[WBS]日銀の国債保有が膨張!「出口戦略」で「債務超過」状態に?

ワールドビジネスサテライト(WBS)

日銀は4月27日、金融政策決定会合を開きマイナス金利など現状の金融緩和策を維持すると決めました。

日銀は長期金利を0%程度に誘導するため大量の国債を買い入れています。

この買い入れの額についても、およそ年間80兆円としている現在のペースを維持します。

強力な金融緩和を続けることで目標とする2%の物価上昇を目指します。

日銀が黒田東彦総裁のもとで異次元緩和を始めてから4年が経ちます。

日銀が持っている資産と国債の残高を示したグラフを見ると、大量の国債を買い続けた事で2017年3月末の時点で日銀が持つ国債の残高は413兆円となっています。10年間で約5.5倍に膨れ上がっています。

将来、日銀が金融緩和を辞める、つまり金利を上げたり、持っている国債の量を減らすなどの出口戦略を取った時に積み上がった国債の価格が、価値が値べりして損失が出るのではないか?

そうゆう議論がいま浮上しています。

その結果、日銀が債務超過に陥るというシュミレーションもあるといいます。その時、一体何が起こるのでしょうか?

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日本銀行

異次元の緩和を続ける日銀。これまで「出口戦略の議論は時期尚早」との見解を繰り返してきました。

この日銀の姿勢に対して疑問を突きつけたのが自民党行政改革推進本部長の河野太郎衆院議員。

19日の会見では、

今日、明日に出口になるとは思っていないが、出口に向かうときにどうするのかを日銀はある程度マーケットと共有する必要ある。

先週、日銀に対して「出口戦略の議論を始めるべき」との意見書を出しました。一体、どういう意図があったのでしょうか?

「いま一番問題視している点は?」

出口を考えたときに少なくとも日銀の収支が赤字になる。「まだ出口ではないから言わない」ではなく、「出口で大きな問題が発生するとは思うが対応は言わない」というコミュニケーション不足が問題。

現在、ほぼ0%の金利で市場から大量に国債を買い入れている日銀。物価目標2%を達成し、出口戦略を取る際に国債を手放す必要が出てきます。

物価上昇の結果、金利も上昇すると逆に国債の価格は下落。日銀が持つ国債の価値は減り損失が出るのです。

武蔵野大学

では、どのくらいの損失が出てしまうのでしょうか?

武蔵野大学の経済学部経済学科、深尾光洋特任教授は日銀で20年以上勤務した経験を持ち、日銀が金融引締めに転じたときの試算を出しています。

10年国債(長期国債)の価値は金利1%の上昇で10%ぐらい下がる。金利が2割上がれば2割価格が低下する。だから膨大の損失を被る。

現在に、日銀は金利0%の長期国債を大量に保有しています。この国債を100万円分持っていても利息がないため10年後の満期には元本と同じ100万円しか手元に戻りません。

しかし、もし金利が1%になった場合、100万円の国債には年1%の利息がつくため10年後には10万円の利息がつきます。

その時、日銀が持つ金利0%で100万円の国債は10万円を差し引いた90万円分の価値に値減りしてしまいます。

日銀の長期国債の残高は2018年末に約520兆円まで膨らむといわれていますが、物価目標の達成でり金利が仮に1%に上昇した場合、深尾光洋特任教授の資産では日銀は約41兆円の損失を抱えます。

もちろん日銀が債務超過になる可能性は十分にある。

巨額な損失は日銀だけではなく、政府の財政にも影響を及ぼすといいます。

日銀は利益を貯め込んでいるのではなく、大半を政府に納付金として納めている。債務超過になるとこれがずっと払えない。何十年も日銀が収益を納付できない事態になり政府にとって年間数千億円の損失になる。

黒田東彦総裁

4月27日に会見を開いた日銀の黒田東彦総裁。

「出口の段階で日銀が債務超過に陥るという指摘があるが?」

その時の経済・物価・金融情勢いかんによる。2%の物価安定目標を実現することが出口についての議論の始まり。出口戦略について具体的な話をするのはかえって市場に混乱を招くおそれがある

まだ議論の時期に至っていないと従来の姿勢を崩しませんでした。

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