[WBS] 最上級モデルが明暗を分ける!?ランニングシューズ開発競争!

ワールドビジネスサテライト(WBS)

フルマラソンのこれまでの世界記録は2時間2分57秒で夢の2時間切りを期待する声が高まっています。

その中で注目を集めるのが選手を支えるランニングシューズの開発です。

各社が最先端モデルを競う中、アディダスの世界的に重要な開発拠点にWBSのカメラが入りました。

アディダスジャパン株式会社

アディダスが都内で開いたイベント。

ランニングカテゴリー開発責任者のマーティンズ・リチャード氏は、

「サブ2」は私たちが作ったランニングシューズの中で最速。

adiZERO SUB2

3月16日に発売する「アディゼロ サブ2」。

サブ2とはフルマラソンを2時間以内に走ること。

サブ2を目指す選手のために開発したシューズです。

片渕茜キャスターが手にしてみると、

軽いですね。持ち上げた瞬間に軽いのが分かります。

最大の特徴が衝撃吸収と反発力を生み出す「ブーストライト」と呼ばれる独自素材。

実際に走ってみると、

従来品と反発力は同じですが重さを半分にできたといいます。

反発力があります。かかとの方には吸収力があるので支えてもらいつつ、後ろ足は反発させるという感覚があります。

実際にこのシューズはフルマラソンで2時間3分13秒の記録を持つケニアのキプサング選手などに提供。

ただこうしたハイエンドモデルはたくさん売れるものではありません。

一般発売する狙いはどこにあるのか?

アディダスジャパンのトーマス・サイラー副社長は、

エリートランナーの支持を得なければ一般ランナーからの支持を得られない。

ハイエンドモデル

こうしたハイエンドモデルはいま競争が激化。

もともとアディダスとアシックスが2強でしたが、2005年にアディダスが上級者向けの「アディゼロ」シリーズを投入、ここ数年ランニングシューズの売上は毎年2桁で成長しているといいます。

ナイキも2017年に2時間切りを目指したシューズ「ズーム ヴェイパーフライ 4%」を投入。それはハイエンドモデルは薄底という常識を覆す厚底シューズ。厚底部分で推進力を生み出すといいます。

実際に2月25日に東京マラソンで2日本新記録を樹立した設楽悠太選手はこの厚底シューズを履いていました。

ニューバランスも2018年にアシックス、アディダスを渡り歩いたカリスマシューズ職人の三村仁司さんを開発チームに招へい。

さらにこんなデータも、

箱根駅伝の選手が使ったブランド
2017年 2018年
アシックス 32% 26%
ミズノ 26% 18%
アディダス 23% 17%
ナイキ 17% 28%
ニューバランス 2% 11%

正月の風物詩「箱根駅伝」を走った選手が履いたシューズブランドのシェア、2017年はアシックス、ミズノの国内ブランドで約6割でしたが、2018年はナイキが大きくシェアを増やし海外勢が半数以上となりました。

アディダス フットウェアラボ

各社の開発競争が激化する中、アディダスは世界的に重要なシューズ開発拠点を2017年10月、神戸市長田区に開設。

トップアスリート向けや一般向けの次世代シューズの製造・開発を行うドイツ以外では初の施設です。

この施設のトップを務めるのがアディゼロシリーズの生みの親、大森敏明さん(74歳)です。

前回の東京オリンピックでもシューズ作りに携わった大ベテランです。

今までに携わったシューズを少し見せてもらいました。

手に取ったのは福士加代子選手のシューズ。

少し外反母趾のような、ここをカバーしながら、工夫しながらやっている。

こうしたトップアスリートのシューズを作る開発現場を見せてもらいました。

働く職人は約10人。数百人分のシューズを作っています。

できて思ったのは柔らかすぎかなと。

柔らかいのと重いのとね。

この日も新素材で作った靴底の確認をしていました。

一足の試作品ができるまで約4週間、完成品ともなるとさらに時間を要します。

その全てを監修するのが大森さんです。

しかし、仕事はこればかりではありません。

近くにある大森さんの工房を覗いてみると、足を型どった木型がびっしり!

実は大森さん、人間の足をミリ単位で再現する木型のデザイナーでもあるのです。

近くの工房から来た女性、大森さんの削った木型を元にテスト生産用の足型を作る業者です。

ゲージを合わせをしたときにちょっとここが出ているかなって。削ってもらって、これなんです。

これをちょっと真っ直ぐにしていて、特徴的なので。一般の仕上げだとちょっと狂うかもしれない。

「今日はどこを修正した?」

機械で削ったり、あとでもう一回仕上げする。その時に多少狂いがあるかもわからないので。かなり細かいことを言っている。

靴の町として広く知られる長田。靴作りに携わる業者が多く集まるこの街だからこそ厳しい要求にも応えられるといいます。

革で育ってきた靴関係の地域はたくさんある。ゴムとか人工皮革で育った地域は長田しかない。スポーツにはこの辺が有利。

アディダスジャパンのトーマス・サイラー副社長は、

ランニング市場で日本はイノベーションを起こせる。神戸の拠点からはイノベーション、インスピレーションを得られると期待している。