スマートフォンを使って個人と個人の間で売ったり買ったりすることができる、いわゆるフリマアプリ。
その中でも高いシェアを占めるのがメルカリです、
使ったことがあるという方もいるのではないでしょうか?
フリマアプリは2012年に初めて登場してからわずか5年。
2017年の市場規模は1年間で6割近く増え5,000億円に迫る勢いとなっています。
急成長するフリマアプリ。
その影響を受けて苦戦する中古品業者が新たな展開を始めました。
ブックオフコーポレーション株式会社
[blogcard url="https://www.bookoff.co.jp/"]
東京・渋谷にある古本チェーン最大手ブックオフの店舗。
7月22日に閉店しました。
閉店を知らず訪れたお客様の姿もあります。
実はブックオフの店舗数は2013年には1,000店以上ありましたが、2018年6月の時点で815店まで減少しています。
ブックオフ側は店の大型化のためと言っていますが…
街で話を聞いてみると最近ブックオフの利用が減ったという人が、
本を買うならメルカリが多い。その場で検索できるし見やすい。
メルカリの方が安い。
また買取価格に不満を持つ人も。
売っても思ったよりお金にならない。
実際に価格はどのくらいの差があるのでしょうか?
メルカリとブックオフの比較
こちらに7種類の本を2冊ずつ用意しました。片方はブックオフで、そしてもう片方はメルカリで出品してみます。果たして価格の差はつくのでしょうか?
出品するのは人気作家の新作からアイドルの写真集などの7冊。
ブックオフで買い取りしたところ買取価格は合計で1,170円でした。
メルカリではどのような価格になるのでしょうか?
出品するのは人気作家、池井戸潤さんの最新作。定価は1,620円です。
査定員が買取価格を決めるブックオフと異なりメルカリでは価格設定が重要になります。
ちなみに今、この本が出品されてどのくらいで売れているのか調べてみます。1,300円で売れていますね。
この情報を参考に価格を定価よりも320円安い1,300円に設定しました。
ブックオフの買取価格の2倍以上です。
その他の本も同じような手順で出品。
どのような結果になるのでしょうか?
5時間経ちました。売れたでしょうか?
まだ1冊ですが売れましたね。
1,300円に設定した池井戸潤さんの小説が出品から1時間ほどで売れていました。
その後、1,200円で出品した人気アイドル。白石麻衣さんの写真集が売れ、午後9時の時点で2冊、合計2,500円です。
2018年6月に上場したメルカリの2017年の取り扱い額は2,916億円と2016年と比べ60%以上上回りました。
フリマアプリの中でも急成長を遂げているのです。
株式会社ハードオフコーポレーション
[blogcard url="https://www.hardoff.co.jp/"]
その急成長の影響を大きく受けているのが生活用品などの中古販売を手掛けるハードオフです。
2年前からある異変が起こっていました。
ハードオフ上野御徒町店の大坪祐輔店長は、
以前は一列に5~6個並んでいたが今はこのぐらい、少し減っている。
スマートフォンも上の棚は2列分の商品がありますが、下の棚は1列分の商品しかありません。
以前は全ての店がいっぱいだったといいます。
減ったのは数字にすると数パーセント、カメラやスマホはもう少し減っている。
その原因は…
メルカリなどのフリマアプリがひとつの要因。
小さくて送りやすい小型カメラはメルカリで売る人が増え、ハードオフに持ち込まれる数が減ってしまったのです。
こうした事態に危機感を覚えたハードオフは今年アプリを開発。
オファー買い取り
売りたい商品の写真を撮ると各地のハードオフの店舗から買い取り金額が提示されるというものです。
鵜飼祥記者、
今からこのカメラをこちらのアプリで出品してみたいと思います。
店頭価格6万円ほどのキヤノンのミラーレスカメラ。
アプリに指定された角度の写真を撮っていきます。
傷があれば撮ってくださいということなので撮ります。
およそ5分で出品が完了。
10分ほど待つと…
先程のカメラ、いくらになっているでしょうか?
2万2,000円となっています。
この店でも商品の画像を確認。査定していました。
状態もいいしミラーレスは店に入ってきづらい。2万5,000円でオファー(提示)します。
すると…
3万2,000円になりました。先程の2万2,000円から1万円も上がりました。
結局、この店はこの商品を獲得できませんでした。
いい商品はあまりあがってこないので落札したかった。
身内だが悔しい。
お客様は値段に納得がいけば後は商品を買ったお店に送ります。
送料は店側が負担。
ハードオフはこのアプリを8月から全国の店舗で導入します。
「メルカリから商品を取り返せるか?」
アプリが浸透してお客様が増えればその見込みも十分狙える。
株式会社ソフマップ
[blogcard url="https://www.sofmap.com/"]
一方、ビックカメラグループのソフマップも7月26日、新たなサービスを開始しました。
渡辺武志社長、
フリマアプリが広がってきたことでものを売る行為に慣れてきた。
メルカリにはない需要を生み出すことができると考えている。
メルカリに対抗して作ったのはソフマップのノウハウを生かした中古品の買取アプリ、その名も「ラクウリ」です。
特徴のひとつが買取価格の相場がすぐに分かる機能。
例えばパソコンを売ろうと思ったときにパソコンの型番を入れると買取価格の上限が分かる。
本体の底の部分などに記載されている型番、これを入力します。
2年半前には十数万円で売られていたパソコンですが…
4万6,000円って出ましたね。
ラクウリアプリプロジェクトの佐藤賢二さんは、
リユース市場の相場感だとこの金額。
本格的な査定に出す場合は名前や住所などを記入して申し込みます。
すると宅配業者が自宅まで中古品を引き取りに来ます。
中古品はビニールのついた専用のキットで中身が動かないよう簡単に梱包できます。
運ばれるのがソフマップ商品化センター。
査定に出した商品はここで状態を確認し、金額が決まります。
電源が入るかだけでなく機能に不具合がないか細かくチェックします。
そしてソフマップが最も重要視するのが個人情報の消去です。
サービス事業部の原田聡さん、
データを復元するソフトも存在する。それで復元しても情報が漏洩しないために完全に専用ソフトで消去している。
ソフマップはお客様が安心して利用できるサービスでメルカリに対抗します。
われわれの強みをしっかり生かしてメルカリなどにないサービスをしっかりと提供しシェアを拡大していきたい。