[WBS] アメリカ・FBIが捜査!中国の孔子学院とは?

ワールドビジネスサテライト(WBS)

アメリカのトランプ政権が中国との対決姿勢を鮮明にしています。

通商政策では中国製の鉄鋼やアルミの輸入制限を検討中で貿易戦争を辞さない構えです。

また安全保障政策でもロシアと並ぶ競争相手と位置づけています。

こうした中国に対する警戒感は今、文化交流の場にも広まってきています。

FBI(連邦捜査局)は中国政府が中国語や文化の普及拠点としている孔子学院の一部に対し捜査に乗り出していることが分かりました。

この孔子学院とは一体どんな組織なんでしょうか?

孔子学院

2月13日に開かれたアメリカ議会の傍聴会。

FBIのクリストファー・レイ長官はアメリカ国内に広がる孔子学院の存在に懸念を示しました。

孔子学院については懸念している。注意深く見ている。捜査に発展したものもある

容疑については触れなかったものの捜査の事実を公表したのです。

一方、ワシントン・ポストは2月中旬の記事で、

アメリカの情報機関は孔子学院がスパイ活動の基地となる可能性について警告している。

との見方を紹介しました。

孔子学院は中国政府がほかの国で中国語や文化の普及を進めるための拠点です。

孔子学院のホームページには、

孔子学院は世界各国の人々の中国語学習に対するニーズに力を尽くす。

設立地の法律および法規を順守しなければならない。

と記されています。

他の国でもイギリスのブリティッシュ・カウンシルやドイツのゲーテ・インスティトゥートなど同様の施設はあります。

ブリティッシュ・カウンシル 110ヶ国・地域 約170拠点
ゲーテ・インスティトゥート 98ヶ国・地域 159拠点

ただ孔子学院はその規模が違います。

現在、約140の国と地域に1,600ヶ所を超える拠点があります。

アメリカではその数は600ヶ所以上、日本にも約20ヶ所あります。

孔子学院が発刊している雑誌はドイツ語のほか、なんとタイ語やアラビア語まであるのです。

遠藤誉特任教授

中国に詳しい専門家、東京福祉大学国際交流センター長の遠藤誉特任教授は設置の狙いをこう分析します。

中国共産党思想が素晴らしいことを皆に植え付けることで、一党支配体制を肯定し、中国を礼賛する方向にもっていくもくろみがある点でかなり他国と違うのではないか。

警戒感

再びアメリカ。

孔子学院は中国政府の影響力が強く働いているとして一部では警戒感が広まっているのです。

共産党のマルコ・ルビオ上院議員は、

孔子学院はひそかに世論に影響を及ぼそうとして、中国の歴史観や政府の見解を最も都合が良いように事実の一部しか教えない。

こうした懸念の声を孔子学院側はどう受け止めているのでしょうか?

ワシントン支局の内田広大記者は、

ワシントン市内にも孔子学院が存在しています。ビルの4階にあるということで市民に対して中国語や書道を教える教室を開いているということです。

テレビ東京の取材に対し、孔子学院・アメリカセンターは文章で回答しました。

高清アメリカセンター長、

批判は何度も繰り返されてきた根拠のないもの。孔子学院は中国語の教育や中国の文化意識の醸成を目的としていて歴史や政治に関することは教えていません。異文化同士の理解と協力は非常に重要です。

デービッド・ランプトン教授

なぜFBIは捜査に乗り出したことを明らかにしたのか?

米中関係の専門家は両国関係の緊迫化がその理由だと指摘します。

ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院のデービッド・ランプトン教授は、

中国との安全保障の懸念が高まるにつれ、アメリカの技術が大学を通じ中国へ流出するのではとアメリカ政府が脅威に思うのは自然なこと。

ただ、ランプトン氏はアメリカ国内で問題となっている孔子学院は3~4ヶ所に過ぎないとした上で、アメリカが過度の拒絶すれば中国との人的交流にも影響が出かねないと警鐘を鳴らします。

アメリカは約35万人の中国人留学生を受け入れている。留学生の多くは理系で、技術革新はアメリカの経済的利益の核だ。中国や他のアジアの学生に不快な思いをさせればアメリカのイノベーションは地盤沈下するだろう。

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