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[WBS] 2018年の観客数が判明…「阿波おどり騒動」を検証!

2018年8月17日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

8月12日から15日まで開催された徳島の夏の風物詩「阿波おどり」。

今年、この阿波おどりの目玉ともいえる総踊りを巡って中止するかどうか大きな騒動となりました。

そして8月16日、阿波おどりの観客数が明らかになりました。

結果はどうだったのか検証しました。

阿波おどり実行委員

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400年以上の歴史がある徳島の阿波おどり。

阿波おどり最高。

毎年、本当に楽しみ。

特に10以上の地元の有力団体が一同に集結し1,000人以上がまとまって踊りを披露する「総踊り」というものが祭りの目玉として有名でした。

この総踊りを阿波おどり実行委員が6月に中止すると決めたのです。

一体なぜなのでしょうか?

実行委員長でもある徳島市の遠藤彰良市長は、

総踊りは迫力があって素晴らしい踊りですが4ヶ所のうち1ヶ所でフィナーレをそれ(総踊り)で盛り上げていただいていた。

ただし他の3ヶ所も入場料は一緒。やはりそれは不公平だろう。

これまで阿波おどりには有料の会場が4ヵ所ありました。

そのうち総踊りが見られるのは南内町演舞場だけ。

ここは売り出すとすぐ完売。

しかし、他の3会場のチケットの売れ行きは半分以下だったといいます。

4ヵ所いっぺんに盛り上がる方法はないかなと。

それで1ヶ所でやっていた総踊りを今年はやめてみようと。

実行委員会は人気の総踊りをやめて4つの会場に踊り手を分散して全体的にチケットの売れ行きを伸ばそうと考えたのです。

良くしていきたいと思ってやっているわけですから。

皆さんが喜んでいただけて最後「楽しいぞ」ということになれば、それがチケットの売り上げにもつながるのではないかと。

この決断の背景には阿波おどりの運営が赤字続きだったということがあります。

赤字続きの運営

運営していた徳島市観光協会の過去30年あまりの累積赤字は4億3,600万円に上っていました。

なぜ赤字が積み重なってしまったのでしょうか?

徳島市観光協会の花野賀胤事務局長に聞くと、

じゃあなんで赤字かと言われたら今まで修繕費にかかったり、警備員、看板の設置、すごくお金が掛かる。

老朽化した設備の修繕費や警備費の膨張で赤字が年々重なっていったといいます。

事業計画は私が行く前からなかった正直。

今まではずっとずさんだったと。

そして2018年3月、ついに徳島市が徳島観光協会の破産を申し立てる事態に陥ったのです。

観光協会の代わりに祭りの運営をするようになったのが市長を実行委員長とする阿波おどり実行委員です。

総踊りの中止

総踊りを中止するという実行委員会の方針に対して…

地元のタクシー運転手は、

できたら伝統であるので総踊りは続けてほしかったというのが実感。

また宿泊施設の案内所でも、

「きょう空いているところはあるか?」

まだ多数ある。総踊りがなくなったとかあるんでしょうね。

初めて、こんなになっているのは。

地元の人達は総踊りの中止で来場者が減っているのでは?と感じていました。

そして8月12日午後5時半、開幕を迎えました。

いよいよ始まった2018年の阿波おどり。

気分は最高!

もう感激。

踊り子の不満

その一方で地元の有力な踊り子団体は不満を抱えていました。

天と地がひっくり返りますよね。

その日のために練習してきているのに総踊りがないのは最悪。

8月13日、阿波おどり2日目。

踊り手達の不満は頂点に達していました。

阿波おどり復興協会の岸大輔常任理事は、

僕らはお金もうけで踊っているのではない。

30年、40年やってきた総踊りが一言でなくなってしまったんです、今年。

それに対するごっつい憤りはめちゃくちゃ持ってます。

そして、

今晩やるんですけどね、総踊りを。

きょうやりますよ10時から。

なんと中止されていた総踊りを自分たちで決行するというのです。

踊りを止めに来た市の幹部と衝突する場面も…

阿波おどり復興協会の山田実理事長は、

赤字は誰が作ったんですか!

いち権力者にやられることではない。

そしてこれまで踊ってきた有料の南内町演舞場ではなく両国橋南詰めおどりロードと呼ばれる路上で踊り始めたのです。

すると観客達も噂を聞きつけて集まってきました。

そして夜10時すぎ、観客が沿道にぎっしりと埋まった中、総踊りが始まりました。

つまり多くの人達が無料で総踊りを見ることができたのです。

素晴らしい感動しました。

一方、これまで総踊りが行われてきた南内町演舞場ではやや空席も…

市長もチケットの売れ行きについては事前にこう語っていました。

チケットの売り上げはそんなに良くない。

今年のチケットの販売結果はまだ出ていませんが観客数は約108万人で2017年に比べおよそ15万人減少し過去最少の数字だったことが8月16日に明らかになりました。

有力な踊り子団体の幹部である岸さんに聞いてみると、

今年のことをだめなところはだめで反省しなきゃならないと思う。

来年に向けた新しい取り組みをするだろうけど、この点を市長に考えてもらいたい。

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