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[WBS] 人気ステーキチェーンの水道代が年3,000万円も節約できるノズル!?

2017年12月11日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

水道から玉のような形をした水が出ています。

このような状態で水が出ていると洗い物をする時に水を節約できて、しかも洗浄力がアップするといいます。

この水を作り出しているのが特殊なノズルです。

一体、このノズルはどんな仕組みになっているのでしょうか?

株式会社ペッパーフードサービス

[blogcard url="http://www.pepper-fs.co.jp/"]

東京・新宿。

行列の先にあったのは大手ステーキチェーンの「いきなりステーキ」。

こちらがサーロインステーキです。

本格的な肉厚のステーキ「リブロースステーキ」が300gで2,070円と手頃な価格で味わえることが人気となっています。

いきなりステーキの特徴は立ち食いというスタイル。

お客様の回転率を上げることで価格を抑えても利益が出るという仕組みです。

この店は30人も入ると一杯なのに1日400人以上が訪れています。

そのため、食べ終わった鉄板が次々に洗い場に運ばれてきます。この油汚れを水道水で1つ1つキレイに洗い流さないといけません。

そこである新兵器が…。

特殊なノズルが水道の蛇口に取り付けられます。

ペッパーフードサービスの営業企画本部長の川野秀樹さんは、

これを付けるだけ。水道の量が抑えられて水道代はかからない。

節水ノズル

実はこれは水を節約できるというノズル「節水ノズル」。水が4つに分かれて珠の形になって出てきます。

通常の蛇口に比べ、どれくらい節水できるのか?

同時にビーカーに水を入れてみると…。

通常の蛇口では5秒間で1リットル以上の水が入ったのに対して、節水ノズルでは200ミリリットルにも満たらなかった。

つまりこれだけ水道の水を節約できるということです。

さらに洗浄力も比べてみました。

水の量が少ないのにもかかわらず、どんどん汚れが落ちていきます。

その秘密は玉のような形の水にあるといいます。

通常の蛇口から出る水は汚れた部分に当たるのはごく一部で、その多くはただ単に流れ落ちて無駄になっています。

それに対し珠の形の水はそれぞれが汚れにあたって洗い流すことができます。そのため少ない水の量でも高い洗浄力が発揮できるといいます。

この節水ノズルはすでにいきなりステーキの洗い場で使われていて、油汚れを洗い落とすのに役にたっていました。

では1店舗でどれくらいの水道代が節約できているのか?

水道代は1店舗当たり2万円から3万円下がっています。これは1年で全店舗合わせて3,000万円くらいになる。びっくりですよ。節水ノズルを付けたら毎月、毎年、利益が出る。コストが削減される、こんないいものは無いです。

こうした効果からいきなりステーキでは177店舗全店でこの節水ノズルを採用し始めました。

ほかに「富士そば」や「串かつ田中」といった大手外食チェーンにも導入されているといいます。

株式会社DG TAKANO

[blogcard url="http://www.dgtakano.co.jp/"]

モノ作りの街、東大阪。

節水ノズルを生み出した会社「DGタカノ」。

金属部品の加工を得意としている町工場です。

節水ノズルを開発したのは社長の高野雅彰さん(39歳)。

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流体をちぎる技術なんです。そういう構造を作った。

節水ノズルの仕組みは、上から水が流れてくると内部の気圧の変化によって真ん中の穴から空気が取り込まれ、その空気と水が混ざる時、水は分断され珠の形になって流れ出るという仕組みです。

最大95%の節水につながるといいます。

この水が玉になる現象を「脈動流」といい、穴の大きさなどが100分の1ミリでもずれたら起こらない現象だといいます。

この小さなノズルひとつで脈動流を起こす仕組みなど7つの特許を取得しているといいます。

大阪の町工場の高い技術で生み出された「バブル90」というノズル。

価格は2万5,000円~3万円と高額ですが15万個を売るヒット商品になっていました。

株式会社マナ

[blogcard url="http://www.e-manna.co.jp/"]

そのバブル90に新たな依頼が入りました。

高野社長が自らやって来たのは京都にある食品工場。

マナの生産部課長、日下部豊さんは、

ちょっとでも節水ができて、食品会社なので汚れをよりよく落とせたら。

この工場では飲食店で使われるソースなどを生産しています。

そのため最も大変なのがソースを製造する釜の洗浄。毎回違うソースを作るため洗浄をしっかりと行わないと異物混入などの問題につながってしまう可能性があるといいます。

普段はどういう風に洗浄されているんですか?

通常はお湯を使って汚れを洗い流しているといいますが、壁にくっついた汚れはなかなか落ちません。

30分程度、お湯を流しっぱなしで洗浄して多い日には1日40トンもの水を使うといいます。

そこで高野社長が取り出したのが最新の商品。

ホースの先端につけるノズルを開発した。

あの「バブル90」の技術を応用したホース用節水ノズルです。

水がこのノズルを通ると脈動流が起きて節水が出来つつ、洗浄力も上がるといいます。

早速試してもらうと…。

そこまで水の量が出ている感覚が無くて、でも汚れは落ちています。

大体これで50%~70%の節水が出来ている。

効果は上々のようです。

この工場での導入も決まりました。

ゆくゆくは洗浄で使われているシーン。そういったところ全てにバブル90の技術が入った製品を世に出していきたいです。

高野社長、この節水ノズルの技術を活かして今後は一般家庭向けのシャワーノズルを世に送り出したいと考えています。

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