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[WBS] 【ロングセラー研究所】長崎・角煮まんじゅう

2016年8月20日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

株式会社岩崎食品

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年間3,000万人が訪れる人気の観光地「長崎」。

長崎土産といえば「カステラ」。

言わずと知れた土産の王者です。

しかし、ある調査でそのカステラを抜いて人気No.1となった長崎土産があります。

それが「角煮まんじゅう」です。

ふわふわのまんじゅう生地にトロトロの豚の角煮が挟まれています。

お客様は

角煮がとろけるような感じで生地がうまく絡み合っておいしい。

ハンバーガーと違って手が汚れない。食べやすい。

観光の合間に食べて、冷凍の角煮まんじゅうをお土産に。

売り場には角煮まんじゅうがずらりと並び、多い日には1万個が売れます。

発売から28年、角煮まんじゅうのロングセラーの秘密を探ります。

株式会社岩崎食品 本社工場

ロングセラー研究員が訪ねたのは角煮まんじゅうを製造する株式会社岩崎食品の本社工場です。

古舘完之工場長に案内して頂きます。

こちらが角煮まんじゅうに使用しているチリ産のアンデス高原豚です。

まず機械でカットした肉を手作業で細かく切り分けます。

脂身と赤身のバランスを調整するため、直接見て脂身をカットしている。

角煮の味を決めるのが脂の割合。目で見て余分な脂を取り除きます。

特製の小麦粉で練り上げた生地を丸く成形するのは機械です。

半分に折るのは手作業です。

ちょっと押しただけでへこむ。機械でやるとかたくなるので人の手でそっと折っている。

株式会社岩崎食品の歴史

株式会社岩崎食品が創業したのは1965年。

世はまさにいざなぎ景気。

日本は高度成長期に突入していました。

家庭用の餃子などの製造・販売を始めた株式会社岩崎食品の商売は好景気の波にうまく乗りました。

しかし20年後、2代目の現社長、岩崎栄司社長が東京での調理師修行を終え株式会社岩崎食品で働き始めた1984年。

東京で30万円ほど給料をもらっていたが、長崎(株式会社岩崎食品)では給料が7万円だった。

株式会社岩崎食品はすっかり時代の波に取り残されていました。

そこで岩崎栄司社長は新たな商品の開発に取り掛かりました。

目を付けたのが中国や日本料理を融合した長崎伝統の「卓袱料理」でした。

卓袱料理に豚の角煮が出てくる。それをモチーフにした。

こうして1988年に角煮を手軽に食べられる「角煮まんじゅう」が誕生しました。

ところが、

時間が経つと売れなくなってきた。毎日、同じお客様が来る。同じお客様に、たくさん売り続けることができなかった。

バブル景気真っ只中の日本、飽食の時代を向かえ飽きられるのも早かった。

販路拡大

次なる展開は1994年以降の百貨店の物産展への出店です。

長崎県外へ販路拡大に動きました。

すると県外に長崎角煮まんじゅうというイメージが定着していきました。

長崎県外で知れ渡って、「長崎のどこで手に入るの?」という状態になった。

ならば長崎で「県外からのお客様向け」に売ることを思いつきました。

日常的に食べられるものはすぐに飽きられる。

お土産なら、その心配はありません。

日常食べる商品から「お土産品」にシフトすることで飽きられないロングセラー商品となりました。

売り上げは右肩上がりで伸び、その後は安定して10億円以上になっています。

最近は角煮まんじゅうのノウハウを生かしたハンバーガー「白バーガー」も展開しています。

今後は最低でも50年、できたら100年を目指す。長崎県内でナンバーワンのお土産の会社になれたら最高。

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