[ガイアの夜明け] ニッポン転換のとき〜追跡!食品ロスとの闘い(2)

ニッポン転換のとき〜追跡!食品ロスとの闘い

Veganic to go

1月22日、東京・六本木。

有機野菜などを使った料理を作る店です。

この日はイベント用に40人分のケータリングの注文が入っていました。

昼過ぎから雪が降り始めました。

店では、発注先に直接確認に行きます。

ケータリングの人数を聞きに来ました。

雪の関係で中止することになりまして。

雪の影響で参加者が来られずイベントは中止に。急な天候不良のためやむを得ません。

イベント事態が中止になってしまい、40人分なしです。

そこで余った食材で弁当を作り販売することに。

オードブル用の食材が彩り豊かな弁当に変わりました。

すると出来上がった料理をすぐさま撮影。

アップします。

弁当の写真は「TABETE(タベテ)」というサイトにアップされました。

TABETE(タベテ)

実はここ、飲食店などで作りすぎた料理などをネットで売ろうというサイトです。

悪天候やキャンセルなどで料理が余った店はタベテのサイトに情報を載せます。

それを見た利用者がウェブ上で購入します。

その後、直接店へ引き取りに行くという仕組み。

店の登録料や利用者の使用料などはかかりません。

株式会社コークッキング

東京・港区、タベテを運営する会社が入るビルがあります。

2015年創業のコークッキング。

社員は4人。全員20代、飲食関係の仕事を経験した人ばかりです。

社長の川越一磨さん(26歳)。

学生時代のアルバイトの時から疑問に感じていたことが、

大学生から飲食業界にいた。いくらでも食べ物を捨てていた。「もったいないな」とずっと思っていたけど捨てる以外の方法がない。

大学卒業後、2014年に大手外食チェーンに就職。そこでも大量の食品ロスの現場を目の当たりにしました。

その後、1年で退職。

新たな食品のビジネスを始めるため2015年にコークッキングを創業したのです。

2017年9月からスタートしたタベテのサイト、試験運用中です。

利用者は1,000人ほど、登録している店舗はまだ20軒しかありません。

今は店を増やすことが一番の課題です。

C’est une bonne idée

登録店舗がまだ1軒もない川崎市。

コークッキングの営業担当、百田悠人さん(23歳)。

この日訪ねたのはパン屋さん。

パン屋さんは店頭に商品がないと売れません。

食品ロスがよく出ます。

この店でも売れ行きが読めず、作りすぎてしまうことがあるといいます。

パンの廃棄を少しでも減らせればと店のシェフが話を聞いてくれました。

タベテというウェブサービスです。商品ロスを解決していこうと考えています。売れたら手数料35%をいただく。

手数料の話をした途端、表情が曇りました。

タベテでは販売価格の35%を手数料として取ります。

例えば1,000円の弁当が売れたら350円がタベテの取り分。

パン屋はぎりぎりでやっている。手数料35%は結構きつい。

利益は出ないにしても、どのくらい人件費などと釣り合うか。

登録してもらえませんでした。

有限会社バーゼル洋菓子店

東京・八王子市。

百田さん、この日も営業です。

9軒のカフェや洋菓子店を経営する社長と面談の約束を取り付けていました。

複数の店を登録してもらえるチャンス。

ところがここでも手数料が・・・

渡辺純社長、

マージン(手数料)30%?

35%です。

まぁないな。

僕らの経営上の資金もそこ以上は取っていないのでぎりぎりです。

直感的にはいいところ手数料10%。

僕らは数パーセントの利益を出せるか日々頑張っているので、食品ロスのために35%の手数料を払うのは「何それ?」と思う。

手数料35%

店舗数が思うように伸びません。

全員でミーティングです。

手数料35%のインパクトが強くて、それを上回るメリットを出しづらい。プラスの数字を出したい。

「ゼロ円のものがいくらになります」という話じゃ済まないの?

ゼロ円として僕らは認識しているけど店側は商品として捉えている。

人件費やオペレーションのコストを考えたら「捨てた方が利益率が高い」と「35%は無理」という意見はあった。

この仕組み自体、店だけでもできるんじゃないか。だったら35%を払う意味がない。

社長の川越さん、大きな課題を突き付けられました。

店は登録してくれていない。店舗にとってはどれくらいの食品ロスが売り上げになるのか一番気になる。

迷いしかない。何が正しいのか分からない。

LITTLE ROBOT

山梨県富士吉田市。ここはコークッキングが運営するレストラン。

川越さんは時々、厨房に立ち腕をふるいます。

会社を起業し、最初に手掛けたのがこの店の運営でした。

知り合いの農家の人、いつも持ってきてくれるものが、

商品にならないので使ってもらおうと持ってきた。

形が悪いため農協に出荷できない規格外野菜です。見た目以外は何も問題ありません。

通常は捨てられてしまいます。

しかし、

食べられるので。

味はいいですよ。使っていただければ野菜もありがたい。

子ども食堂

畑で作ったものが余ったのでポタージュにした。

この日は月に1度のイベント「子ども食堂」が開かれます。

生産者からもらった食材で格安で料理を提供します。

子ども100円、大人300円で食べ放題。

ほぼ満席、50人ほどが集まりました。

金額的にも4人で外食すると値段がかかるのでありがたい。

種類も多くて美味しい。

余った食材を無駄なく使い、みんなで美味しく食べる。そして店の宣伝にも。

これがタベテの原点です。

誰にも損がない。みんな得になるようなことをやらないといけない。きれい事を並べてと言われるかもしれないけど。まずはきれい事ですよ。

35%の意味

東京に帰った川越さん、35%の手数料をめぐり再び話し合いです。

手数料35%の見栄えは悪い。

なぜ35%か。食品ロスではない食品が大量に出品される可能性がある。

手数料を低くすると余った食べ物ではなく販売用の食品が出品される可能性があります。

ただの格安販売サイトになることを懸念していたのです。

「格安サイト」ではないことを保つための35%。「儲けようとしている」と思われる。

ビジネスと社会貢献のいい狭間を見つけないといけない。

店側にも、うちにも均等にメリットがある数字が35%。

35%で固定。

ストーリーができた。

川越さんが考えた35%という数字の意味とは?

食材原価 30%
人件費 30%
固定費・その他流動費 30%
利益 10%

これは飲食店の料理代金の内訳。

食材費が30%、利益が10%、人件費などが60%と試算しました。

食材原価のところ捨てたらゼロ円。手数料として頂く。5%はNPOなど社会貢献をしているところに寄付をする。

捨てていた30%分を手数料に、5%はNPOなどに寄付をします。

American Diner & Cafe CK

タベテの試験運用を始めて5ヶ月。

営業の百田さんが向かったのは、川崎市にある開店したばかりのカフェ。

オーナーの相田典之さん、

3ヶ月くらい、店を始めて。結構厳しい部分もある。まだ先が全然見えないので。

百田さんが取り出したのはチラシです。タベテの仕組みが分かりやすいように新しく作りました。

登録料などの初期費用が一切かからないことが明示しています。

さらに、

手数料35%をいただいて、食品ロスが出てしまった時に解決策として考えてくれれば。

35%をタベテに払うにしても、逆の考え方をすると宣伝料の部分もある。その部分を兼ねれば35%でもいい。

商談成立。やっと登録してくれる店が。

ダイニングバー VANDALISM

東京・渋谷。

ここにタベテを上手に使っている店があります。若者に人気のダイニングバーです。

店の看板メニューはボリューム満点のハンバーガー。

分厚いパテとオニオンリング、野菜も添えて1,500円。

ハンバーガーに使う挽肉。毎日余りが出てしまいます。

今までは捨てるしかありませんでした。

業者から買っているオニオンリングも悩みのタネ。カタチが悪いものは店で出すことができません。

オーナーのの山口隆実さん、

1回納品されると2~3割は割れている。1キロ納品されると200~300グラムは廃棄。

そこでタベテに登録。

余った食材で作ったバーガーを出品しています。値段は通常の半額以下の700円。

利用者はクレジットカードで決済をして店まで取りにきます。

これがきっかけで店を知ったもらうことにも。

タベテの利用者は、

1人で食べるにもいいものを食べたい。店の味を。

すごく安くなっていて廃棄されると聞いたのでお買い得。

登録店舗

ようやく軌道に乗り始めたタベテのサービス。

社長の川越さんが作成に追われていたのは、

契約書です。急速に店舗数が伸びています。

ここに来て登録店舗が2ヶ月で25軒から60軒に増加。

タベテのサイトの本格的スタートを4月に決定しました。

新しいことをやっているつもりはない。日本人が本来持っているマインド。そこをもう一度呼び起こす、現代版にどうアレンジできるのか。