ヨーロッパで本格的に食品の廃棄を減らす取り組みが始まりました。
フランスでは2016年2月にスーパーなどで売れ残った商品を廃棄することが法律で禁止されました。
慈善団体への寄付が義務化されたのです。
法律に違反すると日本円で約50万円の罰金が課されます。
このような法律は世界初です。
フードバンク
スーパーの店内で売れ残った商品を集めるのはフードバンクのボランティアです。
フードバンクでは貧しい方々に無償で食料を配っています。
朝9時にはスーパーに食品を取りに行く。主に野菜や果実だ。
各地のスーパーから集められた食品は大きな倉庫に集められます。
そこから生活困窮者などに配られます。
フランスでは約200万人がフードバンクを利用しています。
新たな法律が商品廃棄防止の活動を活発化させています。
パリ・フィードバンクのアニー・ヌヴゥー副代表は言います。
パリ市内だけでもスーパーの数はとても多く、私たちが人々に配る食品に困ることはなくなった。
商品廃棄
国連食糧農業機関(FAO)によると世界の食料生産の3分の1が使用されず廃棄されています。
ヨーロッパではイタリア議会でも食料廃棄を禁止する法案を審議しています。
オランダではスーパー独自の取り組みが始まっています。
オランダ東部のウィンターウェイクのスーパー「Bruggers & Langen」では消費期限が迫った食材を使用して料理を作り販売しています。
野菜を入れて今からチキンシチューを作る。毎日何を作るかは食材を集めてから決める。
加熱するなど調理をすることで消費期限を数日伸ばすことができます。
作られたお弁当は1日に150食も販売される人気商品となっています。
廃棄直前の食材が使われていることに抵抗感がないのかお客様に聞いてみると
気になりません。ゴミを減らすいいアイデアだと思います。
味も美味しいし、加工食品よりずっといい。
オランダの倹約家で無駄を嫌う国民性が廃棄直前の食材で作った料理を受け入れやすくしています。
廃棄直前のお弁当を販売することで、このスーパーでは年間1,200万円相当の廃棄食品を削減しています。
さらにスタッフの人件費などの経費も回収できているそうです。
今後は他の店舗でも同様の取り組みを行っていくそうです。
私たちスーパーだけでなく食品業界は食品の有効活用についてもっと考えるべきです。人々も食品に対する見方を変える必要がある。