[WBS] 9日間連続の株価上昇・・・でも「景気拡大」の実感は?

ワールドビジネスサテライト(WBS)

10月13日の日経平均株価の終値は前日より200円高い2万1,155円と大幅に上昇しました。

この株価の上昇は9日連続と今年最長になっていて約800円も値上がりをしています。

実はこの高値、いつ以来かというと2万1,345円をつけた1996年11月27日以来、20年11ヶ月ぶりの高水準となっています。

このように株価で見てみると日本経済は回復基調が続いているように見えますが、一方で消費者はそこまで景気の拡大を実感していないのでが実情です。

その原因は一体何なのでしょうか?

大和証券株式会社

証券会社「大和証券」のコールセンター。

9日連続の株価上昇となる中、個人投資家の動きは?

古河電気6,710円の20円高です。

ドル円は112円10銭付近で小動き。

相次いだのは相場に関する問い合わせ。ただ、売買の注文はあまり増えていないといいます。

大和証券東京コンタクトセンター部、中澤英司副部長は、

21年ぶりの高値だからたくさん電話が来ると思い備えたがそんなに増えていない。投資家は落ち着いて今を見ていると感じる。

東京証券取引所が10月13日に発表した調査を見ると株価を押し上げた主役は海外の投資家。9月の3週目までは日本株を売り越していましたが先週は今年最大となる6,575億円の買い越しだったのです。

街の声

実際に景気は良くなっているのか、街で聞いてみました。

製造業の男性は、

今日は会社の100周年のパーティーがホテルであるので割りと景気いい。

一方で、

日経平均が上がっているというのと自分の実感はあまり一致していない。

景気はよくないと思います。売上がどんどん減っている。お客様も廃業しているところが多い。

合同会社西友

実際に消費の現場「西友 赤羽店」は、

「この秋、安さ更新中」とあります。西友は値下げをさらに強化したということです。

西友では8月と9月に相次いで値下げを実施。商品や日用品など合わせて844品目に及びます。

なかでも売れ筋は食品本部グロサリー部、長田勝之さんによると

キャノーラ油を195円にした。価格を変える前に比べたら30倍、数量が伸びている。

元々218円だった食用油「昭和『キャノーラサラダ油 1000g』」を23円値下げして195円にしたところ、なんと30倍も売れたといいます。

さらに「エスビー食品『濃いシチュー』」も値下げ後に販売数が30倍に。

「安いほうが売れる?」

ただ安いだけでは売れないが、メーカーのしっかりした商品で価格が安い、コストパフォマンスがいいものが売れている。

そして先月末の値下げではプライベートブランドも対象に。


「どのくらい売り上げが変わったのか?」

点数で15%~20%増。170円が158円になって販売数が15%増えた。

西友は商品価格を抑えるため光熱費などのコストを削減。例えば漬物などを陳列する冷蔵ケースを扉付きにしたことで全店の光熱費を36%削減できたといいます。

「足元の景気をどう捉えていますか?」

まだ株価に反映されるような「景気が良い」とはなっていないと思う。お客様のマインドとしては不景気感というか、お金を節約したい気持ちが強いと感じている。

ビー・エム・ダブリュー株式会社

一方、3年連続で販売台数が伸びている輸入車業界は?

BMWでは自動で駐車ができるリモートパーキング機能や豪華な内装など上位モデルが人気ですが、このところある変化があります。

ビー・エム・ダブリュー東京の赤堀陽佑さんは、

これが日本で販売台数が1位の3シリーズ。

3シリーズは419万円から買える中型車。実は日本で最も売れているのはブランドの顔である5シリーズではなく、この3シリーズだといいます。

BMWの上半期の販売台数を見ても2位が2シリーズ、3位が1シリーズと低価格でコンパクトな車が人気です。

こうした低価格帯のモデルが日本車からの買い替えの際に多く選ばれているのです。

店舗を訪れたお客様に話を聞くと、

いま2シリーズに乗っていて乗り換えを考えている。X1とか1シリーズに。今のと同じくらいの価格帯という感じで。

同じBMWで買い換えるお客様もグレードを上げるのではなく、手頃な価格帯の車を選ぶことが多いといいます。

「大きな車に買い換えることを望んでいる?」

BMW日本法人のクロン・シュナーブル社長は、

もちろん大きな車への買い替えを望んでいるし、歓迎している。お客様に合わせたパーフェクトな車、お客様の予想を超える車を売っていく。

輸入車の好調ぶりも実はこうした手頃な価格の車が牽引していました。

株式会社ニッセイ基礎研究所

この実感のわかない景気拡大について専門家は?

ニッセイ基礎研究所のチーフエコノミスト、矢嶋康次氏は、

国民にとって実感という意味では賃金だと思う。いざなぎ景気では物価の変動を除いた実質GDPの年平均あたりの伸び率とか1人あたりの名目賃金は2桁伸びていた。2桁から比べると今の1桁もおぼつかない状況は国民からしてみると懐具合がいつになっても温かくならない。

実際に賃金がどれだけ上がったのかを過去の好景気と比べてみると、約50年前のいざなぎ景気の時は15.4%、バブル景気の時は3.5%上がっていました。しかし今回はわずか0.3%。いざなぎ景気には遠く及ばない数字となっています。

リーマンショックの時の底が非常に深かったので、今回はゆっくりゆっくり経済成長が続いたのが一つの大きな要因。