4月に行われた南北首脳会談を受け、今大きく変わり始めている場所があります。
それが中国東北部の町「丹東」です。
北朝鮮と国境を接していて最近では北朝鮮の人たちが船に乗り中国側にかなり近付いて手を振る姿も見られるということです。
こうした友好ムードに乗じ、北朝鮮の経済開放を見越した投資マネーが殺到し、まさにいま北朝鮮バブルともいえる現象が発生しています。
中朝国境の街でバブル!?
中国・北東の町「丹東」。
川の向こうに見えるのが北朝鮮です。
中朝の貿易額の7割以上がこの地で取引されます。
中心部から南に約10キロ、中朝を結ぶ新しい橋が掛かっていました。
建設費の全額を中国側が負担し、2015年にほぼ完成。
しかし、
完成してしばらく経つが車は1台も通っていない。
北朝鮮への制裁が続く中、閉ざされてきた国境の橋。
しかし融和ムードが高まる今、大きな変化が訪れています。
北京支局の山口博之記者、
未だ開通しない中朝両国を結ぶ新たな橋、その中国側の一帯には数多くの高層マンションが立ち並びます。今まさにこの場所が大きな注目を集めています。
新築マンション
この日、橋の近くで新築マンションが発売されました。
発売イベントには造花の桜や幸運をもたらすとされる孔雀で華やかに演出。
会場は大勢のお客様ですし詰め状態。
マンションの模型を真剣にチェックしています。
販売スタッフ、
1平方メートルあたり11万円。
かなりお得だね。
売れ筋の物件は100平方メートル程度で1,000万円ほど。
熱気の中、次々と契約が成立していきます。
北朝鮮が経済開放したら、まずは丹東だから北京や上海からも買いに来る。
不動産価格は上がり続ける。保証します。
中朝関係が改善し、北朝鮮への国連制裁が解除されれば新たな橋が開通して貿易関連業者がここに拠点を構え周辺も栄えると見ているのです。
会場には南北首脳会談で合意された板門店宣言の内容が貼り出され、その下に「朝鮮半島の平和と発展はビジネスチャンス」の文字が…
不動産バブル
実は板門店宣言では南北の鉄道をつなげる方針が確認されました。
実現すれば韓国・ソウルから平壌を経由して北京までが線路でひと続きになるのです。
その経由地となる丹東は貿易拠点としても発展が期待されます。
これを受けて不動産がうなぎのぼりに高騰。
2日間で6割近く価格が上昇したケースも伝えられています。
購入者は、
将来の投資のために買った。
橋の近くの物件は1平方メートルあたり約3万円が8万円以上になった。
一方でこうした不動産バブルを警戒する動きも。
街には「不動産は住むためのものだ」と行き過ぎた投資を控えるよう呼びかける広告が掲げられています。
また地元当局が販売に制約を設けるのではないかとの見方も出ています。
間もなく販売制限がかかるようだが、そのときはこっそり売るしかない。
対話路線を進めるものの未だ先行き不透明な北朝鮮。
しかし経済はすでに動き出しています。