[WBS] 東京パラリンピックまで1,000日!企業×障害者アスリートで挑む!

ワールドビジネスサテライト(WBS)

東京パラリンピックの開会式が2020年8月25日。11月29日がちょうど1,000日前です。

2020年に向けた様々な動きを取り上げる企画「ROAD TO TOKYO」。

4回目の今回はパラリンピックを目指す障害者アスリートとそれを支える企業の二人三脚の関係について取材しました。

立川光樹さん

車いすバスケットボール日本代表の立川光樹さん(25歳)。持ち味はシュート力。

「シュートは自分の武器?」

そうですね。譲れないところ。

2016年に代表に初選出、2020年の東京パラリンピックの出場も期待されている有望選手です。

立川さんは生まれつき左足に障害があり歩くことができません。

これまで家庭教師のアルバイトをするなどして競技を続けてきました。特に苦労したのが金銭面です。

激しいスポーツなのでタイヤも消耗するし、部品も壊れる。

競技用の車いすは約30万円、タイヤなど部品の修理や交換も基本的には自己負担です。

パラリンピック選手の自己負担額は1人当たり年間約147万円。

これが大きな負担となっているのです。

あいおいニッセイ同和損害保険株式会社

翌朝、スーツ姿の立川さん。

自分で車を運転して向かった先は、あいおいニッセイ同和損保の長崎支店です。

立川さんは2017年8月に社員として採用されました。

今では保険金の支払いに関わる責任のある仕事を任されています。

その仕事ぶりを稲田和幸支店長に聞くと、

一生懸命、前向きに社会人として、アスリートとして頑張っている姿を見ている。われわれもいい刺激をもらって「頑張らなきゃ」という気持ちで仕事している。

あいおいニッセイは障害者アスリートを16人採用。

実はいま、積極的に障害者アスリートを雇用する企業が増えています。

アスナビ

11月22日、東京・渋谷区で開かれていたのは企業とアスリートをマッチングする就職イベント「アスナビ」。

これまで約180人が就職、そのうち29人が障害者アスリートです。

企業は障害者を一定の割合で雇用することを法律で義務付けられています。

現在は従業員の2%ですが、2018年には2.2%に引き上げられる予定です。

企業はなぜ障害者アスリートに注目するのか?

建設業界の人事担当は、

トップアスリートの方が来ることで、逆に障害者の方からこの業界に入ってもらうことを期待。

嘱託社員

障害者アスリートを積極的に採用するあいおいニッセイ。

会社としての方針をスポーツ振興担当、倉田秀道次長は、

引退した後も継続雇用ということを踏まえて将来設計をしっかり考えさせて選手のプラスにする。

あいおいニッセイの障害者アスリートは全て嘱託社員。一時的なスポンサー契約ではなく引退後も働くことが可能で正社員としての道も開かれています。

正午過ぎ、立川さんは机を片付け始めました。

会社をあとにする立川さん。一体どこへ?

午前だけの勤務で午後からはトレーニングや練習。

あいおいニッセイでは練習や試合も出社扱い。

年収は約300万円ですが、遠征費などの補助金として年間30万円から最大150万円のサポートが受けられます。

自分が好きなように練習ができる環境をつくってもらえる。今、本当に幸せな位置にいるんじゃないかと思う。

企業の狙い

フルタイムで働くことができない社員を雇用する企業の狙いはどこにあるのでしょうか?

あいおいニッセイ同和損保の金杉恭三社長は、

障害者やアスリート雇用そのものが即効的に会社に利益があるかというとなかなか難しいかもしれない。障害者の方を身近に感じる「共生社会」への理解、会社の立ち位置を理解してもらえることが長い目で見るといいこと。

第14回北九州チャンピオンズカップ国際車椅子バスケットボール大会

11月11日、北九州で開催された国際大会。

日本代表として立川さんも出場します。

スタンドにはあいおいニッセイの社員の姿もあります。立川さんの応援に約80人が駆け付けたのです。

長崎支店の同僚は、

立川さんが出るということで、ぜひプレーを見てみたいと思って。

仕事もすごく真面目にやってくれているが、こっちでもぜひ活躍してもらいたい。

応援を受ける立川さん。アスリートとしてプレーで結果を残すことが一番の使命。

残り10秒、立川さんにボールが渡りました。そして勝利を決定づけるシュート。

試合後、トップアスリートの活躍で職場の仲間にも一体感が生まれていました。

そして立川さんの意識にも変化が起きていました。

遠征面でも練習面でも仕事の一環として見てくれているので責任感ではないが1回1回の練習を無駄のないように。

2020年、東京パラリンピックでの日本のメダル目標は史上最多の22個。

企業と障害者アスリートの二人三脚で挑みます。