昼間だっていうのにお客様でいっぱい。どうして?
女性が多くて、意外と幅広い年代の方々がいらっしゃっています。
販売しているのは花柄のブラウス「フラワープリントネックフリルブラウス(長袖)(1,990円)」、ニットセーター「ワイドスリープボクシーセーター(7分袖)(990円)」。
お客様は、
とても安くていっぱい買っちゃいます。
GUの特徴(1) 値段の安さ
GUの大きな特徴の1つがなんといってもそのお値段の安さ!
例えばユニクロでは女性用のスキニージーンズ「ウルトラストレッチジーンズ」が3,990円、一方GUのジーンズ「GUスキニージーンズ」は半額以下の1,490円。たしかに安い。
GUの特徴(2) 品揃え
さらにもう1つの特徴がその品揃えの中身。
GUはトレンド先取ってる感じ。
最近の流行りを固めたみたいな。
広報部の木村真依さんにもユニクロとの違いを聞いてみると、
ユニクロでは高品質・高機能でベーシックファッションを中心に展開。GUではトレンドを踏まえたファッションアイテムを提供。
コートにカジュアルパンツ、Tシャツにセーターにと奇をてらわないベーシックなアイテムが豊富なユニクロに比べてGUは最新トレンド重視。花柄の刺繍をあしらったセーター「フェザーヤーンエンブロイダリーセーター(長袖)(2,490円)」や大人女子を演出するレースのスカート「レースマキシスカート(1,990円)」と流行りの商品がちょこちょこ置いてあります。
でも、この品揃えにこそ安さの一因がありました。
ユニクロは高品質の商品をどっさりと並べ品切れしないようにたくさん在庫をしているのでコストが結構掛かります。
一方、GUはトレンドアイテムを短期間で売り切っていくからコストの節約につながるのです。
セルフレジ
さらにお店での売り方にも、
GUでは徹底的にコストを削減できるような作業効率をアップする仕組みがたくさんあります。
ユニクロの場合、キレイに畳んで棚に並べられている商品が多いですが、GUを見てみると圧倒的にハンガー掛けが多い。これは畳む手間を省くため。
さらに国内店舗の約半分にあたる175店舗にセルフレジを導入しています。お客様が商品をレジ下のボックスに入れて扉を閉めれば、自動で値段が表示され、お金を入れれば精算が完了。
店員さんの手間も省け、お客様が支払いにかかる時間は3分の1になりました。
テレビ初潜入!商品開発は作る数が難問!
こうして流行のファッションをとにかくたくさん、しかも安く売っているGUですが、どうやってこの先の流行を掴んで商品にしているのか気になります。
まさに最大の企業秘密ともいえるポイントをちょこっとだけならいいよと東京は六本木、ミッドタウンタワーにある本社へテレビ初潜入!
商品開発の極秘現場とは?
テレビ会議
いきなり張り詰めた雰囲気。
ロンドンのコレクションを先に見せてください。
ロンドンの最優先アイテムは○○です。ファブリケーション(生地)は3種類です。
英語でテレビ会議が行われています。
商品本部R&D部、矢次寿一部長、
来年の春夏用の意見交換をしています。ロンドンのトレンドを見ながら東京で見えているトレンドと何が違うのかを確認しています。
「そこにある資料とかに来年、何が流行るか書いてある?」
流行ればいいなというものが書いてあります。
「それは撮っちゃダメなんですか?」
ダメです。すいません。厳秘です。
GUが次に何を作るか決めるために大きな役割を担うのがこのロンドンとのテレビ会議。現地にスタッフを派遣し、ヨーロッパにおける今の流行や来年に何が流行るかをオールラウンドでリサーチ。トレンドのチェックに余念がありません。
しかも、
会議は大小含めるとものすごい数があると思うんですけど…。
「いっぱいあるんですか?」
いっぱいあります。
たくさん商品を作るから会議の数もメチャクチャ多い。
試作品
少人数で打ち合わせを重ねながら多くのデザインを考えるため春夏、秋冬シーズンそれぞれゆうに100回を超える会議を重ね商品のアイデアが決まり、デザインが固まったら試作品作りに移ります。
これももちろん相当の数になります。
9.5だとストレッチがキツいですよね。10が良いかな…。
どんなにデザインがおしゃれでも日本人が着にくかったら意味がありません。
何度も試着をしながら海外のデザインを日本人に合わせていきます。
そしてこれが「刺繍位置0.5cmずつ中心へ」「袖口幅-2cm」など、とにかく細かい部分まで手直しします。気が遠くなりそうな理想な作業です。
この日はなんと100着の試作品をフィッティング。これはモデルさんも大変です。
各色検討会
こうして商品開発を進めるGUには最後に超重要会議が控えています。
100人以上が一堂に会する会場には各部署の責任者はもちろん、GUの役員も顔を揃えています。
そして柚木治社長が颯爽と登場。何が始まるのか?
本日は18年、夏の各色検討会になります。
かくしょくけんとうかい?
売っていきたいスカートの一番メインになります。○○スカートです。こちら集約で○○点で…。
この各色検討会、各アイテムの責任者が次のシーズンにこんな商品を、これくらいの数作りたいと訴えるプレゼンの場。
社長及び役員たちが承認すれば晴れてラインナップに決まるGUで最も重要な会議です。
今年、売り込んでいきたいのは○○スカートに代表されるような…。
スカートの中でもそれが中心になるの?
はい、これが一番だという風に考えております。
どれくらい作ってるの?
今○○点を計画しています。
柚木社長自らいきなり質問攻め!
じゃあ、その売れる理由は?
17年から市場のスカートがかなり拡大してきて、日本では18年がピークになっていくかなと考えています。
トレンドなのはわかったけど、逆にその数量で足りるのかな?
GUの商品開発で最も慎重に話し合われるのが作る数。トレンド商品を作る会社なので流行っている間は飛ぶように売れるけど、ブームが去ったら急激に売れ行きが落ち込んでしまう。
なので作りすぎると一気に大量の在庫を抱えてしまうという諸刃の剣との戦いなのです。
需要と供給が限りなくイコールになるようにというところが非常に難しいのですが極めて大事なこと。
GUにとっては作り過ぎず、ぴったり売り切るのがベスト!難しいさじ加減をトップを含めた全員で話し合います。
この各色検討会、あまりにたくさんの案件を扱うので1日ではまず終わらないとか…。これは柚木社長も気合いが入ります。
最新すぎるから活躍!おしゃリスタ!
最新のトレンド商品をたくさんGUの最前線にはこんな方も。
おしゃリスタです。
いま何をおっしゃりました?
銀座店おしゃリスタ、坪谷晴美さん、
お客様にあったコーデイネートを提案するスタッフです。
次々と新しい商品が飛び出すGU。クラッシュベロアプリーツスカート(1,990円)やループヤーンコンパクトカーディガン(2,990円)などパッと見ただけではよく分からない、どう組み合わせればいいの?っていうアイテムが後を絶たない。
その辺をちゃんと教えてくれて、コーディネートまで手伝いましょうかというのがおしゃリスタさんなのです。
ではお手前拝見!
新人AD、初々しい大野ちゃんのコーディネートをお願いします。
「自分だと黒ばかり買ってしまうので、流行を取り入れたコーディネートをしていただきたい。」
プライベートではほとんど黒しか着ない大野ちゃん。
「これって…どうやってかぶるんですか?」
これはですね…。
そして10分後。黒一色の地味な装いがあら不思議、今っぽい雰囲気を醸し出した。ベレーハット(1,490円)、エンブロイスリープセンター(1,990円)、ベロアワイドパンツ(1,990円)、ベロアサボサンダル(2,490円)で合計7,960円。
坪谷さん、恐れ入りました。
社長のお仕事密着!店ではお客様を見る!
年間売上げ約1,900億円のGU。続いては社長さんのお仕事ぶりを拝見させて頂くことに。
緊張ガチガチで本社ビルに。
「めっちゃ広い!」
3,300平米、1,000坪のオフィスはドーンとワンフロア!
他の部署ともすぐに話せるように間仕切りのない作りになっています。
グローバルEC事業部の児玉亮二さん、
ミーティングとかもパパっとできるのですごくいいです。
「結構、偉い人もこのフロアにいるんですか?」
います。います。
「そうなんですか?」
はい。
「誰がいるんですか?」
社長があそこに座っています。
一番偉い人がいました。しかしデスクの大きさも場所も社長というよりも失礼ながら部長さんクラス?
「テーブル、物とかあまりないんですね。」
そうですね。あんまりものがあるとごちゃごちゃするので。すっきり考えたいなっていう。
引き出しに色々資料が…。
「引き出しにお菓子が…。」
カロリーですね。チョコレート大好きなので。音がなるので気をつけて食べるんですよ。
OLさんがマネをしても知らないっと!
でも、社長室ではなくここにいると社員さんが遠慮なくドンドンやってきます。
ご相談というか。見ていただきたいものがありまして、
新たに広告に起用するモデルさんについて相談に来たマーケティング部の多田さん。
これ、いつスタートしたやつだっけ?
9月です。
スタートしたばっかりのやつね。
この人、まだ新進気鋭の女優なんですけども、この子はパジャマのプロモーションに出てもらった子だったりとか。
じっくりと聞き役に回っています。
この自分が話すより、まず聞き役に徹するのが柚木社長のスタイルらしい。
実は社長、かつては世界各地の油田などを飛び回る商社マンでした。つまりファッションのプロではありません。
だったら「オシャレなみんなの意見をまず聞こう」と色んな人からまず情報を集めて、それを元に考える作戦を思いついたです。
本日のコーディネートは?
全部GUです。、こうやって朝、カミさんに「どう?似合っている?」って見てもらうんですよ。
これオンエアされたらまずいんですけど顔を隠すんですよね、カミさんが。僕の顔を隠してこう…
顔見るとおっさんなので顔を隠してチェックしてくれる。
しっかり奥さんの意見も聞いています。
現場視察
午後は外出するという柚木社長。やって来たのは新宿駅。
「どこ行くんですか?」
GUのお店。1人ですね、ぷらっと。
現場視察はお店に連絡することなくプラっと足を運ぶっていうスタイル。
「ZARAとか近くにありますね。」
勉強になります。
「ライバルなんですか?」
ライバルっていうか先生みたいな。
そして本当に新宿のGU「ビックロ新宿東口店」に入っていきました。
すると何やら通路をウロウロ。立ち止まっては何かを見てはうなずきます。正直、かなり怪しいですよ。
「何をしてるんですか?」
オシャレなお客様が集まっている場所があるので、そのへんに鉱脈がある可能性が。
キョロキョロとチェックしているのは商品レイアウトではなく、スタッフの仕事ぶりでもなく、お客様の集まっている場所。オシャレな人達がいま気になっているアイテムは何か、どんな表情で選んでいるのか、マンウォッチングを通して売上データだけでは分からない、現場の温度をじっくりと感じているのです。
本社で考えていることと現場で起こってることって結構違うので、どんどん軌道修正していく。
そして、おもむろに、
売れてるのってどのあたりですか?
最近出た990ニットもそうなんですけど、今週の頭に出たカーディガン類がすごく売れていて。
どれが好きですか?
私は黒が一番好きです。
そして、今度は別の売り場に引っ張っていって、
どれが好きですか?
この赤の色が…。
トレンドじゃん!
トレンドのカラーが一番好きです。
どこに行っても「あなたの好きな色は?」とさり気なく尋ねる柚木社長。どうして?
好きな色っていうのは一番真実の姿を現してるし、お客様の生の声と一緒だもんね?
その人がどれがかわいいと思ってるとか「どれが好き?」「なんでなんで?」「高くない?」とかそういうことを。
どれが「良い?」「悪い?」だと社長を前にかしこまって正しいことを言おうとする社員も「好きか?」「嫌いか?」と聞かれるとつい本音が出てきます。なるほど、やっぱり聞き上手ですね。
こうやって週に1度は店にフラッと立ち寄り、勉強と自然なリサーチを繰り返している柚木社長。