[WBS] 浪江町復興の一歩となるか?日産小会社の新工場稼働へ!

ワールドビジネスサテライト(WBS)

福島県浪江町、取材班が車で町を走ってみると壊れたままの商店が続いていました。

浪江町は福島第一原子力発電所から最も近いところで約4キロに位置する町です。

2017年3月、一部を除き避難指示が解除されましたが震災前は約2万1,000人の住民がいましたが現在住んでいるのはわずか516人。

震災時人口 現在(2月末)
2万1,434人 516人

そうした中、人を呼び戻すカギと期待するのがEV(電気自動車)や再生可能エネルギーなど今後成長が見込める新しい産業です。

復興への大きな一歩となるのでしょうか?

フォーアールエナジー株式会社

3月26日、福島県浪江町で日産自動車と住友商事の共同出資会社「フォーアールエナジー」の工場開所式が開かれました。

日産自動車の坂本秀行副社長は、

バッテリーを社会資産として考えて使っていく。車の部品として機能した後に1度も2度も3度も社会に貢献できる。

今回、公開されたのは日本で始めてEV(電気自動車)の使用済みバッテリーを再利用、再製品化する工場です。

工場の中には日産のEV「リーフ」、その下にあるのがリチウムイオンバッテリーです。

リチウムイオンバッテリー

リーフのリチウムイオンバッテリーは48の小さなバッテリーを組み合わせることでできています。

バッテリーを長い期間使っているとその中のいくつかが劣化。

この工場では劣化したバッテリーを特定します。

その性能に応じてバッテリーを組み合わせることでEVや電動フォークリフト、家庭用の蓄電池などに再利用する計画です。

ここを皮切りにバッテリーを車や車以外の領域に活用するひな形。この事業スキームを世界中に展開していく。

浪江町

日産が小会社の工場を浪江町に作ったのには理由があります。

一つ目はいわき工場からも距離が近く物流面などで連携がしやすい利点があります。

もう一つが補助金、今回のバッテリー再生工場の投資額は約5億円。その半分以上を国からの補助金で賄っています。

浪江町のように最近、避難指示が解除された場所で雇用が見込める拠点を作ると大企業の場合、投資額の最大3分の2が、中小企業で最大4分の3が補助されます。

2年前に始まったこの制度、これまでに62社が利用して雇用の創出につながっています。

こうした企業の進出計画に浪江町も期待を寄せています。

浪江町の馬場有町長は、

雇用の場を確保できた。特に若い人に戻ってきて就業してほしい。

国が行った浪江町の住民アンケートによると町に帰りたいと考えている人とまだ判断がつかないという人は合わせて半分近くに上っています。

浪江町住民意向調査(復興庁)
すぐに/いずれ帰還したい 13.5%
まだ判断がつかない 31.6%
合計 45.1%

今回、この工場で採用された27歳の渡部圭介さん。浪江の出身で震災後は南相馬に住んでいましたが今回の雇用を機に戻ってきました。

住み慣れた町というか、浪江町に戻りたいと思った。

「浪江町に仕事があれば戻る人はいるか?」

いると思う。

フォーアールエナジーでは事業の拡大とともにこうした現地雇用を増やす考えです。

浪江町では今後もこうした計画が・・・

今は更地の土地にも2018年4月以降、世界最大規模の水素製造工場の建設が始まります。Co2を排出しないエネルギーシステムの実現を目指し2年後の稼働を目指します。

浪江町はEVや再生可能エネルギーなど将来性が見込める新産業に力を入れることで町に賑わいを取り戻したい考えです。

馬場町長は、

誘致企業が第2、第3と予定されている。雇用の場を確保して若い人が戻ってこられる環境を整えたい。