[ガイアの夜明け] 金融維新!さらば銀行!?(2)

金融維新!さらば銀行!?

個人投資家の下山さん(仮名・52歳)。

2017年12月、投資先から嬉しい知らせが届きました。

10万円の投資が11万1,570円。差し引き1万1,570円プラスで返ってきた。

10万円を投資したのは2017年5月、なんとわずか7ヶ月で1万円以上の利益を手にすることができました。

10万円なんて銀行に預けていたら1年たっても100円も増えない。それに比べたらかなりありがたい。

下山さんが投資したのは東ヨーロッパの金融業者を支援するファンド「東欧金融事業者支援ファンド15号」。

募集時の期待利回りは年10.4%。

運用中の円安で最終的な利回りは年23.1%に跳ね上がりました。

低金利時代に目を疑うような利回り。

投資ファンドを運用しているのはクラウドクレジットという会社です。

クラウドクレジット株式会社

東京・茅場町のオフィスビル。

その一室に本社を構えるクラウドクレジット。2013年創業のベンチャー企業でした。

カメルーンがだいぶ売れている。4,200万円集まっていて。

アフリカ地域でデューデリ(リスク審査)に進めそうな相手を探している。

この会社が運用している投資ファンドは約240本。ほとんどが新興国向けです。

アフリカのカメルーンに投資するファンド「カメルーン中小企業支援プロジェクト6号」です。期待利回りは年13.5%。

ヨーロッパのリトアニアの「リトアニア個人向けローンファンド2号」は年12.9%。

期待利回りは保証されたものではなく元本割れのリスクもあります。

高い利回りのヒミツ

会社を率いる社長の杉山智行さん(34歳)。

高い利回りのヒミツを聞きました。

高い成長をしている国で企業も高い成長をしている人に貸し付けることで金利という形で成長のおすそ分けを頂く。金利が高いとその分リスクもある。ハイリスク・ハイリターンの貸付先。

例えばカメルーンの経済成長率は年4.5%。

しかし金融機関は資本が少なく小さい企業までお金が回りにくいといいます。

そこでクラウドクレジットは現地の零細企業や農家に融資するファンドを作り、日本の投資家からお金を集めました。

その額は約10億円。

その活動は現地のテレビ局にも取り上げられました。

クラウドクレジットは日本以外の国で銀行に見向きもされない人々に融資する。

世界ではより多くのお金が届くと追加の活動ができる。それが成長国。そこにお金を届けることを投資方針にしている。

クラウドクレジットの仕組み

クラウドクレジットの仕組みは、投資家はホームページで募集しているファンドに対し1口1万円から投資ができます。

一定の金額が集まったところで現地の融資先に貸し付けます。

約束通り利息がついて返済されると投資したお金が増えて戻ってきます。

事業が順調なら資金の貸し手も借り手も喜ぶ仕組みです。

社員は総勢37人。

その多くがメガバンクや外資系金融機関からの転職組です。

元みずほ銀行の男性(34歳)は、

自分が思い描いていた金融をこの組織なら実現できる。

元英・バークレイズ銀行の男性(47歳)は、

新しい商品を作って、世に売り出される面白さを感じる。

金融のプロ集団が世界でも珍しい投資ファンドを作っていたのです。

杉山智行社長

2017年11月20日。

行きましたね、皆さん、50億円いきました。

この日、クラウドクレジットに集まったお金が50億円を突破しました。

まだまだ通過点。5,000億円、5兆円にならないと意味のない事業モデルなので。

社長の杉山さんは東京大学法学部を卒業後、大和証券SMBCに入社。

その後、イギリス4大銀行の一つ、ロイズ銀行に2008年に転職し、約3,600億円もの資金を運用していました。

しかし8年で大手金融機関での仕事に見切りをつけたのです。

仕事を終えた杉山さん、住まいは都内にあるワンルームマンション。

独身です。

「このキッチンを使ってくれる彼女は?」

彼女はいない。

「大きい家に住まないんですか?」

大きい家に住むお金がない。生きていけるお金があればいい。

「銀行時代に比べて収入は?」

3分の1くらい。

夕食は近所のお店で買ったお弁当。

創業から2年3ヶ月、役員報酬をゼロにしたため貯金もほとんどないといいます。

その質素な生活の裏には熱い情熱が・・・

世界ではお金がたまっているというよりお金が足りない。日本というお金が余っている稀有な国にせっかくいるので、それをつなげると面白いのにやらないと一生後悔する。体力がついてきたのでチャレンジしたい。

エリート銀行マン時代にはやりたくてもできなかった仕事。

杉山さん、新たなチャレンジをしようとしていました。

ペルー

杉山さんが目指したのは日本から飛行機で約20時間、南米ペルー。

人口3,000万人以上、ペルーは新興国の中でも高い成長率が見込まれています。

2018年の経済成長率
4.2%(見通し)

北部の都市、トルヒーヨ。そこに杉山さんの姿がありました。

この街を舞台に新たなファンドを作ろうというのです。

やって来たのは地域最大のマーケット「ラ・エルメリンダ市場」。約2,500もの店が軒を連ねています。

食料品から雑貨まで何でも揃う庶民の台所。

店のほとんどが個人経営です。

今回、杉山さんがパートーナーに選んだのがルイスさん(28歳)が勤めるノンバンク。市場の店に資金を融通しています。

審査も、回収も、コンサルティングもやる。

資金の貸付と回収、杉山さんはその現場を確認しに来たのです。

ルイスさんが向かったのはこの日、返済う受ける予定の生花店。バラを1本70円で販売をして年収は約44万円。

店の運転資金として約10万円を借りていました。

この日の返済は4,300円。年108%という高い利率です。

どうやって借金を膨らませないようにしているのですか?

私たちは借りている人から1日の売り上げをいつも聞いています。商売のための経費もしっかり調べます。

それだけでなく、その人の生活費も確認します。全てを把握することが大切だからです。

ペルーでは融資の金利に上限はありません。少額で短期間なら高い金利でもお金を借りたい人がたくさんいるのです。

この地域の平均年収は約50万円。

ルイスさんは銀行からお金を借りられない人に貸し付けていました。

いや全然、俺はちゃんと返しているよ。

破産しないですか?

そんなことないよ。

南米経済の優等生といわれるペルー、杉山さんは手応えを感じていました。

今回のファンドは日本で集めたお金をペルーのノンバンクに融資、おカネを借りた市場の人達はそれを元手に事業を拡大。

金利が付いて増えた資金が日本の投資家に戻る仕組みです。

日本とこうした地域を結んで、より豊かにしていくお金の流れを作れる土台がクラウドクレジットにはある。チャレンジしたい。

お金のある国から貧しくとも資金を必要とする地域の人々へ。

かつてない投資ファンド。

果たして実現するのか?

ペルーマイクロファイナンス支援ファンド

金融ベンチャー、クラウドクレジットの社長、杉山智行さん。

ペルーで銀行の融資が受けられない人達に向けた投資ファンドを作ろうとしていました。

1月10日、東京・茅場町。

杉山さんの帰国から2ヶ月後、ペルーのファンド「ペルーマイクロファイナンス支援ファンド」が売り出されました。

気になる期待利回りは年2.5%、かなり低い数字ですが、

歴代で一番低い利回り。お客様の資産を増やすためのファンドとは一線を画した。ペルーの貧しい人の所得水準を上げるためのファンド。

低い利回りはリスクを下げたため。

ノンバンクからの返済が滞った場合、ペルーの大手信用組合が100%債務保証する契約を結んでいたのです。

最初は時間がかかると思うが社会投資の枠として検討してもらいたい。

日本のマネーをもっと世界へ。

勝負の年です。