[WBS] 猛暑の夏・・・過酷な建設現場「熱中症対策」ヘルメット大活躍!

ワールドビジネスサテライト(WBS)

7月31日、東京では最高気温33度を記録して今年29回目の真夏日となりました。

気温が上がると心配なのは熱中症です。

2017年7月1日から23日までの間に熱中症で病院に搬送された方の数は1万9,559人とここ10年の中でも2013年と並んで非常に多くなっています。

そのため熱中症対策の商品やサービスもいろいろと出されていますが今年、画期的な帽子が開発されたといいます。

一体、どのような物なのでしょうか?

建設現場

7月下旬、東京・世田谷区。約50人の作業員が働く19階建てマンションの建設現場です。

この日、現場の温度は36度を超えています。

しかし、現場では安全面からヘルメット、長袖の着用が義務付けられていてこの時期最大の課題は「暑さ対策」です。

大豊建設の石川守所長は、

最近、熱中症の災害が多発しているので熱中症を出さない様に日々努力している。

そのため現場では様々な熱中症対策を取り組んでいます。

ミストシャワーは霧状に水を噴射することで周辺の温度を下げるというもの。休憩所の上に設置されています。

ファン付き作業服はファンが空気を送り込んで服の中を涼しくするというもの。

さらに作業員が被っているヘルメット、よく見ると前後に穴が空いています。実はこの穴は空気の入口、ヘルメットの中に空洞があり、そこを風が通り抜け頭を涼しくするという熱中症対策のヘルメットです。

通常のヘルメットと熱中症対策のヘルメットをサーモグラフィーで比較してみます。

炎天下の中、待つこと10分。

ヘルメットを取ると通常のヘルメットでは頭の温度は50度になっています。それに対し熱中症対策のヘルメットは44度程でした。

使っている者からは「頭の中に熱がこもりにくい」と好評を得ている。

このヘルメット、すでに160万個も売れている隠れたヒット商品。

ビルマテル株式会社

東京・日本橋に熱中症対策のヘルメットを開発した会社があります。

1966年創業、社員30人のビルマテル。

本業はビルの屋上緑化を手掛けています。これまで虎ノ門ヒルズや首都高速大橋ジャンクションなどの屋上緑化を携わってきました。

なぜ熱中症対策のヘルメットを開発したのでしょうか?

新規事業担当の白井龍史郎さんは、

屋上緑化の施工をやっている社員が真夏に頭が痛いと熱中症にかかってしまった。だったら通気性の高いヘルメットを作って社員の熱中症を無くしていこうと作り始めた。

そもそも社員が熱中症にならないように開発したのだといいます。

20年前に特許を取得、今では屋上緑化と並ぶ経営の柱に成長しました。

実は白井さん、このヘルメットに続く商品を5年かけて開発していました。

それがツバに穴が空いた二重構造の帽子。

でも本当に熱中症対策の効果があるのでしょうか?

寄本明医学博士

7月14日、京都女子大学。ビルマテルの白井さんの姿がありました。

ここに帽子の効果を測定してもらいに来たのです。

頼ったのは熱中症研究の第一人者、寄本明医学博士。

早速、ゼミ生を集め実験をしてくれることになりました。

この器具を使って帽子の環境温度を測っていく。

用意していたのは温度と湿度を測れる計測器です。これを帽子の中に縫い付けていきます。

帽子をかぶった人、かぶらない人、色々なパターンで30~40分のウォーキングをします。その後、測るので。

実験は熱中症対策の帽子と一般的な帽子、それに帽子なしの3パターンで比較します。

40分ほど歩き、日なたで10分ほど休憩します。この日の気温は最高32.7度。果たしてどのくらい違いが出るのでしょうか?

帽子をかぶらず歩いた学生は直射日光を受け頭頂部は40度を超えています。

続いて一般的な帽子、こちらの頭頂部は36度。

最後に熱中症対策の帽子、帽子をとると頭頂部は30度とウォーキング前からほとんど温度が上がっていませんでした。

風が通っているから汗を蒸発させていって蒸発すると気化熱で温度が下がる。だからあまり上がらなかった。

また帽子内部に取り付けた計測器によると帽子の中の湿度は一般的な帽子は80%、熱中症対策の帽子は60%でした。

空気が帽子の中を抜けることで温度と湿度をともに下げる効果が出ているといいます。

熱中症の予防効果が十分に期待出来ると言える。

ありがとうございます。

寄本教授のお墨付きを得られました。

全成製帽

台湾、第3の都市、台中。

ここにあの帽子の製造委託先の工場があります。

寄本教授の実験結果を受け量産が始まっていました。

いよいよ販売開始です。

三越伊勢丹新宿本店

東京・新宿、三越伊勢丹。

スポーツ用品売り場にあの帽子が並びました。商品名は「Airpeak(エアピーク)」。

ランニング向けの軽量タイプと一般的な帽子タイプの2種類。機能性を評価され百貨店での取り扱いが決まったのです。

横浜スタジアム

7月21日、横浜スタジアム。

球場内のオフィシャルショップ、様々なグッズに混じり、あの熱中症対策の帽子が置かれていました。

横浜スタジアムは屋根のない球場であるため熱中症対策用に公式グッズとして置かれることが決まったのです。

すると、

変わった帽子だね。かぶってみたら?

通気性が良くなっていて、ここから風が入り抜ける。熱中症対策に。

次々とお客様が足を止めます。

「気に入った?」

はい。

帽子のタグを取ってください。

早速、お買上げ。

野球をやっているので頭も蒸れるし、すごく良いかな。

ビルの屋上緑化事業から始まった熱中症対策の帽子。新たな可能性が広まりそうです。

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