[WBS] 捨てられていた革を有効活用!?かばんの老舗も喜ぶ「特許技術」!

ワールドビジネスサテライト(WBS)

こちらのバッグをご覧ください。

とてもキレイな柄をしていますが、このような小さなピースを編み込んで作っているものです。

実はこの小さなピースが大量に捨てられている革の廃棄ゴミの削減につながるといいます。

一体どういうことなんでしょうか?

マスミ鞄囊株式会社

兵庫県豊岡市、ここはかばんの生産日本一の町。

ピーク時には日本で生産するかばんの7割をここで作っていました。

創業102年の老舗メーカー「マスミ鞄嚢」。

得意としているのが革で作った箱型のかばん。

1964年の東京オリンピックでは聖火のトーチ用ケースも手掛けました。

ところがかばんを作る過程で出る切れ端が長年の課題となっていました。

牛一頭から2枚しかとれないという大きな革に型紙を置いてかばんのパーツを切り取ります。

マスミ鞄囊の井上陽介さん、

おしりの背中側が一番いいところ。

かばんの一番大きいところだったり前に来る場所をこの辺で取りたい。

次に残りの革から小さなパーツを切り取ります。

最大限に有効活用しようとしても革が残ってしまいます。

植村賢仁社長、

袋にパンパンにならない程度に入れて500円の廃棄料がかかる。

革のゴミは毎月20袋以上出て処分費は1万円ほどかかっています。

豊岡市には60社を超えるかばんメーカーがあるため大量の革は処分されていることになります。

そきに革のゴミを担いで持ち出す男性がいました。

白井龍史郎さん(30歳)、

使えない部分ってこれだけ出てくるんですね。

実はこの男性、廃棄される革を有効利用しようと動き始めた人物です。

いま弊社が持っている特許の技術で廃棄革を有効活用できる技術がある。

ビルマテル株式会社

東京・茅場町。

ここに白井さんの会社があります。

会社の主力事業は屋上緑化ですが、風が通りやすいヘルメットなどで数々の特許を取得してきたアイデア企業です。

その特許の中の一つが革から切り抜いた「YUKIZNA(ユキズナ)」と呼ばれるピース。

返しがついた部分をもう一方の穴にはめ、つなぎ合わせて使います。

一度穴に通すと抜けにくいので糸で縫うことなくつなげることができます。

このピースをつなぎ合わせることで大きな革のシートを作ることができるのです。

白井さんはこの特許で廃棄革を有効活用できると考えていました。

株式会社アストロ・テック

7月、今もなお震災の爪痕が残る宮城県南三陸町。

白井さんの姿がありました。

向かっていたのは町工場のアストロ・テック。

もともと海の近くにあった工場は大震災の津波で流されてしまいました。

1年半後に4キロ離れた内陸部に新しく工場を建てました。

テレビなどの電子部品を製造していましたがコンプレッサーや測定器など多くの機械が津波で壊れてしまったので今はほぼ手作業で部品を作っています。

しかし売上げ事態は減ってしまったため、なんとかばんの製造を新たに始めたのです。

実は電子部品でもかばんでも製造にはさみやはんだごてを使うのは同じだったので従業員の手先の器用さを生かせたのだといいます。

この工場で作ったオリジナルのかばんがこちら。

通販で販売すると2ヶ月待ちの人気となりました。

佐藤秋夫社長は、

新しい仕事に挑戦していけば新たな雇用が生まれるんじゃないかと。

進化して復興という思いをずっと持っている。

電子部品の製造が減ってもかばん作りに挑戦することで震災後、雇用を切ることはありませんでした。

白井さん、豊岡で手に入れてきた廃棄革を取り出しました。

この革でピースのシートを作ってもらおうというのです。

ピースとして裁断したら9割以上は取れる。

白井さんは被災したこの町工場の技術力を高く評価していました。

早速、試作を作ってもらいます。

取れるところまでぎりぎり。

革の端ぎりぎりまで利用することができています。

次はつなげる作業。

ところが、

編みづらい。

色によって硬いものと柔らかいものがある。

種類の違う革をつなぎ合わせるのはなかなか難しいようです。

しかし見事に1枚のキレイなシートが完成しました。

マスミ鞄囊株式会社

出来上がったシートを持って白井さんが向かったのは豊岡市の老舗「マスミ鞄囊」です。

ようやく完成しまして、こちらがシート。

言われなければ廃棄革だとは分からない。

リサイクルの一番有効な商材かなと思う。

今回、白井さんは廃棄革のシートで名刺入れを作ってもらおうと依頼しに来たのです。

社長の植村さんは捨てていた革でもう一度新たな商品を作れることをうれしく感じていました。

革の処分料も減りますし、いいところだらけだと思う。

株式会社高島屋

7月中旬、京都高島屋。

白井さんはピースで作った革商品の期間限定の売り場を確保していました。

ピースで作ったオリジナルのかばん。

そして一番人目につく場所に廃棄革で作った名刺入れが置かれていました。

全てが一点物。色は5色で値段は4万1,000円から。

製品としてもお客様に自身を持って提供できる。

白井さん、この商品の特徴をアピールするために自らピースをつなぎ合わせる実演をします。

すると早速、興味を持ったお客様たちが集まってきました。

こちらの男性はあの名刺入れを手に取りました。

捨てられてしまう革のいいところだけを使っている。

これは好きですね。

無駄が出ない。

利用して利用して最後まで使えるのはすばらしい発想。

1週間で名刺入れは4個売れました。

白井さんは捨てられていた革の活用に可能性を見出していました。

YUKIZNAの技術がファッション業界の環境を解決する技術になるのではないか。

感触はつかめた。