WOKUNI
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10月24日、ニューヨークで新しい日本食の店がオープンします。
レストラン「WOKUNI」。
入り口には日本から直送された新鮮な魚がお出迎え。
それを職人がお客様の目の前で捌く、ニューヨークでは珍しいスタイルです。
箸を上手に操る舌の肥えたニューヨーカーは、
全ておいしいです。とても新鮮で見た目も豪華ね。
この店をプロデュースしたのが元グッドウィル・グループ会長、折口雅博氏(56歳)。
アメリカに来る前は私は起業家で大企業のトップでした。
日本から姿を消した折口氏、ニューヨークで一体何を?
手応えはある。エキサイティングな歴史がまた始まった。
完全復活を遂げていた折口氏。再びマネーを引き寄せていました。
折口雅博氏
ニューヨークで活動再開していた折口雅博氏。
折口氏といえば元祖ヒルズ族。
その評価は様々です。
六本木ヒルズに本社を構え人材派遣業のグッドウィル・グループを率いていました。
さらに介護事業を手掛けるコムスンを買収し、24時間の訪問介護サービスを全国で展開。
グッドウィルを約10年で従業員10万人、売上高7,700億円の巨大企業へと成長させたのです。
しかし、
心よりお詫び申し上げます。
2007年、コムスンで介護報酬の不正請求問題が発覚。自治体からの行政処分の前に事業所とたたむという処分逃れも批判の的になりました。
「不正はないと100%言い切れますか?」
私どもは故意に意識的に不正をすることはありません。
「結果として処分逃れでしょ。グループ内での事業譲渡は。」
その後、グッドウィルは介護事業から撤退。人材派遣では違法な二重派遣問題も発覚し2008年にグッドウィルは廃業。
折口氏も翌年に破産しました。
あれから約10年、折口氏が当時のことを初めて語りました。
事業をかなり勢いをもってやった。
ちょっとした手違いにクローズアップされて批判を受けた。非常に残念だった。
「涙ながらの会見だったが?」
「それは違う」と言いたかった。主張もしたかった。いろいろと考えてしない方がいいかなと。
Broad Capital Partners, Inc.
[blogcard url="http://broadcapitalpartners.com/"]
マンハッタン最大のターミナル、グランドセントラル駅。
その斜め前に折口氏のオフィスがあります。まさにニューヨークの超一等地です。
ブロードキャピタルパートナーズUSA。これが僕の会社。
折口市は現在、投資ファンドの代表を務めています。上場前の企業に投資をして事業を成長させたところで売る。そして大きな利益を上げるのです。
ニューヨークに来て約10年になる。もう1回エキサイティングなことは何だろうと、ニューヨークという世界のカネが集まる場所で、アメリカという金融大国で金融をバックとして事業をつくり出す。価値をつくり上げる手伝いをしていければ面白いと思った。
MEGU
投資家として復活した折口氏、そのきっかけとなった場所が…。
これがMEGUのロゴ。
ニューヨークのセレブの間で知らないものはいない高級和食レストラン「MEGU」。
実はここは折口氏がニューヨークに来てから、自ら資金調達し買い取ったレストラン。
復活の足掛かりはレストラン事業だったのです。
日本文化を取り入れたモダンな店作りでセレブたちを虜に。
2012年、MEGUはアメリカの格付け会社から最高の評価を獲得しました。さらにモスクワやドーハなどに海外進出を果たし、投資家としての手腕を印象づけることになったのです。
大変価値が上がった。世界中から「MEGUに投資したい」と話があった。ある日本の会社が「100%買いたい」と、いい値段だったので売ろうと。それ以降は自分は投資家になろうと。
2006年、ニューヨークでMEGUの2号店をオープンすることになったときの映像。
きっかけはあるビルのオーナーが自らのビルに出店を呼びかけたことでした。
そのオーナーが大統領になる前のトランプ氏(当時59歳)。
MEGUの2号店の出店先がトランプタワーだったのです。
あなたのビルにMEGUを出せて興奮しています。
見てほしいものがある。ラスベガスにビルを建てるんだ、最高のロケーションだよ。
この時、トランプ氏はラスベガスにも出店を提案。
ラスベガスでやろう。会えてよかったよ。
しかし、これは実現には至らず。
「どんな印象だった?」
すごく切れ者のビジネスマン。落とし所を分かっている。初めはガンと来る。まずいなと思っている時に落とし所を探っていく。
トランプワールドタワー
トランプ氏と仲良くなった折口氏。その住まいは地上90階、マンハッタンにそびえ立つトランプ氏が手掛けた高級マンション「トランプワールドタワー」です。
妻の理恵さん。2人の子どもたちは社会人と大学生になり今は夫婦だけの生活です。
地上40階からのマンハッタンの絶景。国連ビルにイーストリバー。
「すごい景色ですね。」
ニューヨークのシンボル、クライスラービルとエンパイヤステートビルが並ぶように見えます。
トランプ氏が周りの空中権を買った。周りには高いものは建たない。
何もかもが桁違いの自宅です。
「部屋はいくら?」
日本円で数億円。200平方メートル。
トランプタワーの近くには入居者専用のジムがあります。毎朝ここでトレーニングをするのが日課。
生い立ち
どん底から這い上がった折口氏。その生い立ちも壮絶なものでした。
1961年、東京で生まれた折口氏。
200坪の敷地に高級外車とお手伝いさんがいる裕福な家庭でした。
父は人工甘味料を製造する会社の経営者。
しかし折口氏が10歳のとき会社は倒産します。
その後、一家は生活保護を受けるまでに…。
高校の卒業アルバムです。陸上自衛隊少年工科学校。15歳から入れる自衛隊。
学費が払えないため学びながら給料がもらえる自衛隊の学校に進みました。
給料7万円、月2~3万円を仕送りしていました。
生活保護を受けることになった。進学校に受かったが行くお金がない。家に仕送りしなければいけなかった。
その後、成績優秀者しか進めない防衛大学校に進学。
国や世界に思いを馳せる中、次第に世界を股にかける大きな仕事がしたいと思うようになります。
そこで卒業後は当時の総合商社日商岩井(現双日)に入社。ビジネスの世界へ足を踏み入れたのです。
投資案件
マンハッタンの折口氏のオフィス。
この日、大型の投資案件を扱う金融関係者がやって来ました。
今日は何社の案件を?
今日は5社持ってきました。
5社ですか、いいですね。
折口氏はニューヨークに来てから独学で英語を学びました。今では駆け引きに長けたアメリカの金融マンたちと対等に渡り合っています。
この取引に非常に興味を持ちました。
それは良かったです。
この話を勧めたいと思います。覚え書きを作りましょう。
この日持ち込まれた案件の内、折口氏が興味を持ったのはカリブ海の小さな通信会社。
新しい技術を持っていますが資金を必要としていました。
提示された投資額は300万ドル。約3億円です。
この日は折口氏の判断で一発サインです。
決め手は勝ちそうだと。金融ビジネスは負けたら終わり。最新のテクノロジーで値段が安い。プロモーションをしていけばひっくり返せる。
金融大国アメリカでの成功。
ギラついた折口氏が戻って来ました。
失ったモノ
夕方、待っていたのは妻の理恵さんです。週末は2人でよく夕食の買い物に。
お気に入りのスーパーへ。
ポン酢。大きいものにする?
小さい方がいい。
納豆とか野菜とかお菓子を買った。
ニューヨークに来て初めてこのスーパーで買い物した時、家内が「すごくうれしそうな顔しているね」と言った。「日本じゃスーパーに行けなかったもんね」と。
日本でお金を持っていた時に失っていたものはそれだなと。
10月26日、成田国際空港。
折口氏が再び日本へ。
10年越しの逆襲が始まります。
一体どこに向かうのか?
その日の夜、東京・銀座。
そこに折口市を待っている人たちがいました。
定期的に開かれている折口氏を囲む会。参加しているのは主にベンチャー企業の若手経営者たちです。
創業10年で売り上げ1,400億円、事業スピードがすごい。幹部はプロパー(生え抜き)で育っていったのか?他からヘッドハンティングしたのか?
すごく聞きたい。
大半はプロパー。正しい評価システムを作れば、上にいける喜びや希望があればみんな頑張る。
日本の景気が上向き始めた今だからこそ栄光と挫折を知る折口氏の経験を学びたい。
そんな若手起業家が増えています。
広告業の男性、
パワフル。すごいパワフル。
不動産業の男性、
海外進出するのに心掛けていることや具体的な施策を指導してもらいたい。
折口氏は将来性のある日本のベンチャー企業には今後投資をする予定です。
事業的に手伝いながら金融的な価値をつけて加速をつける。エキサイティング。血がたぎってくる。
約30年前、人々がマネーに狂乱した時代がありました。
カネを追い求めたことで見た天国と地獄。
激動の時代の中で得た教訓とは何だったのか?
強制的に事業者から違う立場になった。結構面白い。人生1回の中でいろいろな経験をするのは価値がある。どちらがいいかは言えない。1つの価値観にこだわってとらわれないでほしい。
お金は社会に影響力を与えた結果。社会貢献の結果戻ってくる。必ず付いていくる。追い求める必要はない。
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